冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
作例から学ぶ!超広角レンズを使いこなす4つのコツ
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
とても広い範囲を撮ることが可能な超広角レンズですが、購入して実際に使ってみると上手く写真が撮れないという声をよく聞きます。
これから超広角レンズの購入を考えている人、超広角レンズを購入したけど上手に写真が撮れないという人のために、超広角レンズを使った撮影でのメリットとデメリット、さらに上手な撮り方を紹介していきます。
超広角レンズとは
焦点距離が35mm換算で24mm以下のレンズ
- 超広角レンズでの残念な写真の特徴
- 超広角レンズの特徴
- 作例で学ぶ超広角レンズでの撮影のコツ
超広角レンズでの残念な写真の特徴
- 余計な被写体が入り込んでいる
- 無駄な空間が多い
- 主題がハッキリとしない
超広角レンズでの撮影は難しく、レンズの特徴を意識しないで撮影をしてしまうと、パッとしない残念な写真になってしまうことが多いです。
まずは超広角レンズで陥りやすい、残念な写真の特徴を理解することで、超広角レンズを使った印象的な写真の撮り方を理解しやすくなるので、一つ一つ確認をしておきましょう。
余計な被写体が入り込んでいる残念な写真
超広角レンズはとても広い範囲を撮影できる分、構図の端に人や木・電線などの余計な被写体が入り込みやすくなります。
撮影中は構図の端にもよく注意をして、余計な被写体が入り込まないように気をつけましょう。
レンズズームを使って撮影する範囲を調整したり、撮影位置や高さを変えて構図を調整することで、余計な被写体が入り込むのを防ぐことが可能
無駄な空間が多い残念な写真
超広角レンズは撮影できる範囲が広いので、空や地面・海などの面積が大きくなりやすく、結果的に無駄な空間が多い写真になりやすいです。
この写真のように空に雲はなく海に船や島のない、無駄に広いだけの空間が存在すると主題に目がいくづらくなるので、構図作りの際には注意が必要です。
特徴的な雲が出ている日、特徴的な模様のある地面があれば、それらを主題として空や地面を大きく写して撮影
主題がハッキリとしない残念な写真
超広角レンズは広い範囲を撮影できるので、あれこれと沢山の被写体(情報)を構図に組み込んでしまうと、何を撮ったかわからない写真になってしまします。
上の写真のように無造作にたくさんの被写体が存在すると、主題がハッキリとせずにどこに注目して良いか分からない写真になってしまいます。
主題に目がいくようにリーディングラインを構図に入れて主題を明確に
超広角レンズの特徴
- 強力なパース(遠近感)で奥行きがでる
- 狭い空間を広く見せることができる
超広角レンズでの残念な写真の原因を理解したら、次は超広角レンズが持つ特徴を理解していきましょう。
超広角レンズに限らず、焦点距離毎にそれぞれのレンズが持つ特徴を理解することで、そのレンズの特徴を活かした印象的な写真を撮影することが可能になります。
強力なパース(遠近感)で奥行きがでる
超広角レンズはカメラに近い被写体を大きく、逆にカメラから遠い被写体は小さく写るパース(遠近感)という特徴があり、このパースによって写真に奥行きを出すことが可能になります。
またこの奥行きを上手く使うことで、ダイナミックな表現の写真を撮ることもできるのです。
狭い空間を広く見せることができる
超広角レンズは、人間の視野よりも広い範囲を構図に入れることが可能です。
さらにはパース(遠近感)によって生まれる奥行きと合わせることで、室内や狭い範囲の風景を広く見せるような撮影が可能になります。
作例で学ぶ超広角レンズでの撮影の4つコツ
超広角レンズの特徴である、パースによる奥行きと空間を広く見せる効果を最大限に発揮するための、撮影での4つのコツを作例とともにご紹介ていきます。
作例1:前景と後景を入れて写真に奥行きを出す
上の作例では、前景であるカメラに近い人とエスカレーターは大きく写り、後景であるカメラから遠い街の夜景は小さく写っていることで、奥行きと遠近感を感じる作品に仕上がっています。
前景と後景には色や形状が違う被写体を選ぶことがポイントで、逆に似たような被写体を選んでしまうと遠近感を感じづらい写真になるので注意が必要です。
前景と後景が一目で違うと分かる被写体を組み合わせる
作例2:足元を入れて撮影場所の臨場感を出す
上の作例のように超広角レンズを使うときには、撮影者である自分の足元やその立ち位置を構図に入れることで、写真を見る人に実際の撮影場所と同じような臨場感を与えることが可能になります。
縦構図またはローポジションでカメラを地面に近づけると、撮影者である自分の足元やその周りを構図に入れやすいです。
作例3:パースを使ってリーディングラインを作る
上の作例のように、道路や建物・木など長さや高さのある被写体に近づいて撮影をすることで、それらの被写体をリーディングラインとして写真を見る人の視線を特定の場所へ誘導することができます。
特定の被写体に近いて撮影をすると、超広角レンズでも全体にピントを合わせることは難しくなるので、主題を明確にしてピント合わせをおこないましょう。
パースを使ったリーディングラインの先に、主題となる被写体を配置すること
作例4:小さな被写体や景色に近寄って大きく撮影する
