冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
星景写真にオススメの超広角レンズ!LAOWA15mm F2 Zero-D
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
普段は太陽が出ている日中に風景写真を撮っている方でも、夜の星空と広大な景色を一緒に撮ってみたいという方もいるかと思います。
星景写真の作例
しかし光がとても少ない夜の撮影には、F値が小さい明るいレンズが必要不可欠なので、新たに交換レンズの購入を検討しているとさまざまな悩みや疑問が生まれてくる筈です。
このように星景写真にチャレンジしてみたいけれど、どのレンズを購入すれば良いか悩んでいる方に、私が普段から愛用している超広角レンズ「LAOWA15mm F2 Zero-D」をご紹介していきます。
- 星景写真を撮るのに必要なレンズ
- LAOWA 15mm F2 Zero-Dのスペック・特徴
- 星景写真の作例
私が実際に撮影した星景写真の作例と、1年以上使ってみての使用感などを交えてご紹介していきます。
星景写真を撮るのに必要なレンズ
星景写真とは「星空」と「風景」を同じ画角に写した写真のことで、一般的には次の2つの特徴を持つレンズを使って撮影をすると、暗い夜間でも綺麗な写真に撮ることが可能になります。
F2以下の明るいレンズ
星景写真を撮影する夜間は太陽が出ている日中に比べてとても光が少ない環境なので、一度により多くの光を取り込めるF値の小さいレンズを選ぶ必要があります。
F値と明るさの関係
上のイラストはレンズのF値と写真の明るさの関係を表したもので、F値以外の設定を固定して撮影をした場合、F値(数字)が小さいほど明るい写真が撮れることになります。
このため最小のF値が小さいレンズを選ぶことで、少ない光の中でもより明るい写真を撮ることができるようになるのです。
焦点距離24mm以下の超広角レンズ
焦点距離に関しては撮影をしたい星景写真のジャンルにもよって多少の違いはありますが、焦点距離が24mmよりも短い超広角レンズを使用すると、天の川を入れた星景写真を撮ることが可能になります。
焦点距離の比較
上の2枚はそれぞれ「焦点距離24mm」と「焦点距離35mm」 のレンズで撮影をした星景写真です。
どちらも天の川が写っていますが、焦点距離24mmで撮影をした方が風景もしっかりと画角に入っているので、より撮影をした場所の臨場感が伝わる写真になっています。
LAOWA 15mm F2 Zero-Dのスペック・特徴
私が普段から星景写真を撮るときに愛用している「LAOWA 15mm F2 Zero-D」は、星景写真を撮るために必要なレンズの2つの特徴をしっかりと満た単焦点レンズとなっています。
F値や焦点距離を含めたレンズの仕様・スペックは次の表の通りです。
対応レンズマウント | Canon RF Nikon Z Sony E Leica L |
開放F値 | F2 |
フィルター径 | 72mm |
フォーカス | MF [マニュアル・フォーカス] |
最短焦点距離 | 0.15m |
撮影倍率 | 0.25倍 |
手ブレ補正 | なし |
重量 | 約500g [対応マウントにより誤差有] |
レンズフード | 付属 |
新品価格 | ¥122,760〜 |
AF(オート・フォーカス)機能がないレンズですが、星空や星景写真の撮影ではMF(マニュアル・フォーカス)で星にピントを合わせることが殆どなので、撮影中デメリットに感じることはありません。
高スペック低価格
「LAOWA 15mm F2 Zero-D」は、取り付けて使用するカメラのレンズマウントによって価格に多少の違いはありますが、「F2」「焦点距離15mm」の高スペックに対して低価格な値段設定となっています。
LAOWA 15mm F2 Zero-Dの特徴
明るくて焦点距離が短い星景写真にピッタリな超広角レンズですが、レンズスペックの他にも次の4つの特徴があるので、購入を検討する際の判断材料にしてみて下さい。
電子接点がない
LAOWA 15mm F2 Zero-Dには、使用しているF値などレンズの情報をカメラに送るための電子接点が存在しません。
電子接点の有無
レンズの電子接点には、AF(オート・フォーカス)機能をカメラボディに繋ぐ役割の他にも、撮影時のレンズのF値(絞り)・焦点距離をカメラに伝える役割があります。
しかしLAOWA 15mm F2 Zero-Dには電子接点がないので、撮影中に使用しているF値を確認するときは、レンズ本体の表記をチェックする必要があります。
F値の表記
