冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
カメラのISO感度とは?初心者が覚えておくべき基礎をわかりやすく解説 ~その3~
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
デジタル一眼カメラで写真を撮り始めると、頻繁に目にするけれど使い方がよく分からない方も多いISO感度、みなさんはISO感度についてどのくらい理解できていますか?
カメラのISO感度は、写真を撮る上で写真の明るさや画質、シャッター速度に大きく関わってくる、重要な設定項目なので、初心者の方も今のうちからISO感度の正しい使い方を知っておく方が良いですよ。
- ISO感度とは
- ISO感度による明るさと画質の変化
- ISO感度の主な使い方
ISO感度とは
カメラのISO感度は、主に写真の明るさを決めるための設定です。
この写真の明るさを決めるISO感度は、一般的に「イソ感度」「アイ・エス・オー感度」「アイソ感度」と言った呼び方をされていてます。
カメラでのISO感度の表記
上のイラストは、キャノンカメラでのISO感度の表示のされ方を表したものですが、「ISO1600」となってる部分がISO感度で、この「ISO〇〇」の数値を変化させることで、写真の明るさを決めることができるのです。
主に写真の明るさを決めるISO感度ですが、ISO感度の変化は写真の明るさを含めた、主に次の3つに影響があります。
- 写真の明るさ
- 写真の画質
- シャッター速度
ISO感度はイメージセンサーに当たるの光(明るさ)を増減する機能
ISO感度の変化によって写真の明るさが変化するのは、ISO感度が電子的に、イメージセンサーに当たる光(明るさ)を増減させる機能だからです。
ISO感度が光を増幅するイメージ
上のイラストは、ISO感度が電子的に、カメラのイメージセンサーに当たる光(明るさ)を増幅するイメージで、ISO100では暗く写るシーンでも、ISO感度を上げることで光(明るさ)が増幅されることを示しています。
イメージセンサー
レンズから入ってきた光を描写(記録)する場所で、このイメージセンサーに入ってきた光の情報(明るさ・色)をカメラが写真データに変えていく
※カメラの種類によってイメージセンサーのサイズは異なる
ISO感度が高いか低いかで写真の明るさが変化
ISO感度は電子的にイメージセンサーに当たる光(明るさ)を増減させる機能ですが、カメラ初心者の方は、単純にISO感度が高いか低いかで写真の明るさが変化すると覚えておきましょう。
- 低いISO感度 → 写真が暗くなる
- 高いISO感度 → 写真が明るくなる
ISO感度は「ISO100」か「ISO200」を基準にして、「ISO〇〇」の数値を高くしていくことで、写真を明るくしていきます。
このため数値の小さい「ISO100」や「ISO400」は低いISO感度になるので写真は暗くなり、数値の大きい「ISO1600」や「ISO3200」は高いISO感度になるので写真は明るくなります。
ISO感度と明るさの関係
上のイラストは、ISO感度の数値と写真の明るさの関係を表したもので、低いISO感度ほど写真は暗く、高いISO感度ほど写真が明るくなるのがわかります。
高いISO感度なら暗い場所でも撮影ができる
ISO感度を高く設定するほど撮れる写真は明るくなるので、日中に比べて暗い中での撮影になる夜景写真や星空の写真を撮るときには、このISO感度を高く設定して撮影をすることが多くなります。
ここまでのおさらい
ここまで学習したことをおさらいしましょう。それぞれの問題をクリックすると答え合わせができます。
Q1. ISO感度は光(明るさ)を何する機能?
- 光(明るさ)を増減させる機能
ISO感度は電子的に、イメージセンサーに当たる光(明るさ)を増幅したり、減衰させるための機能です。
Q2. ISO100とISO1600ではどちらの写真が明るい?
