冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
写真に悪影響?!フレアとゴーストが発生する条件とその対策を徹底解説!!
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
カメラで写真を撮っていると画面の一部が白っぽくなったり、虹色のような光が写り込んでしまうことがありますよね。
これらは「フレア」や「ゴースト」と呼ばれ、ある一定の条件の中で撮影をすると写真に写り込んでしまうのです。
元々その景色や目には見えない「フレア」や「ゴースト」は、意図せずに写真に写り込んでしまうと、残念な写真に仕上がってしまうので注意が必要なんです。
- フレアとゴーストとは
- フレアとゴーストの発生を防ぐ方法
- フレアとゴーストのを活かした撮影方法
この記事ではフレアやゴーストをが発生する条件とその発生を防ぐ方法、さらにはフレアやゴーストを活かした写真の撮り方わかりやすくご紹介していきます。
フレアとゴーストとは
フレアとゴーストはどちらも写真を撮る際の構図の近くに強い光源が存在する場合に、その強い光がレンズを通して写真に写り込むもので、大まかには次のような違いがあります。
フレアとは
フレアは強い光がレンズの中で乱反射して写真の一部が必要以上に明るくなったり全体的に白っぽくなる現象です。
上の参考写真では左上から差し込むの強い太陽光の影響で、写真全体が白っぽくぼやけた印象になっているのがわかります。
フレアが発生すると全体的に白くぼやけた印象になるので、色のりも悪くコントラストにかけた写真に仕上がってしまいます。
ゴーストとは
ゴーストは強い光がレンズの中で反射して、そのレンズの絞りの形や楕円形になって写真に写り込む現象です。
上の参考写真では左上の太陽の位置から対角線状に、所々に緑色や赤色などの光が写り込んでいるのがわかります。
ゴーストが発生すると写真の中に余計なものが写り込んでいることになるので、どんなに綺麗な写真を撮影してもどこか残念な印象の写真になってしまします。
フレアやゴーストの発生を防ぐ方法
フレアとゴーストはどちらも強い光源が原因となって発生する現象なので、次のような対策をとることで意図しないフレアやゴーストの発生を防ぐことが可能になります。
逆光での撮影を避ける
フレアとゴーストが発生する根本的な原因は強い光源がカメラを向ける方向にあることなので、逆光での撮影を避けることで意図しないフレアやゴーストの発生を防ぐことが可能です。
上の比較写真は同じ山の中の湖を撮影したものですが、逆光で撮影した写真の方がドラマティックな写真ですが、太陽の周りにたくさんのゴーストが写り込んで少し残念な仕上がりになっています。
逆光撮影に強いコーティングがされたレンズを使用
逆光でドラマティックで印象的な写真を多く撮影したい方は、逆光での撮影に強いコーティングがされたレンズの購入を検討するのも良いでしょう。
カメラのメーカーそれぞれで逆光耐性のためのコーティング名が違うので、お使いのカメラメーカーでの名称を参考にして購入するレンズの検討をすると良いでしょう。
- キャノン:ASC(Air Sphere Coating)
- ニコン:ナノクリスタルコート
- ソニー:ナノARコーティング
各メーカーの代表レンズ
レンズフードを付ける
レンズ専用のレンズフードを装着することで強い光源からの余計な光を遮ることがでるので、手持ちのレンズにレンズフードが付属している場合には使用していくと良いでしょう。
ちなみに購入時にレンズフードが付属していないレンズでも、各メーカーから専用のレンズフードが販売されているので購入を検討してみましょう。
構図の中に光源がある場合は意味がない
レンズフードに役割はレンズの横や斜め方向から入り込む光を防ぐことなので、レンズの正面(構図の中)に光源がある場合にはレンズフードで光が入り込むのを防ぐことが不可能です。
ハレ切りをする
ハレ切りは手や板のようなモノでレンズフードの代わりとして光が入り込むのを防ぐ方法で、レンズフードと同じでレンズの横や斜めからの光を遮ることでフレアやゴーストの発生を防げます。
とても原始的ですが効果はとても大きいので、レンズフードの有無に関わらずフレアやゴーストの発生が気になるときには、手をかざしてハレ切りをしながら撮影してみると良いでしょう。
手や板が写り込まないように注意
とても簡単にフレアやゴーストの発生を防ぐことができるハレ切りですが、手や板をかざす位置によっては写真に写り込んでしまうことがあるので注意しましょう。
レンズの保護フィルターを外す
レンズ保護フィルターを使用している場合、レンズの前にもう1枚ガラスが存在することになるのでその分フレアやゴーストが発生するリスクが高まります。
カメラを落とす心配が無いなど安全に撮影をできる環境の場合は、保護フィルターを外して撮影することでフレアやゴーストの発生を防げる上に、レンズ本来の画質・性能で写真を撮影することが可能になります。
どうしても逆光で撮影したい時の対策
