冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
レンズ選びで悩んでいる人必見!カメラレンズの違いと使い分け方
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
デジタル一眼カメラを買ったけど、レンズの種類や違いがよく分からない、とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
自分の持っているレンズがどんな写真に適しているか知りたい…
新しくレンズを買いたいけど、レンズの違いがよくわからない…
高いレンズと安いレンズは何が違うの?
カメラのレンズは、写真の表現を左右するとても重要な要素で、撮影したいジャンルに合わせて、最適なレンズを選ぶことができれば、撮れる写真のクオリティも良くなります。
- 単焦点レンズとズームレンズの違い
- 焦点距離によるレンズの違い
- 特殊なマクロレンズとは
- 高いレンズと安いレンズの違い
この記事を参考にすると、今あなたが持っているレンズでの、もっと上手な写真の撮り方や、これから購入するレンズ選びの参考になるので、ぜひ最後まで読んでいって下さい。
単焦点レンズとズームレンズの違い
単焦点レンズとズームレンズには、撮影できる範囲を示す焦点距離が固定されているか、変更可能かの違いがあります。
単焦点レンズは、焦点距離が固定されているので、同じ場所からは同じ範囲でしか写真を撮れませんが、ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲内で変更可能なので、同じ場所からでも様々な範囲で写真を撮ることができます。
すべてのレンズは単焦点かズームのどちらか
カメラの交換レンズはとても多くの種類がありますが、どのレンズも大きな分類としては、カメラの構造の違いによる、この単焦点レンズかズームレンズのどちらかがベースとなっています。
単焦点レンズの特徴
- 画質・解像度が良いレンズが多い
- ボケ感が綺麗なレンズが多い
- ズームレンズよりも軽い
単焦点レンズの特徴は、圧倒的に綺麗なボケ感と解像度の写真を撮れることです。
単焦点レンズは、焦点距離を固定している分、ズームレンズよりもピントの合う範囲と、解像度に力を入れたレンズ作りが可能で、価格の安いレンズでも綺麗なボケと高い解像度の写真を撮ることができます。
- ポートレート
- 花や植物のクローズアップ
- 雑貨・料理のテーブルフォト
- 星・星景写真
ズームレンズの特徴
- シャッターチャンスを逃さない
- 構図を細かく調整できる
- さまざまな範囲で写真を撮れる
ズームレンズの特徴は、シャッターチャンスに強く、簡単にさまざまな範囲で写真を撮れることです。
ズームレンズは、一定の範囲内で焦点距離を自由に変更できるので、急なシャッターチャンスでも迅速に構図を作ることができて、さらには一箇所からでもさまざまな範囲で景色を撮ることが可能になります。
レンズの交換をすることなく、さまざまな焦点距離での撮影が可能になるので、機動力が良く、多くのパターンの写真を撮影することができるメリットがあります。
- 風景写真全般
- 野生動物
- ウェディング
- 子供のイベント
単焦点レンズとズームレンズの比較
単焦点レンズ | ズームレンズ | |
---|---|---|
焦点距離の範囲 | 固定 | 変更可能 |
解像度 [同じ価格帯のレンズで比較] | 高い | 普通 |
背景のボカしやすさ | F2.8以下の レンズが多い | F2.8以上の レンズが多い |
構図の作りやすさ | 難しい | 簡単 |
重さ [同じ価格帯のレンズで比較] | 軽い | 重い |
得意なジャンル | ポートレート 花のクローズアップ 雑貨・料理のテーブルフォト 星・星景写真 | 風景写真全般 野生動物 ウェディング 子供のイベント |
さらに詳しい違いやオススメのレンズはこちらから
焦点距離によるレンズの違い
カメラの構造で単焦点レンズとズームレンズの2つに分けられますが、そのどちらのレンズも、焦点距離の違いでさらに3種類のレンズに分類することができます。
この焦点距離の違いは、そのレンズで写真に撮ることができる範囲の違いに直結していて、3種類のそれぞれで撮れる写真にも特徴があるので、レンズの焦点距離も購入の際には必ず確認が必要になります。
レンズの焦点距離は35mm換算での話