上の2枚はどちらもF値を「F8」に設定した場合に、レンズ本体とカメラのファインダー内でのF値の表記を表しています。
レンズ本体では赤い線のところに「8」の数字が来ているので「F8」だと判断できますが、電子接点がないのでファインダー内では「F00」と表記されてしまっています。
レンズ装着前にカメラの設定が必要
ちなみに電子接点がないレンズをデジタル一眼カメラで使用する際には、事前にカメラ本体で「レンズなしレリーズ」の設定をしておく必要があります。
この「レンズなしレリーズ」の設定をしていないと、電子接点がないレンズはシャッターを切ることができないので、必ず設定をしておくようにしましょう。
NikonのZシリーズには「レンズなしレリーズ」という設定項目が無いようです。しかしレンズの購入者のレビューを見る限りでは正常に写真を撮れているようなので、気になる方はリンクからレビューを確認してみて下さい。
フィルターネジが付属
LAOWA 15mm F2 Zero-Dにはフィルターネジにが付属しているので、レンズの全面に「ソフトフィルター」などを取り付けて撮影をすることも可能です。
焦点距離が15mmのような超広角レンズでは、通常レンズの前玉(1番前のレンズ)が外に飛び出る魚眼レンズになっていて円形フィルターを取り付けることができません。
しかし非魚眼レンズを使用したLAOWA 15mm F2 Zero-Dは、72mm径のフィルター類であれば一般的なレンズと同じようにレンズの前面に円形フィルターを取り付けることが可能なのです。
PLフィルター、NDフィルター、ソフトフィルターなど
角型フィルター類も取り付け可能
一般的なレンズと同じレンズネジなので、円形フィルターの他にもハーフNDフィルターなどの角型フィルター類を取り付けて撮影することも可能です。
星景写真だけでなく、焦点距離15mmのダイナミックな画角でハーフNDフィルターを使った夕焼けの写真や、NDフィルターを使った雲海の長時間露光写真などを撮るのも良いでしょう。
歪みがゼロ
LAOWA 15mm F2 Zero-Dの「Zero D」とは、「Zero Distortion 」の略で歪みがゼロということを表しています。
このため超広角レンズによくありがちな写真の周辺がタル型に歪むようなことがなく、直線の被写体を直線のままに写真に撮ることが可能となっています。
マクロ機能付き
LAOWA 15mm F2 Zero-Dは最短焦点距離が15cmで、撮影倍率1/4倍のマクロ機能が付いているので、被写体にグッと寄った写真を撮ることも可能です。
花や特徴的な葉っぱなどに近寄って撮影をすることで、小さな植物を大きなく写すことも可能になるので、星景写真の撮影以外でも使用する機会が増えます。
星景写真の作例
実際に私がLAOWA 15mm F2 Zero-Dを使って撮影した、星景写真を作例としていくつかご紹介します。
※撮影にはCanon EOS R6をボディーとして使用
どの星景写真にも言えることですが、焦点距離15mmという超広角レンズによって地上の風景をたっぷりと構図に取り入れながらも、広大な星空をしっかりと写真に撮ることができています。
LAOWA 15mm F2 Zero-Dの使用感
LAOWA 15mm F2 Zero-Dを星景写真の撮影で使用し続けてみての、私なりの使用感などをご紹介します。
クリック式でわかりやすい絞り(F値)変更
レンズ本体の一番手前にある絞り(F値)変更リングは、F値を変更するごとに「カチカチ」という反応があるので、慣れてくれば目で見なくてもF値を何段階変更したか、感覚的に判断できるようになります。
初めのうちはファインダー内でF値の数値を確認できないことが不便に感じますが、慣れてくるとそこまで不便に感じなくなります。
心地よい抵抗のあるピントリング
LAOWA 15mm F2 Zero-Dのピントリングは軽くもなく重くもないちょうど良い重さ(抵抗)があり、とてもスムーズにピントリングを回すことができるので、正確なピント合わせをすることが可能です。
ただし手持ち撮影で被写界深度の浅い「F2」や「F2.8」を使用する場合には、一度ピント位置を決めても体が前後に動くだけで簡単にピント位置がれるので注意が必要です。
まとめ
星景写真を撮影する際には「F2」の明るさと、「焦点距離15mm」で広範囲を構図に取り込むダイナミックな写真が撮れるのでとても満足しながら使用しています。
また超広角レンズならではのパースや遠近感を効かせたダイナミックな写真を日中の撮影でも活かせるので、とても使い勝手の良い超広角レンズと言えます。
解像度 | |
ピントの合わせやすさ | |
扱いやすさ | |
総合評価 |
質問・コメント