冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
写真の基本的な3つの構図と風景写真で使えるオススメの構図3選
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
近年では誰もがデジタル一眼カメラやスマートフォンで写真を撮ることが多くなりましたが、みなさんは構図を意識しながら写真を撮影できていますか?
構図を意識して撮影ができるようになると、自分が撮りたい景色や被写体を強調した写真や、見ていてバランスが良い写真に撮ることが可能になります。
これまでに撮影した写真を見返していて、「何をとった写真かわからない」「うまく言えないけどバランスが悪く感じる」といった感想がある人は、構図の作り方を学んでいくと良いでしょう。
- 構図とは
- 初めに覚えるべき基本の構図
- 風景写真にオススメの構図
構図とは
構図とは写真を撮るときの被写体の配置を意味していて、上手な構図で撮られた写真は「写真内の主題」や「写真内のメッセージ」がハッキリとするので、写真を見る人が「良い写真」と感じることができます。
逆を言えば構図がしっかりと意識できていない写真は、「何を見れば良いか」「何を伝えたいのか」が分かりづらい写真になってしまう傾向があるのです。
構図の有無の違い
上の写真は同じ森の中で撮影した2枚の写真ですが、「構図を意識していない写真」に比べると、「構図を意識した写真」の方が写真の中のどこを見るべきかが、わかりやすい写真だと感じるはずです。
構図を意識した写真のメリット
- 主題(何を見ればよいか)がハッキリとする
- 写真にメッセージ性が生まれる
- 全体のバランスが良くなる
構図を意識して撮影をすることで写真全体のバランスが良くなるので、その結果として写真内の主題がハッキリとしたり、写真内にメッセージ性を持たせることができるようになるのです。
景色や被写体の魅力を伝えるのが構図の役割
目の前のどんなに綺麗な景色や、どんなに特徴的な被写体も、構図を意識していなければその魅力を十分に伝えることは出来なくなってしまいます。
写真の構図はデジタル一眼カメラに限らず、スマホのカメラで写真を撮るときにも重要な要素の1つになってくるので、構図をしっかりと覚えて景色や被写体の魅力を伝えることができる写真を撮影していきましょう。
初めに覚えるべき基本的な3つの構図
まずは風景写真に限らずどんなジャンルの写真にも対応できる、カメラでの撮影の基本的な3つの構図を覚えておきましょう。
この基本的な3つの構図は、他の構図と組み合わせなが使用することでさらに印象的な写真を撮ることも可能になるので、単体で使用する機会がなくても覚えておくことをオススメします。
日の丸構図
日の丸構図は最もシンプルで、誰もが一度は無意識にとったことがある初歩的な構図です。
相性が良いのは人物や動物、花や植物などで、特定の被写体をクローズアップで大きく写真に撮る場合に使用すると被写体の存在感を強調した写真を撮ることが可能になります。
- 人物
- 動物
- 花や植物
日の丸構図の特徴
- シンプル
- 主題がハッキリとする
- 平凡で退屈になりやすい
日の丸構図を使用する撮影では、基本的に1つの被写体だけを構図の中に入れて撮影することになるので、シンプルで主題がハッキリとするのが特徴です。
特に望遠レンズやマクロレンズを使って背景をボカしてあげると、誰でも簡単に主題が明確な写真を撮ることが可能なので、カメラ初心者の方にはオススメの構図とも言えます。
退屈な写真になりやすい
日の丸構図を使用する場合、四隅に均等な余白が生まれるので、構図の中に動きやメッセージ性を取り込むことが難しく、平凡で退屈な写真に仕上がりやすいデメリットがあります。
他の構図や色のコントラストなどをコントラストなどを上手く利用して、平凡で退屈な印象にならないように日の丸構図を活用していきましょう。
二分割構図
二分割構図は構図を上下または左右に真っ二つに分ける構図で、地平線や水平線がハッキリとしている景色や上下または左右が対称になっている景色を撮影するのに向いている構図です。
風景写真では地平線や水平線に沿って地上の景色と空の景色をに分割にしたり、水面に映り込んでいるレフレクションの景色を撮影するのに役立ちます。
- 水平線や地平線のある景色
- リフレクションのある景色
- 左右対称な建物など
二分割構図の特徴
- 上下または左右のバランスが良い写真になる
- シンメトリー(左右対称)を強調できる
- ちょっとした水平や垂直のズレでも目立つ
- 片方の景色に魅力がないと余白が多いだけの写真になる
二分割構図では上下または左右の景色が同じ割合で撮影できるので、バランスの良い写真に仕上げることが可能になります。
また水面の写り込みや左右が同じ構造になっている建物を撮影すると、景色や景観のシンメトリー(対称)を強調することができるのも大きな特徴です。
傾きや景色のバランスに注意
二分割構図では地平線や水平線を構図に入れることが多くなるので、少しの傾きでも写真が斜めになっているように感じるので、撮影中には水平が撮れるように注意が必要です。
また地上の景色と空を二分割構図で撮影する際には、空に特徴的な形の雲などが存在していないと、ただ真っ青な青空が構図の半分を占める、余白が多いだけの写真になってしまうので注意が必要です。
三分割構図
三分割構図は風景写真を撮る上で基本でもあり王道でもある構図で、広大な景色を撮影する際に写真に奥行き感を持たせることができます。