- ISO1600の方が写真は明るい
ISO感度は低い数値よりも、高い数値に設定する方が撮る写真が明るくなります。
ISO感度の分類
ISO感度は、設定する数値の幅によって、主に次の3つの種類に分類されます。
- 基準ISO感度
- 常用ISO感度
- 拡張ISO感度
ISO感度は、「基準ISO感度」を基準として、通常の撮影で使用できる「常用ISO感度」、通常の撮影以外で使用する「拡張ISO感度」にそれぞれ分類されています。
ISO感度の分類
上のイラストはカメラのISO感度の分類を表したもので、常用ISO感度の中に基準ISO感度が存在していて、常用ISO感度の外(両側)に拡張ISO感度が存在していることがわかります。
基準ISO感度
基準ISO感度は、そのカメラの基準となるISO感度で、この後に解説する写真の画質が1番良いISO感度になります。
カメラの種類によって異なりますが、「ISO100」か「ISO200」がデジタル一眼カメラの基準ISO感度となっていることがほとんどです。
常用ISO感度
常用ISO感度は、カメラに設定された初期設定の状態で使用が可能なISO感度のことで、カメラのISO感度設定で撮影シーンに合わせたISO感度の数値を設定することができる。
カメラによって違いはありますが、常用ISO感度は基準ISO感度の「ISO100」か「ISO200」から「ISO12800」や「ISO51200」といった高さまを設定することが可能です。
拡張ISO感度
拡張ISO感度は、カメラの初期設定では使用することができないISO感度で、「ISO50」や「ISO164000」などの、常用ISO感度には存在しないISO感度の数値です。
拡張ISO感度は使用できるカメラと使用できないカメラがあるので、必ずしも全てのカメラに存在する機能とは限りません。
ここまでのおさらい
ここまで学習したことをおさらいしましょう。それぞれの問題をクリックすると答え合わせができます。
Q1. 基準ISO感度の数値はいくつ?
- ISO100かISO200
カメラの種類によって異なりますが、「ISO100」か「ISO200」がデジタル一眼カメラの基準ISO感度となっています。
Q2. 初期設定で使用できるISO感度の分類は何?
- 常用ISO感度
初期設定の状態でそのカメラで使用できるISO感度の数値で、「ISO100 ~ 12800」などカメラによって違いがあります。
ISO感度と画質の関係
暗い場所でも明るい写真を撮ることができるISO感度ですが、ISO感度の数値を低くしたり高くするほどノイズが発生して、写真の画質が劣化するというデメリットがあります。
カメラの機種によって違いはありますが、基本的にISO感度は「ISO100」か「ISO200」を基準にして、この数値よりも低く設定したり高く設定していくほど、ノイズが発生して写真の画質は劣化していきます。
ISO感度と画質の関係
上のイラストは、ISO感度と画質の関係を表したもので、最も画質が良い基準ISO感度の「ISO100」を基準に、ISO感度を高くするほど多くのノイズが発生して、写真の画質が劣化しているのがわかります。
ISO感度は必要以上に上げない
写真の明るさを決めるISO感度ですが、実際のカメラでの撮影ではこのISO感度の他に「絞り」と「シャッター速度」も写真の明るさの決定に関係してくるので、ISO感度を使って無理に写真の明るさを調整する必要はありません。
Pモード(プログラム・オート)やAvモード(絞り優先)を使った撮影では、カメラが「絞り」や「シャッター速度」を調整して、自動的に明るさを保つようにしてくれるので、ISO感度を上げすぎないようにして、写真の画質を保つように心がけましょう。
ここまでのおさらい
ここまで学習したことをおさらいしましょう。それぞれの問題をクリックすると答え合わせができます。
Q1. 高いISO感度ほど写真の画質はどうなる?
- 画質は劣化する
ISO感度は数値を低くしたり、高くするほどノイズが発生して、写真の画質が劣化します。
Q2. ISO400とISO6400ではどちらが高画質?
- ISO400
ISO感度は基準ISO感度の「ISO100」か「ISO200」に近いほどノイズの少ない画質の良い写真が撮れます。
※ISO50やISO32のように基準ISO感度よりも低いISO感度はISO100よりも画質が劣化する
ISO感度とシャッター速度の関係
ISO感度は、低い数値に設定するほどシャッター速度が遅くなり、逆に高い数値に設定するほどシャッター速度が速くなります。
カメラ初心者の方が使用するPモード(プログラム・オート)やAvモード(絞り優先)を使った撮影では、ISO感度の設定によってシャッター速度が毎回変化するので、ISO感度とシャッター速度の関係を理解しておくようにしましょう。
ISO感度とシャッター速度の関係
上のイラストは、ISO感度とシャッター速度の関係を表したもので、低いISO感度ほどシャッター速度が遅くなるので、動く被写体はブレて写るようになります。
逆に高いISO感度ほどシャッター速度が速くなるので、動く被写体でもまるで止まっているかのように、被写体ブレのない写真に撮ることが可能になります。
ここまでのおさらい
ここまで学習したことをおさらいしましょう。それぞれの問題をクリックすると答え合わせができます。
Q1. ISO感度を高くするとシャッター速度はどうなる?
