冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
もうダサいとは言わせない!日の丸構図の写真を上手に撮るテクニック
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
みなさんは写真を撮るときにどのくらいの頻度で日の丸構図を使用していますか?
日の丸構図は被写体を構図のど真ん中に配置する、基本的にはとてもシンプルな構図で誰でも簡単に取り入れることが可能ですが、その分「ダサい」「面白くない」といった残念なイメージがある構図でもあります。
そんなカメラに慣れた人ほど使わなくなっていく日の丸構図を使って、印象的で人の心に残るような写真を撮る方法をご紹介していきます。
- 日の丸構図が残念な写真になる原因
- 日の丸構図を使ったの上手な撮り方
普段から日の丸構図を使って撮影をしている方はもちろん、日の丸構図で撮ることがなくなったという方も、ぜひこの記事を参考にして日の丸構図でも撮ることができる印象的な写真を撮影してみて下さい。
日の丸構図が残念な写真になる原因
- 副題を配置しづらい
- 無駄な余白が多くなりやすい
- 写真を隅々まで見てもらいにくい
- メッセージ性が生まれにくい
日の丸構図を使って撮影した写真のほとんどは、上記のようなことが原因で残念な印象の写真と判断されることが多いです。
多くの場合、日の丸構図では主題となる被写体を構図の中央に大きく配置するので、副題となる被写体を構図の中に配置することが難しくなり、構図の四隅には無駄な余白だけが広がることになります。
このため写真を見る人の目は構図の中心だけに留まりやすく、日の丸構図で撮影するとメッセージ性の薄い写真に仕上がりやすいのです。
残念な日の丸構図の作例
上の作例は日の丸構図を使って花を真上から撮影した写真で、色鮮やかな写真ですがただ単純に「花をとった写真」という事くらいしか伝わってこない残念な写真になっています。
このようにただ漠然と被写体を構図の中央に配置するだけでは、その写真を見る人にとってただ綺麗なだけの写真という印象で終わってしまうのです。
日の丸構図使った上手な写真の撮り方
日の丸構図を使った撮影でも、他の構図と組み合わせたり構図の中の配色や背景ボケを上手く取り込むことで、隅々まで見てもらえるような印象的な写真やメッセージ性のある写真を撮ることが可能です。
他の構図と組み合わせる
写真を撮る時の構図はいくつか存在しますが、そのうちのどれか1つだけを使用するよりも、複数の構図を組み合わせる方がより印象的な写真を撮ることが可能になります。
構図の組み合わせは様々ですが、まずはこちらの3つの組み合わせから試してみると良いでしょう。
日の丸構図 + 二分割構図
水平線や地平線に沿って画面を2つに分ける二分割構図と日の丸構図を組み合わせることで、シンプルながらも全体的にバランスが良い写真に仕上がります。
上の作例では対岸の港沿いに立ち並ぶビルを境目に空と海を二分割構図で配置することで、日の丸構図で中央に配置した夕日の他に、左右への広がりを感じる写真に仕上げることができました。
日の丸構図 + 対角線構図
日の丸構図に対角線構図を組み合わせることで、構図の中にリズムや動きが生まれて対角線に沿って写真を見る人の視線を誘導しやすくなります。
上の作例ではリスが乗っかっている枝を対角線上に配置することで、枝が作る対角線に沿って周りの景色にも視線が誘導される写真に仕上がっています。
日の丸構図+放射線構図
日の丸構図と放射線構図を組み合わせることで、構図の中央に配置した主題へとごく自然に写真を見る人の視線を誘導することが可能になります。
上の作例では構図の四隅から構図の中央へ続く道路と周りの木々が放射線となり、写真を見る人の視線を日の丸構図で配置した主題である橋に誘導できる写真に仕上がっています。
リーディングラインで撮る印象的な写真
ちなみにこの「日の丸構図+放射線構図」の組み合わせは、主題となる被写体に直線や曲線を結びつける「リーディングライン」を用いた撮影テクニックを応用したものです。
このリーディングラインは人間が直線や曲線を目で追ってしまうという習性を利用した撮影方法で、特に広角レンズを使用して広大な景色を撮る時などにでも、写真を見る人の目を主題へと誘導できるとても便利な撮影方法となっています。
補色や類似色を配置する
単純に日の丸構図だけを使用する場合でも、主題の色とは補色の関係になる色や主題の色と類似している色を配置することで、メリハリのある印象的で人の目を惹きやすい写真に仕上げることが可能です。
ちなみにこの「補色」と「類似色」は色の違いを円状にまとめた色相環という、それぞれの色の関係を表した図の中で使用される表現です。
色相環図
この色相環図の中で、それぞれ反対に位置する色同士の関係を「補色」と呼び、それぞれ隣同士や近い場所に位置する関係を「類似色」と呼んでいます。
この色相環図の中での「補色」と「類似色」を上手く構図の中に配置できるようになると、上の作例のようにメリハリのある写真が撮れるようになるのです。
適度なボケを使う
動物の群れの中から1匹だけを日の丸構図で切り取る場合や、花畑の中から1つの花だけを日の丸構図で撮る場合には、周りの動物や花を適度にボカすことでその場の臨場感が伝わる写真に仕上がります。
背景をガッツリとボカす方法も悪くはありませんが、風景写真としての表現方法の1つとしてその場の臨場感を伝える、適度なボケを使った撮影方法も覚えておくと良いでしょう。
まとめ
日の丸構図は簡単に撮れる構図なためカメラで撮影を始めたばかりの方は、構図を意識していないと自然と被写体を中央に配置する日の丸構図で撮影していることが多いです。
ただ単純に主題が綺麗に写っているだけの日の丸構図や、メッセージ性の薄い日の丸構図での撮影をしないように、この記事を参考にして上手に日の丸構図を使った撮影をしていって下さい。
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