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冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!

Tomo
風景写真家
カナダで山に登りながら数々の風景写真を撮影し着た経験を活かして、風景写真を綺麗に撮るためのテクニックなどを発信しています。

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PLフィルターをの上手な使い方!撮り方を覚えて写真をもっと鮮やかに

※本ページはプロモーションが含まれています

こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。

みなさんはデジタル一眼カメラで風景写真を撮っていて、このような悩みを持っていませんか?

綺麗な青空なのに写真に撮ると色が薄い…
水中の魚や景色を撮りたいのに反射して撮れない…
水面に反射した景色がうまく撮れない…

目で見ている通りの色彩で写真が撮れなかったり、水中の景色や水面に反射している景色がうまく撮れないという方は、「PLフィルター」を使って撮影をしてみると良いですよ。

この記事の内容
  • PLフィルターの基礎知識
  • PLフィルターで得られる2つの効果
  • PLフィルターの使い方
  • PLフィルターの使用がオススメのシチュエーション

PLフィルターは風景写真を撮る上で必須のアイテムでもあるので、この記事を参考にしてぜひPLフィルターを使った上手な風景写真の撮影方法を身につけていってください。

目次

PLフィルターとは?

PLフィルターは「Polarised Light”(偏光)」の略で、フィルターに偏光膜を使用しているので光の反射を抑えたり逆に光の反射を増幅させる事ができるフィルターです。

デジタル一眼カメラのレンズ前面に取り付けて使用することができるフィルター類の一種で、光の反射をコントロールできるメリットから風景写真では必須のアイテムになっています。

PLフィルターで光の反射をコントロールするメリット

実際に風景写真の撮影でPLフィルターを使って光の反射をコントロールすると、「反射除去効果」と「色彩コントラスト効果」の2つのメリットを受けながら撮影することが可能になります。

この2つメリットを上手く活かしながら撮影をすることで、空の濃い青色や水面に反射している景色を綺麗に写真に撮ることができますよ。

反射除去効果 → 水面の反射を操作できる

PLフィルターは「反射除去効果」によって湖や川、水溜りなど水面の反射(写り込み)をコントロールすることが可能です。

水中に住む生物や落ちている紅葉などを撮る場合には、PLフィルターで水面の反射を除去することで水中の景色を写真に撮ることができます。

また穏やかで波が経っていない湖であれば、PLフィルターで反射(写り込み)を強くするとまるで鏡に映っているかのようなリフレクションの写真を撮ることができますよ。

ポイント
  • 反射を除去 → 水中の景色を撮影可能
  • 反射を強調 → 水面の写り込みを撮影可能

色彩コントラスト効果 → 空や紅葉、森林などの色を濃く写せる

PLフィルターで色彩のコントラストを強調した写真

光が反射するのはなにも水面だけではありません。私たちが目に見ているもの全ては光の反射によって色を識別しています。

上の参考写真のようにPLフィルターで空の大気や山の木々など被写体に反射している光を抑えることで、「色彩コントラスト効果」によって葉の緑や空の青さをより際立たせることが可能です。

ポイント

大気や木の葉っぱに反射して白っぽくなる光を除去することで、被写体本来の色彩を綺麗に撮ることができる

PLフィルターのデメリット

水面の反射をコントロールしたり被写体本来の色彩を撮ることができる便利なPLフィルターですが、その反面でPLフィルター本体や撮影する上でデメリットも存在します。

PLフィルターの劣化

PLフィルターに用いられる偏光膜は熱と紫外線に弱いため、常に紫外線にさらされる屋外での撮影では日に日に劣化が進んでいきます。

使用頻度や保管状況によって劣化に至る期間は異なりますが、PLフィルターが劣化すると、フィルター自体が黄ばんできて偏光膜の効果も薄れてきます。

偏光膜の効果が薄れるとPLフィルターは光の反射を抑えられなくなるので、劣化を感じた時には買い替えおこなうのが良いでしょう。

経年劣化の比較

PLフィルターの経年劣化比較
左:劣化したPLフィルター(7年使用)、右:新品のPLフィルター

出典:”Kenko”PLフィルターには寿命があります!