- シャッター速度は速くなる
ISO感度は高く設定するほどシャッター速度は速くなり、逆にISO感度を低くするほどシャッター速度は遅くなります。
Q2. 被写体ブレがない写真を撮るにはISO感度をどうする?
- ISO感度を高くする
動いている被写体を被写体ブレなく撮るにはISO感度を上げてシャッター速度を速くする必要があります。
ISO感度の主な使い方
カメラのISO感度は、「写真の明るさ」「写真の画質」「シャッター速度」の3つに大きく影響する機能なので、撮影する被写体や撮影シーンによって、ISO感度を低くしたり、逆にISO感度を高くして撮影する必要があります。
- ISO感度を低く → 高画質な写真、長時間露光など
- ISO感度を高く → 動物、乗り物、星空など
ISO感度を低くして撮る写真
ISO感度を低くして撮ることで、ノイズのない高画質な写真に撮ることが可能です。
またシャッター速度も遅くなるので、滝や渓流の水の流れをわざとブラして、絹のような線として写真に撮ることも可能になります。
ただし実際のところは、ISO感度を低く設定しても、日影などの日中でも薄暗いところを除いては、シャッター速度を1秒前後よりも遅くすることは難しいので、NDフィルターという特殊なフィルターを使って撮影をすることがほとんどです。
≫ NDフィルターの使い方はこちら
必要に応じて三脚を使用
ISO感度を低く設定することで、高画質な写真を撮ることが可能ですが、撮影時間帯によっては手ブレが起こる可能性があるので、三脚にカメラを固定して手ブレが起こらないようにしておきましょう。
≫ 三脚の使い方はこちら
ISO感度を高くして撮る写真
ISO感度を高く設定することで、動きが予想できない動物や子供、または動きが速い車や鉄道といった乗り物を、被写体ブレすることなく止まっているかのように撮影することができます。
他にも、小さくて暗い被写体である星を撮る場合にも、ISO感度を高く設定することで、私たちの目には見えない星々も写真に撮ることが可能になります。
高いISO感度での撮影はノイズ対策をしっかりと
動く被写体や暗い星を撮影する場合には、写真の画質を犠牲にしても高いISO感度で撮影する必要があります。
ただしカメラの「ノイズ低減機能」やレタッチでの「ノイズの軽減」をおこなうことで、写真の画質を保ったり復活させることも可能なので、必要に応じてしっかりとノイズ対策をおこないましょう。
≫ 画質劣化の原因であるノイズの軽減と除去方法はこちら
ここまでのおさらい
ここまで学習したことをおさらいしましょう。それぞれの問題をクリックすると答え合わせができます。
Q1. 滝や渓流を撮るにはISO感度をどうするのがオススメ?
- ISO感度を低くする
ISO感度してシャッター速度を遅くすることで、水流がブレて1本の線のように撮ることができます。
Q2. 星を撮るにはISO感度をどうするのがオススメ?
- ISO感度を高くする
ISO感度高くして光(明るさ)を増幅することで、目には見えない星々も写真に撮ることができます。
まとめ
初心者がまずは覚えるべき、カメラ用語のISO感度について、わかりやすく解説をしました。
ISO感度の変化が与えるのは「写真の明るさ」「写真の画質」「シャッター速度」の3つですが、初心者の方は「シャッター速度」>「写真の画質」>「写真の明るさ」の順で、撮影中のISO感度の設定に注意をするといいでしょう。
特に「シャッター速度」に関しては、写真撮影後のレタッチでも修正することができないので、撮影中にISO感度を上手に設定して、意図しない被写体ブレや手ブレが起こらないように注意しましょう。
ISO感度が与える影響 | ||
低いISO感度 | 高いISO感度 | |
写真の明るさ | 暗くなる | 明るくなる |
写真の画質 | 良くなる | 悪くなる |
シャッター速度 | 遅くなる | 速くなる |
相性が良い | 高画質な写真、長時間露光など | 動物、乗り物、星空など |
設定するISO感度の目安 | ISO100 ~ ISO800 | ISO1600 ~ ISO6400 |
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