
デジタルカメラマガジン 2022年4月号[雑誌]
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
デジタル一眼カメラの交換レンズには、どれも同じ基準で「100mm」や「24-70mm」といった、そのレンズで撮ることができる範囲を示す焦点距離が記されているのですが、この交換レンズの焦点距離が使用するカメラのセンサーサイズによって変化することを知っていますか?
デジタル一眼カメラの中でも、イメージセンサーのサイズが「APS-C」と「マイクロフォーサーズ」のカメラを使用している方は、そのレンズの実際に使用できる焦点距離を「35mm換算」という計算式で求める必要があります。
35mm換算は、「APS-C機」と「マイクロフォーサーズ機」を利用している方にとっては、レンズの撮影可能な範囲を知るために不可欠な計算なので、この記事を参考にして計算方法を覚えていきましょう。
35mm換算とは、 カメラのイメージセンサーのサイズの違いによって変化する、交換レンズの焦点距離(撮影できる範囲)を計算するための方法です。
焦点距離が変化する例
仮に焦点距離50mmと記されたレンズを使用する場合、各センサーサイズのカメラで撮影できる実際の焦点距離は次のように変化します。
実際の撮影での違い
このように、同じ50mmと記されたレンズでも、取り付けて使用するカメラのセンサーサイズによって、実際に使用できる焦点距離(撮影できる範囲)が変化してしまうので、この焦点距離の変化を求めるために35mm換算という計算式が必要となるのです。
フルサイズは焦点距離(撮影できる範囲)が記載通り
ちなみにこの35mm換算は、フルサイズ機で使用しているセンサーサイズを基準にした計算式なので、基準となるフルサイズ機には35mm換算は必要なく、レンズに記載されている焦点距離の通りで撮影が可能になります。
35mm換算は、「APS-C機」と「マイクロフォーサーズ機」でそれぞれ決まった公式が存在しているので、それぞれのセンサーサイズでの公式に当てはめることで、簡単に実際に使用できる焦点距離(撮影できる範囲)を知ることができます。
CanonのAPS-C機のみ、焦点距離 × 1.6で特殊なので注意
このように35mm換算の計算は簡単なので、単純な数字の焦点距離であれば暗算でも計算が可能となっているので、何回か35mm換算をおこなうだけで計算方法も覚えることができるはずです。
ちなみにカタログなどで「APS-C機」と「マイクロフォーサーズ機」との表記があっても、特に記載がない場合には、必ず35mm換算で計算する必要があるので覚えておきましょう。
35mm換算での表記がある例
「〇〇mm相当」や「35mm換算」といった表記がない場合は、35mm換算の計算が必要です。
35mm換算の練習
35mm換算練習用に、実際に存在するレンズの焦点距離を使用して、いくつかのクイズを出すので、そのカメラで使用できる実際の焦点距離を計算してみましょう。
マイクロフォーサーズ機での35mm換算は「焦点距離 × 2」で計算できるので、「10mm x 2 = 20mm」となります。
APS-C機での35mm換算は「焦点距離 × 1.5」で計算できるので、「250mm x 1.5 = 375mm」となります。
※Canonは「焦点距離 × 1.6」で計算
フルサイズ機には、35mm換算が必要ないので、焦点距離に変化はなく記載通りの85mmとなります。
一般的によく使用されている、「APS-C機」と「マイクロフォーサーズ機」用のレンズを、35mm換算した時の焦点距離をまとめるので、こちらの早見表を参考に交換レンズ選びをおこなうのも良いでしょう。
APS-C機用の場合
APS-C機は、通常とCanon用でそれぞれ計算式が違うので、使用している、または購入を検討しているカメラのメーカーを確認してから、この早見表を利用しましょう。
マイクロフォーサーズ機の場合
マイクロフォーサーズ機は、どのメーカーも一律で焦点距離が2倍になるので、特に使用しているカメラのメーカーを確認する必要はありません。
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