カメラの設定で「グリッド線を表示」に設定をすると、上の作例のように上下左右をそれぞれ三分割にするラインが表示されるので、各ライン上またはラインが交差している4点の内いずれかに、主題を配置するのが基本的な撮影方法となっています。
- 広大な風景
- 奥行きがある景色
三分割構図の特徴
- 写真に適度な余白を持たせられる
- 写真に奥行きが出せる
- 慣れるまでは難しい構図
三分割構図を使って風景写真を撮影をすると、空の景色を全体の1/3以下にすることができるので、たとえ特徴の無い青空が広がっている場合でも、適度な余白としてバランスの良い写真に撮ることが可能です。
また三分割にしたそれぞれのエリアに「近景」「中景」「遠景」を配置することで、写真に奥行き感を生むことができるので、広角レンズで風景写真を撮る際にはとても相性が良い構図となっています。
慣れるまで繰り返し練習が必要
三分割構図を上手に使いこなすには、景色全体の中から構図に配置するべき被写体の取捨選択が重要になるので、繰り返し練習と景色をじっくりと観察する力を鍛える必要があります。
「近景」「中景」「遠景」の3つの要素にこだわらずに、まずはラインの交差する点の内どれか1箇所に、主題となる被写体を配置することから始めてみましょう。
風景写真にオススメの構図
基本の3つの構図での撮影に慣れてきたら、さらに印象的な写真が撮れるように上記の3つの構図にもチャレンジしてみましょう。
ちなみにこれら3つは、私が風景写真を撮るときに頻繁に使用する構図なので、この記事を参考にすることで印象的な風景写真撮ることができるようになりますよ。
額縁構図
額縁構図は、主題となる被写体や景色を他の被写体で囲む構図で、中央を覗き込んでいるような感覚で、自然と主題に目線を誘導することが可能になります。
室内から窓の外を撮影する場合や、森の中で木々の隙間から奥の景色を撮影する際などに、この額縁構図を使用するのがオススメです。
- 室内から見る景色
- 木々の隙間から見える景色
額縁構図の特徴
- 主題がハッキリとする
- 主題に向かって視線を誘導できる
窓枠や木々を写真の額縁に見立てて撮ることで、中央に配置する主題に対して自然と視線が誘導される、印象的な写真を撮ることができるようになります。
窓枠や木々以外にも、前景として花や枝葉などをボカしてあげることでも、額縁構図として写真を撮ることができるので、ボケを作りやすいマクロレンズや望遠レンズでの撮影を使用している場合にはチャレンジしてみると良いでしょう。
放射線構図
放射線構図は、構図の縁から中央付近のある一点に向かって線(ライン)が収束していくように、被写体や景色の一部を配置するテクニックです。
この放射線状の線(ライン)が存在することで、写真を見る人の視線を写真のある一点に向かって誘導することが可能で、この収束点に主題となる被写体を配置することもできます。
- 道路や線路
- ビルを見上げるとき
- 森の木々を見上げるとき
放射線構図の特徴
- 写真に奥行きが生まれる
- 主題に対して視線を誘導できる
放射線構図は奥行き感が生まれやすい広角レンズとの相性が良く、道路の中央で撮影をすると、誰でも簡単に奥行き感のある写真を撮ることが可能になりますが、車通りや人通りが多い場所での撮影は危険なので、無人の場所で撮影をするようにしましょう。
また道路が向かっていく方向(収束点)に、主題となる山や建物、人物などを配置することで、写真を見る人の視線を主題へと誘導することが可能になります。
対角線構図
対角線構図は、被写体を構図の対角線上に配置することで、無駄な余白が少ない配置バランスが良い写真を撮ることが可能です。
また構図の対角線上に重なる景色の境界線や、橋、道路などがあれば、そのまま対角線として構図に取り込むこともできるので、景色をじっくりと観察してみると良いでしょう。
- 複数存在している花や動物など
- 道路や線路、橋など
- 景色の境界線
対角線構図の特徴
- 統一感や規則性のある写真になる
- 写真の隅々まで目を通してもらえる
同じ花や紅葉、人物や動物が複数存在している場合には、この対角線構図を使って上手に被写体を配置することで、統一感や規則性のある写真に撮ることができます。
また橋や道路、海岸線や山の稜線を対角線上に配置して撮影をすると、手前から奥に向かって視線を誘導することができるので、写真を隅々まで見てもらうことが可能になります。
構図作りは視線の誘導が重要
構図は被写体や景色の魅力を伝えるための大切な要素の1つであり、どの構図にも当てはまるのは、どのように写真を見る人の視線を誘導するかです。
今回は基本の構図から高度な構図まで6種類を紹介しましたが、複数の構図を組み合わせる事で写真の表現方法は無限に広がります。
構図の組み合わせ
上の参考写真の左側では「三分割構図」と「額縁構図」の2つを使用して、右側には使用した構図の解説を並べてあります。
この写真では、三分割構図を使って主題となる雪山を左奥に配置して、その対角線上の右下に副題となる雪の被った小さな木を配置しました。
さらに左右に大きな木々を配置することで、額縁構図で奥の雪山を覗き込むように、写真を見る人の視線を誘導しています。
まずは1つ1つの構図を覚えることから始める
初めから複数の構図を組み合わせることは難しいですが、1つ1つの構図を練習していくことで、写真を撮るときに自然と最適な構図を選びながら撮影ができるようになっていきます。
また他の人のいろいろな写真を見る事でインスピレーションを受けることができるので、SNSなどで気に入った構図や写真を見つけて、その写真の真似をして撮ってみると良いでしょう。
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