冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
冬といえば雪景色の写真!撮影のアイディア6選とカメラ設定のポイント
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
冬の風景写真といえば白い色に覆われた雪景色ですが、デジタル一眼カメラで撮影をすると見たままの綺麗さで撮影をするのが難しいですよね。
雪景色を撮りたいけれどもどんな景色を撮れば良いか分からない方や、撮影するといつも残念な写真になってしまうという方のために、私がこれまでに撮影をしてきた写真を使って撮影のアイディアやカメラの設定のポイントなどを分かりやすくご紹介していきます。
- よくある残念な雪景色の写真
- 雪景色を撮るときのカメラ設定のポイント
- 雪景色の撮影アイディア6選
雪景色を撮るのが難しい理由
雪景色はカメラで撮る構図の中の多くを白色の雪が占めていて、この白色というのは色彩の中で最も明るい色になります。
そしてデジタルカメラの性質上、測光する際に「明るい景色は暗めに撮る」という選択がされるので、カメラ任せのまま特に意識をせずに撮影をすると、上の参考写真のように全体的に暗い残念な写真になってしまいます。
- 雪は白色で色彩の中で1番明るい色
- カメラは明るい景色を暗く撮ろうとする性質がある
雪景色を撮るときは露出補正をプラスに設定
雪景色を撮影する際にはシャッター半押しで「ピント」と「露出」を合わせた後に、露出補正をプラスに設定することで、上の比較写真の右側のように適切な明るさで撮影をすることができます。
露出補正は+0.5〜1.5程度の間で、その時々の露出に合わせて調整をしていきましょう。
ファインダー内での見え方
露出インジケーターを右側に調整をしていくことで、シャッター半押しで決まった露出をさらに明るくすることが可能になります。
露出補正は+0.5〜1.5程度の間で調整
ヒストグラムでも確認可能
ファインダーやプレビュー画面だけでは適切な明るさになっているか判断が難しい場合は、ヒストグラムで確認が可能すると暗くなりすぎたり、逆に露出補正で明るくなりすぎるのを防ぐことができます。
ヒストグラムの比較
ヒストグラムの見方がわからないという方は、上の比較画像を参考に露出補正の確認と調整をしてみて下さい。
暗過ぎる写真のヒストグラムは左側が壁に付きそうで、明る過ぎる写真のヒストグラムは右側の壁に付きそうになるので、ヒストグラムの山が中央付近に来るようにすると良いでしょう。
雪景色の写真にオススメの撮影アイディア6選
私が実際に雪景色を撮影してきた写真を使って、どんな被写体や景色を写真に撮れば良いかをご紹介していきます。
上から順に、雪を見ることができる場所であれば撮ることができる可能性の高い順番に紹介していくので、住んでいる地域や写真を撮りにいく場所に適した雪景色の写真を撮っていきましょう。
ミニマルな景色
雪がたくさん積もっている場所では高さのある被写体以外は雪の下に隠れてしまうので、望遠レンズを使って景色の一部だけを切り取るとミニマルな雪景色の写真を撮ることができます。
雪が降った次の日や午前中でまだ誰も足を踏み入れていない時間帯を狙って、雪からポツンと顔を出している木や、積もった雪が形造る造形を切り取っていきましょう。
- 雪からポツンと顔を出している木
- 積もった雪の造形
- 人や動物の足跡
雪の上の影
朝早くや夕方で太陽の位置が低い時間帯では、雪の上に周りの木々や建物の影が落ちて自然ならではの綺麗な模様を作ってくれます。
左側の参考写真のように何か主題となる被写体の周りに副題として雪の上の影を入れたり、右側の参考写真のように雪の上の影が作る模様だけを切り取ってみると良いでしょう。
- 朝早くや夕方の方が影が長いので模様が綺麗
- 晴れの日など直射日光がある方が影が濃くなる
雪に反射する朝焼けや夕焼け
朝焼けや夕焼けが見れるマジックアワーの時間帯では、空の色が雪の上に反射する景色を写真に撮ることができます。
太陽がある方向に向かって逆光で撮影をすると明暗差も生まれるので、上の参考写真のように綺麗な朝焼けや夕焼け色に染まる雪景色を撮影可能です。
山頂付近が染まるモルゲンロートもオススメ
朝日や夕日が当たって山頂付近が赤やピンク色に染まるモルゲンロートは、雪が積もっている山でもみることが可能なので、近くに綺麗な雪山がある方は早朝や夕方に撮影に出掛けてみると良いでしょう。
雪山のモルゲンロート
上の写真は朝日に照らされて山頂付近がピンク色に染まった雪山を撮影したもので、このように山頂付近が朝日や夕日に照らされて色づく現象がドイツ語で「モルゲンロート」と呼ばれ、日本でもそのまま使われています。
- 逆光で撮影すると陰影がついて綺麗
- 山頂付近は赤やピンク色に染まることも
撮影の参考になる記事
降っている雪をフラッシュで
雪が降っている日にはカメラについているフラッシュ機能や、外付けのスピードライトを使うことで降っている雪を止まっているかのように写真に撮ることができます。
朝早くや夕方などの薄暗い時間帯や暗めの背景を選んで撮影をすると、フラッシュに照らされた雪がハッキリと写真に写るようになります。
また撮影をする際はなるべく小さいF値(F2.0〜5.6辺り)を使うことで、写真に写る雪を大きく撮ることが可能で、ちなみに上の参考写真ではF4.5で撮影をしています。
- なるべく強いフラッシュを使う(外付けがベスト)
- なるべく小さいF値(F2.0〜5.6辺り)を使う
- 薄暗い時間帯や暗い背景を選ぶ
- カメラの近くに被写体があるとフラッシュで真っ白に
紅葉との組み合わせ
秋から冬に移りわる短い期間に雪が降り積もると、紅葉と雪景色という2つの季節感が交わる印象的な写真を撮ることができます。
左側の参考写真のように紅葉の景色に雪が覆いかぶさってくる光景を撮影したり、右側の参考写真のように足元に積もった雪の上に落ちている紅葉を撮影すると良いでしょう。
- 紅葉している山の山頂付近に雪が積もっている景色
- 積もった雪の上に落ちている紅葉
風紋(シュカブラ)
強風が吹く雪山などでは風によって削られた雪の造形が、まるで波や模様のように現れる風紋(シュカブラ)を雪景色として撮ることができます。
上の参考写真はどちらも削り具合が浅い風紋(シュカブラ)ですが、さらに険しい場所や強風が吹く場所では深く削られた荒々しい造形の風紋(シュカブラ)を撮ることができるようです。
- 強風が吹き荒れる雪山でよく見られる
まとめ
冬の代表的な被写体である雪景色を撮影する際の注意点と、撮影のアイディアをご紹介しました。
雪国だからこそ撮ることができる景色もあれば、雪が降りさえすれば撮ることができる景色もあるので、まずはこの記事で紹介した撮影のアイディアを参考に身近な雪景色から撮影してみましょう。
防寒対策もしっかりと
雪景色の撮影は氷点下近くの寒い気温の中で行うことになるので、ダウンやヒートテックはもちろん指先が凍傷しないように手袋を用意して撮影にのぞみましょう。
またバッテリーは寒さに弱くて夏場よりも早く残量が減るので、予備のバッテ入りーを持ち歩くことをオススメします。
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