どの交換レンズにも焦点距離が定められていますが、使用しているカメラのセンサーサイズによっては、定められた焦点距離に対して35mm換算の計算をしたものが、そのレンズで撮ることができる本当の焦点距離になります。
使用しているカメラが「APS-C」「マイクロフォーサーズ」「中判」の人は、35mm換算の計算を覚えておきましょう。
35mm換算の計算式
フルサイズ | 計算不要 [50mm⇨50mm] |
中判サイズ | 焦点距離×0.8 [50mm⇨40mm] |
APS-Cサイズ [Canon以外] | 焦点距離×1.5 [50mm⇨75mm] |
APS-Cサイズ [Canon] | 焦点距離×1.6 [50mm⇨80mm] |
マイクロフォーサーズ | 焦点距離×2.0 [50mm⇨100mm] |
自分のカメラのセンサーサイズがわからない方はこちらをチェック
フルサイズ | EOS R6、EOS R6 MarkⅡ、 EOS R、EOS R8、 EOS 5D Mark Ⅳ、EOS 6D Mark Ⅱなど |
APS-C | EOS R7、EOS R10、 EOS 90D、EOS R50、 EOS Kiss M2、EOS Kiss X10iなど |
マイクロフォーサーズ | なし |
広角レンズの特徴
- 写真に奥行きが生まれる
- 遠近感を強調できる
- 狭い空間を広く見せれる
広角レンズは焦点距離が短いので、広い範囲を撮影することができます。
また広角レンズには、近くのものは大きく、逆に遠くのものほど小さく写る効果があるので、この効果をうまく利用すると奥行き感や遠近感のある写真を撮ることが可能になります。
手前の被写体や景色にカメラを近づけて撮影すると、奥行きや遠近感が強調したり、空間を広く見せやすい
望遠レンズの特徴
- 密集感を強調できる
- 背景をぼかしやすい
- 構図を作るのが簡単
望遠レンズは焦点距離が長いので、遠くにある景色を大きく切り取ることができて、他の焦点距離のレンズよりも、背景を綺麗にぼかすことができます。
また望遠レンズには、手前と奥の景色の距離感を縮める効果があるので、木々や山並みの密集感を強調することが可能です。
一輪の花や人を大きく撮ると、背景をぼかしやすく、遠くの山並みや木々を狙うと密集感を強調することできる
標準レンズの特徴
- 人の視野に近い範囲で撮れる
- 広角レンズの代わりとして使える
- 望遠レンズの代わりとして使える
標準レンズは、私たち人の視野に近い範囲を撮影できるので、目に止まった景色をそのまま切り取るのに向いています。
また標準レンズは、景色を引きで撮影をすると、広角レンズ風の写真が撮影可能で、逆に被写体に寄って撮影をすると、望遠レンズ風の写真を撮ることができます。
景色をよく観察して、広角風や望遠風で撮影をすると、標準レンズ1本でさまざまなパターンの写真を撮影できる
焦点距離別のレンズの特徴まとめ
広角レンズ | 標準レンズ | 望遠レンズ | |
---|---|---|---|
焦点距離の範囲 | 35mm以下 | 35-70mm | 70mm以上 |
特徴 | 奥行きが生まれる 遠近感を強調できる 空間が広く見える | 人の視野に近い 広角風にも撮れる 望遠風にも撮れる | 密集感が出る 背景がボケやすい 構図が作りやすい |
デメリット | 周辺が歪む 構図作りが難しい 背景がボケにくい | 印象的に撮るのが難しい | 手ブレしやすい 遠近感がでにくい |
特殊な機能を持つマクロレンズの特徴
- 被写体にかなり近寄って撮影できる
- 被写体を1/2から等倍以上で撮影できる
- 背景が簡単にボケる
マクロレンズは、極めて近距離から被写体を撮影することが可能で、小さな被写体でも画面いっぱいに大きく写すこともできる、特殊な機能を持ったレンズです。
また被写体にかなり近寄って撮影ができるので、絞りをF8辺りまで絞って撮影をしても、背景を綺麗にぼかすことが可能です。
被写体の中でも特に注目したい箇所に近寄って撮影をすると、その被写体のディテールを写真に撮ることができる
マクロレンズのデメリット
- 手ブレをしやすい
- ピント位置がズレやすい
- 全体にピントを合わせることが難しい
マクロレンズは被写体に近寄って撮影ができる反面で、他のレンズに比べてピントが合う範囲がとても狭いです。
このため、被写体に近寄って撮影をする際には、被写体の全体にピントを合わせることができなかったり、被写体やカメラが少し前後に動くだけで、ピントがズレてしまうので注意しましょう。