経年劣化の目安
  • 使用頻度が少ない : 7~8年
  • 使用頻度が多い : 2~3年

フレアやゴーストが発生しやすい

PLフィルターはその構造上、3~4枚の板を使用してます。

この中には偏光膜やガラス板が含まれますが、レンズと同じように光が通過するレンズやガラス面などが多いほど、フレアやゴーストは起きやすくなります。

ゴーストが発生している作例

ゴーストの発生した写真

上の参考写真のように太陽光のある方向にカメラを向ける逆光の撮影では、偏光膜の間で反射を繰り返した光がゴーストとして発生しやすくなります。

ちなみに逆光での撮影ではPLフィルターの効果がほとんどないので、朝焼けや夕焼けを撮影するときにはPLフィルターを使用しない方が綺麗な写真を撮ることができますよ。

露出が落ちる

PLフィルターは偏光膜を含む何枚かの板を含むので、そこを通過する光は明るさを失ってしまいます。

一般的にPLフィルターを装着すると未装着時と比べて約1〜2段階分露出が下がるので、未装着時と同じ明るさで撮影をするためには「シャッター速度」を遅くするか、「ISO感度」を上げて対応する必要があります。

日中の明る場所での撮影ではそれほど気になりませんが、曇りの日や森の中など薄暗い中での撮影では手ブレや画質の劣化を抑えるために三脚を使って撮影をすると良いでしょう。

PLフィルターの種類

PLフィルターには古いタイプの「PLフィルター」とデジタル一眼カメラ用の「C-PLフィルター」の2種類が存在しているのですが、現在購入できるのは「C-PLフィルター」が主流となっています。

この記事ではPLフィルターの表記で説明を続けていきますが、「C-PLフィルター」も効果や使い方は同じなので安心して下さい。

デジタル一眼カメラにはC-PLフィルター1択

2種類のPLフィルターの内デジタル一眼カメラで使用ができるのは「C-PLフィルター」のみです。

2つの違いはフィルターに含まれる板の枚数だけなのですが、古いタイプの「PLフィルター」ではデジタル一眼カメラのオートフォーカスと露出決定(測光)を正しく機能させることができませんでした。

この不具合を解決するために1枚追加した新たなものを「C-PLフィルター」と呼んでいるのです。

  • PLフィルター:3枚
  • C-PLフィルター:4枚
デジカメ用に新品を購入する際は問題ないですが、中古を探すときには「PLフィルター」か「C-PLフィルター」か確認してから購入する方が良いでしょう。

PLフィルターの使い方

PLフィルターの使い方はとても簡単で、レンズの前面にネジ式で取り付ける事ができるので追加で工具や部品を購入する必要がありません。

実際の撮影の段階では取り付けたPLフィルターの回転リングを回転させて、光の反射をコントロールしていきましょう。

回転リングを回して効果を調整する

実際に撮影をする時には、まず被写体にピントを合わせてから、回転リングを回して効果を調整していきます。

回転リングは回すほどに効果が強くなるというわけではなく、180度毎にその効果が入れ替わります。

水面や太陽との位置によっては効果が違う

PLフィルターは偏光膜を用いて、光の反射率を変化させています。

光の反射角度によってはその反射率を上手く変化させることができないので、回転リングをどこに合わせても変化が起きないという事があります。

PLフィルターを使用する際には、水面に対する角度や太陽との位置関係に注意をしながら効果的に使用していきましょう。

水面でPLフィルターを使う場合

水面やガラス面に対して使用する場合には、それぞれの面に対して30~40度の角度から使用すると最も効果を発揮します。

逆に水面やガラス面の正面からはほとんど効果がないので注意しましょう。

通常の風景撮影で太陽の光をコントロールする場合

水面やガラス面に限らず、空の青さや葉の緑を鮮やかに表現したい時には、太陽の位置を意識して撮影をしましょう。

太陽が右か左のどちらかにある状態、太陽に対してレンズの向きが90度の時に最も効果を発揮します。

逆に逆光や太陽を背にする順光での撮影では効果がほとんどありません。

 太陽以外にも、室内のライトなどでも効果の違いは同じ

PLフィルターの使用がオススメのシチュエーション

PLフィルターは使用する角度や太陽との位置関係で「反射除去効果」と「色彩コントラスト効果」に大きな違いが出てきます。

風景写真の撮影で効果的にPLフィルターを使用できるように、次の2つのシチュエーションを狙ってPLフィルターを使った撮影をおこなっていきましょう。

太陽光の強い環境

PLフィルターあり

PLフィルターを使用した風景写真の撮り方で定番なのが、紅葉や新緑の木々など色の綺麗な被写体に強い太陽の光が当たっている環境です。

天気の良い日の日中は撮影に十分な光がある反面で、強い太陽光の反射によって葉っぱや花びらの色彩が失われています。

そこでPLフィルターを使って葉っぱや花びらの光の反射をコントロールしてあげると、「色彩コントラスト効果」によって被写体本来の色彩を蘇らせることができるようになるのです。