基本的には逆光を避けて撮影をすることでフレアやゴーストの発生を防ぐことができますが、朝焼けや夕焼けが綺麗なマジックアワーの撮影では逆光での印象的な写真を撮りたいものです。
そんなどうしても逆光で撮影する必要がある場合には、次のような点を意識するとフレアやゴーストの発生を防ぐことが可能な場合があります。
これらの対策はあくまでも予防程度の効果で、撮影するときの環境によっては完全にフレアやゴーストを防ぐことができないこともあるので、参考までに覚えておいて必要に応じて試してみて下さい。
レンズの汚れを落とす
フレア・ゴースト対策
レンズがチリやホコリ、水滴などで汚れているとそれらの汚れに反射した光が、ゴーストとして写真に現れることがるのでレンズはの汚れは落としてから撮影をしましょう。
レンズの汚れを落とす方法には専用の「レンズペン」や「レンズクリーナー」を使用すると、レンズを傷つけることなく綺麗に汚れを落とすことができます。
ズームレンズよりも単焦点レンズを使用
フレア・ゴースト対策
ズームレンズと単焦点レンズでは、同じ焦点距離でもレンズ構成に使用しているガラスの枚数に違いがあります。
一般的に単焦点レンズの方が使用しているガラスの枚数が少ないので、その分ズームレンズよりもレンズ内での光の反射が少なくフレアやゴーストが発生しにくいです。
- 単焦点レンズ → レンズの構成上フレアやゴーストが発生しにくい
- ズームレンズ → レンズの構成上フレアやゴーストが発生しやすい
風景写真の撮影にはオススメしない
風景写真の撮影には焦点距離を自由に変更できるズームレンズでの撮影がオススメなので、フレアやゴースト対策のためだけに単焦点レンズに切り替えるのはあまりオススメしません。
多少フレアやゴーストが発生していても、ズームレンズでシャッターチャンスを逃すことなく撮影する方が風景写真にとっては大切です。
またレタッチの段階でゴーストを除去することもできるので、撮影現場ではズームレンズでも可能なフレアやゴースト対策をしておくと良いでしょう。
広角よりも望遠で撮影
ゴースト対策
ゴースト限定ではありますが、広角レンズよりも望遠レンズのように焦点距離が長いレンズで撮影をする方がゴーストの発生を防ぐことが可能です。
上の参考写真は望遠レンズを使って焦点距離260mmで撮影をしているので、構図のすぐ右上に太陽がある状態でもゴーストがまったく発生していません。
風景写真の撮影では広角レンズで広大な景色を切り取るだけでなく、望遠レンズを使って逆光の印象的な景色を綺麗に切り取ってみるのも良いでしょう。
なるべく小さいF値(絞り)で撮影
ゴースト対策
あくまでもゴーストが目立たなくなる程度の違いですが、F値(絞り)を小さくして撮影をすることで上の比較写真のようにゴーストを目立たなくすることが可能です。
ただしF値(絞り)を小さくするとその反面で構図の手前や奥のピントが甘くなったり、周辺減光で四隅が暗くなったりするので、必要に応じて許容できる範囲に調整するのが良いでしょう。
レタッチ専用ソフトでゴーストを除去
ゴースト対策
写真のレタッチ専用ソフトのLightroomやLuminar Neoには、写真の中に写り込んでいる不要な被写体などを除去する機能が付属しています。
この機能を上手に使うことで、比較のように写真の中に写り込んでいるゴーストを綺麗に除去することが可能になります。
撮影の段階でどうしても防ぐことができないゴーストは、レタッチ専用ソフトを使って不要なゴーストを除去していきましょう。
フレアやゴーストを活かした写真
意図しないフレアやゴーストの写り込みはよくないですが、どうしても防ぐことができないフレアやゴーストは、写真表現の一部としてわざと写り込ませしまうのも1つのテクニックです。
フレアを上手く使った写真
フレアが写り込むと写真全体が白っぽくなりコントラストが失われるので、ふんわりとした柔らかい印象の写真に仕上げることが可能です。
上の参考写真のように夕焼けに照らされる紅葉も、フレアを上手く活かすことで陽の暖かみも感じることができる写真に仕上がっています。
このほかにも花を逆光で撮影するときなどには、このフレアが写真全体の柔らかい雰囲気を作ってくれます。
- コスモスなどの小さな花
- 子供やペット
- 夕焼けの景色
ゴーストを上手く使った写真
ゴーストは光が形となって写り込む現象なので、上手く写真に取り込むと強い太陽の日差しや光源の眩しさを表現することが出来ます。
上の参考写真のように構図の中央に太陽を持ってくると太陽を中心として光の輪が写り込む、逆に太陽を構図の端に配置するほど太陽から遠い対角線上に光が写り込むようになるので、さまざまな構図で撮影を試してみると良いでしょう。
- 朝日や夕日
- 真夏の景色
まとめ
フレアやゴーストの発生する条件を知ることで、意図しないフレアやゴーストの写り込みを防ぐことが可能です。
ただフレアやゴーストは完全に悪いというわけではないので、状況に応じて対策をしたり写真表現の1つとして取り入れたり、上手に付き合いながら撮影を楽しんでいきましょう。
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