高いレンズと安いレンズの違い
高いレンズ | 安いレンズ | |
---|---|---|
価格帯 | 15万円以上 | 10万円前後以下 |
解像度 | 高い | 普通 |
手ブレ補正 | 強力なレンズが多い | 普通 |
逆光耐性 | 良いレンズが多い | 良くないレンズが多い |
防塵・防滴 | ありのレンズが多い | ないレンズが多い |
堅牢性 | 高い | 普通か劣る |
高いレンズと安いレンズの大きな違いは、解像度と堅牢性の高さで、過酷な撮影環境でも安定して写真を撮り続けることができるのと、写真を大きくプリントするときにはこの解像度と堅牢性の差がハッキリと現れます。
逆にそれ以外では、手ブレや逆光に関しては対策の方法もあるので、レンズ選びの際には、価格だけを見るのではなく、撮影したいジャンルに最適なレンズを選ぶことが大切です。
解像度の違い
高いレンズと安いレンズには解像度の違いがありますが、撮影した写真を大きく拡大したり、暗い環境で星や夜景を撮る場合を除いては、スマホなどの小さな画面で見る分には大きな違いを感じません。
上の比較画像のように、明るい時間帯に撮影した写真では、説明を見ないとどちらが高いレンズで撮影した写真か、ほとんど分からないのが現実です。
高いレンズに解像度を求めるなら、暗い場所や時間帯での撮影や、写真を大きくプリントするという使い方がオススメ
写真の良し悪しはレンズの価格では決まらない
写真の良し悪しは、レンズの価格で決まるものではなく、どれだけ印象的な景色や瞬間を撮影できるかで、その写真の評価は変わってきます。
上の参考画像は、どれも新品価格でも8万円以下の安いレンズを使用して撮影していますが、どれも印象的な景色や瞬間を撮影しているので、レンズの価格に関係なく良い写真と感じるはずです。
価格別のレンズ購入の判断基準
高いレンズ | 安いレンズ | |
---|---|---|
撮影環境 | 山岳写真 海や滝 雨天や降雪 星景写真 | 街中 公園 室内 |
撮影後の用途 | 大きくプリント 広告やポスターに使用 | SNS投稿 小さくプリント |
まとめ
- レンズは構図の違いで単焦点レンズとズームレンズに分かれる
- 単焦点とズームどちらにも焦点距離の違いで「広角」「標準」「望遠」の3種類のレンズがある
- 単焦点とズームどちらにもマクロレンズまた簡易マクロ機能を持つレンズがある
- 高いレンズは解像度と堅牢性が優れている
- 写真の良し悪しはレンズの価格だけでは決まらない
デジタル一眼カメラには、とてもたくさんの種類の交換レンズが存在するので、まずは今持っているレンズの特徴を活かした写真を撮影してみましょう。
今後レンズを購入するという人は、主に風景を撮影したい人はズームレンズ、ポートレートやブツ撮りを楽しみたい人は単焦点レンズの中から、撮影したい写真のイメージに合わせて「広角」「標準」「望遠」の3種類の中からレンズを選ぶと良いでしょう。
単焦点レンズ | ズームレンズ | |
---|---|---|
焦点距離の範囲 | 固定 | 変更可能 |
解像度 [同じ価格帯のレンズで比較] | 高い | 普通 |
背景のボカしやすさ | F2.8以下の レンズが多い | F2.8以上の レンズが多い |
構図の作りやすさ | 難しい | 簡単 |
重さ [同じ価格帯のレンズで比較] | 軽い | 重い |
得意なジャンル | ポートレート 花のクローズアップ 雑貨・料理のテーブルフォト 星・星景写真 | 風景写真全般 野生動物 ウェディング 子供のイベント |
FAQ よくある質問
- 風景写真を始めるのにはどのレンズがオススメですか?
-
望遠ズームレンズです。
望遠ズームレンズは景色の中の一部だけを切り取れるので、同じ場所からの撮影でもたくさんのパターンで写真が撮れるのと、余計な被写体が映り込まないので、初心者にも構図作りが簡単です。
- 室内で料理や小物の写真を撮るのにはどのレンズがオススメですか?
-
標準か中望遠の単焦点レンズです。
室内での撮影は、外での撮影よりも暗い環境が多いので、開放F値が小さくて明るく撮りやすい単焦点レンズで、被写体を大きく写せて背景もぼかしやすい標準か中望遠レンズがオススメです。
※中望遠レンズは焦点距離が70-120mm辺りのレンズ
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