くもりの日には意味がない

くもりの日や日かげで直射日光が当たっていないシチュエーションでは、そもそも光の反射がほとんど起きていないのでPLフィルターを使ってもほとんど効果はありません。

逆に薄暗い中での撮影にも関わらず無駄に露出だけが下がることになるので、シャッター速度での露出調節による手ブレや、ISO感での露出調整による画質の低下が起こるリスクが高くなるので、使用を控えた方が良いでしょう。

海や湖など水面が入る景色

PLフィルターは光の反射による、水面への写り込みの量をコントロールすることが可能です。

PLフィルターの役割は光の反射を取り除くことではなくコントロールすることなので、「反射除去効果」をしっかりと理解すると水面の写り込みを強調させたり、逆に写り込みを取り除くことが可能になります。

水面への写り込みが綺麗な場合にはPLフィルターで反射の量を増やして、逆に水中の景色が綺麗な場合にはPLフィルターで反射を取り除く撮り方をすると良いでしょう。

PLフィルターが上手く効果を発揮しない条件・場面

PLフィルターは、被写体に当たる光の量をコントローつするための道具です。

被写体に対しての太陽光の反射が弱いくもりや雨の日は、そもそもコントロールするに十分な光の反射がありません。

また広角レンズ(特に超広角)を使っての撮影では、PLフィルターの効果が空の一部にしか適用されず青空の色の濃度にムラができてしまうので、間違った使い方をしないように注意しましょう。

  • くもりや雨の日はコントロールする光の反射がない
  • 広角レンズ(特に超広角)につけると、効果の適用範囲にムラが出る

反射は完全に取り除くだけではいけない

PLフィルターを使用いている人の中には、光の反射の量を0にするか100にするかの2択で考えてしまう人がいますが、それは間違ったPLフィルターの使い方です。

PLフィルターの残念な使用例

反射を取り除いた悪い例

上の写真は水面の写り込み(反射)を完全に除去した結果、どこが水面との境目かわからなくなり、水面だけを写した写真か、水際を写した写真のどちらかわからなくなってしまいました。

 PLフィルターの使い方を間違えると、写真で表現したいことが伝わらなくなる

このようにPLフィルターを使う時には、反射の量を極端な0か100かの2択で考えるのではなく、反射の量をコントロールして、被写体の質感やその景色のイメージが伝わるようにすることが大切です。

反射をコントロールするメリット
  • 被写体に光沢が生まれる(コントラスト)
  • 被写体の質感が強調できる

PLフィルターを使用する環境にもよりますが、光の反射を完全に取り除くのではなく、ある程度光の反射を残して撮影することで、被写体に光沢感が生まれたり被写体の質感を強調することが可能になります。

被写体の質感や光沢感を表現した写真を撮りたい場合には、PLフィルターの効果を完全に適用するのではなく、光の反射具合を調整して上手な撮り方を身につけていきましょう。

PLフィルターを使った作例

桜にPLフィルターを使用

色味の薄い桜の花びらも、太陽の位置を意識しながらPLフィルターを使うことで、淡いピンク色を写真に写すことができます。

紅葉にPLフィルターを使用

紅葉もPLフィルターを使うことで、光の反射をうまく抑えて紅葉の鮮やかな赤やオレンジ色を写し出すことができます。

青空にPLフィルターを使用

F11で撮影

PLフィルターは空の青さを際立たせるだけでなく、奥に位置する山並みの輪郭もはっきりと写し出すことが出来ます。

これは空気中のチリや埃などに乱反射している光をPLフィルターによって抑えることが出来るからです。

水面にPLフィルターを使用

反射を除去して撮影した写真

PLフィルターで水面の光の反射を抑えることで、水中の魚をハッキリと写し出すことができます。

完全に水面の写り込みを取り除くのではなく、少し太陽光の反射を残すことで、水中の景色を撮った写真であることが伝わるようになっています。

まとめ

PLフィルターの基礎知識と基本的な使い方から、効果的な写真の撮り方までを作例付きでご紹介しました。

レンズ径に合わせて数を揃えたり、経年劣化といったデメリットはありますが、上手な使い方と撮り方を意識することで、風景写真ではデメリットを凌駕するほどのメリットがPLフィルターにはあります。

水面の反射や、太陽光で明るくなりすぎてしまった被写体の色彩は、撮影後のレタッチでは取り戻す事ができません。

綺麗な景色を綺麗に撮るために、PLフィルターを使って光の反射をうまくコントロールした写真を撮っていきましょう。

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