上の作例は、横幅が1メートルにも満たないとても小さ水流の写真ですが、手前の岩に近寄って撮影したことで奥行き感が生まれ、ある程度サイズ感のある渓流の写真のように見えています。
ただしレンズの最単焦点距離よりも被写体に近寄りすぎると、被写体にピントが合わなくなるので撮影位置には注意をしましょう。
ピントがうまく合わない場合は、最短焦点距離になるまで被写体から離れて撮影
Canon用10万円以下で買える超広角ズームレンズ
Canonのデジタル一眼カメラで使用可能な超広角ズームレンズの中で、10万円以下で購入可能なレンズをレンズマウント別にご紹介していきます。
ご使用中のカメラのレンズマウントがわからない方は、下のリンクから確認できます。
Canonフルサイズ・ミラーレス機用(RFマウント)
該当する超広角ズームレンズはなし
※2023年4月現在
残念ながらCanonの新しいレンズマウントである、フルサイズ・ミラーレス機(RFマウント)専用で、10万円以下で購入できる超広角ズームレンズはまだ販売されたいません。
ただ価格を気にしないということであれば、フルサイズ・ミラーレス機(RFマウント)専用の超広角ズームレンズは販売されているので、気になる方は下記のリンクを確認してみて下さい。
単焦点の超広角レンズ
- 超軽量165g
- 簡易的なマクロ撮影が可能
- 新品価格が5万円以下
ズームレンズではありませんが、新品でも5万円以下で購入ができる、Canon純正の単焦点の超広角レンズが販売されています。
最短焦点距離0.13mと最大等倍率0.26倍によって、簡易的なマクロレンズのように被写体に寄った写真撮影が可能なので、ダイナミックな写真を撮ることができるレンズです。
対応レンズマウント | RF [フルサイズミラーレス] |
焦点距離 [35mm換算] | 16mm [16mm] |
開放F値 | F2.8 |
最短焦点距離 | 0.13m |
最大等倍率 | 0.26倍 |
フィルター径 | 43mm |
手ブレ補正機能 | なし |
重量 | 165g |
Canonフルサイズ・一眼レフ機用(EFマウント)
- 生産終了より中古品のみ流通
- 高いコストパフォーマンス
- 全ズーム域で簡易的なマクロ撮影が可能
Canon純正ではなく、サードーパーティ会社のTAMRONから販売されているCanonフルサイズ・一眼レフカメラ用の超広角ズームレンズです。
焦点距離は17-35mmと、超広角から広角ギリギリまでとても広範囲をカバーしているので、構図作成も簡単におこなうことが可能となっています。
対応レンズマウント | EF / EF-S [フルサイズ一眼 レフ/ APS-Cサイズ一眼レフ] |
焦点距離 [35mm換算] | 17-35mm [APS-Cサイズに使用で27-56mm] |
開放F値 | F2.8-4.0 |
最短焦点距離 | 0.28m |
最大等倍率 | 0.20倍 |
フィルター径 | 77mm |
手ブレ補正機能 | なし |
重量 | 460g |
Canon APS-C・一眼レフ機用(EF-Sマウント)
- 新品価格が3.5万円以下
- 高いコストパフォーマンス
- 手ブレ補正付き
Canon純正のAPS-C機(EF-Sマウント)専用の超広角レンズで、35mm換算で焦点距離16-29mmの超広角ズームレンズです。
開放F値が4.5からと少し高めですが、超広角レンズを使った撮影では背景をボカすことが少ないので、あまり気にならないデメリットとなっています。
対応レンズマウント | EF-S [APS-Cサイズ一眼レフ] |
焦点距離 [35mm換算] | 10-18mm [16-29mm] |
開放F値 | F4.5-5.6 |
最短焦点距離 | 0.22m |
最大等倍率 | 0.15倍 |
フィルター径 | 67mm |
手ブレ補正機能 | 約4段分 |
重量 | 240g |
Canon APS-C・ミラーレス機用(EF-Mマウント)
- 新品価格が5万円以下
- 簡易的なマクロ撮影が可能
- 手ブレ補正付き
Canon純正のAPS-C・ミラーレス機(EF-Mマウント)用の超広角レンズで、35mm換算で焦点距離が18-35mmの超広角ズームレンズです。
超広角レンズでありながら、最短焦点距離が0.15mととても短いので、前景にする被写体に近寄ってマクロのようなダイナミックな写真を撮ることも可能となっています。
対応レンズマウント | EF-M [APS-Cサイズミラーレス] |
焦点距離 [35mm換算] | 11-22mm [18-35mm] |
開放F値 | F4.0-5.6 |
最短焦点距離 | 0.15m |
最大等倍率 | 0.3倍 |
フィルター径 | 55mm |
手ブレ補正機能 | 約3段分 |
重量 | 220g |
まとめ
- 超広角レンズは余計な被写体が入った失敗写真になりがち
- 超広角レンズは無駄な空間が多い失敗写真になりがち
- 超広角レンズは主題がハッキリとしない失敗写真になりがち
- 超広角レンズはパース(遠近感)で奥行きがだせる
- 超広角レンズは狭い空間を広く見せることができる
広い範囲を撮ることができる超広角レンズは、とても便利なように見えて、実は使いこなすのがとても難しいレンズの1つです。
超広角レンズでよくある失敗写真の3パターンに気をつけながら、パース(遠近感)を使った奥行きのある写真や、空間を広く見せた写真を上手に撮影していきましょう。
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