
デジタルカメラマガジン 2022年4月号[雑誌]
デジタル一眼カメラで写真を撮っていて、こんな経験はありませんか?
『カメラの電源をオフにすると、オンにした時に毎回ピント位置がズレてしまう』
全てのデジタル一眼カメラでおこる現象ではありませんが、種類によってはレンズのフォーカスモードをMF(マニュアル)にしているにも関わらず、一度カメラの電源をオフにするとそれまで合わせていたはずのピント位置が、次に電源をオンにする時にずれてしまいます。
私はEOS R6に買い替えてから、この電源のオンオフでピント位置がズレる現象に悩まされていました。
この記事では同じ現象に悩まされている方のために、カメラの電源を一度オフにしてもピント位置がズレない設定の方法をご紹介致します。
一度設定をおこなってしまえば、その後は電源のオン・オフでピント位置がズレるという現象に悩まされることはなくなります。
カメラの電源のオンオフでピント位置がズレずに固定されていると、次のようなメリットがあります。
どちらも三脚を使用してピント位置を固定して撮影する場面です。
特に夜間はピント合わせが難しいので、一度合わせたピント位置がカメラの電源のオン・オフでずれることは防ぎたいですよね。
星景写真の場合は、明るい時間に合わせたピント位置を固定したまま電源をオン・オフできることで、夜までの待機時間中のバッテリー消費を軽減できます。
また長時間露光撮影では通常の撮影よりもバッテリーの消費が早くなるので、撮影のあい間にバッテリーの交換をしてもピント位置が固定されたままになります。
カメラが自動で電源をオフに指定しまう設定の場合でもピント位置がずれることがない
2021年4月現在では、キャノンのフルサイズミラーレス機であるEOS Rシリーズのカメラと、EOS Kiss M 2でカメラの電源オン・オフでピント位置がズレる現象が見られます。
キャノンのフルサイズミラーレス機であるEOS Rシリーズを使用している方は、カメラ設定内の『電源オフ時のレンズ収納』を設定することで、電源のオン・オフでもピント位置がズレないように設定することが可能です。
キャノンのEOS RシリーズとEOS Kiss M2をお使いの方は、カメラ設定の『電源オフ時のレンズ収納』という設定項目を使って、電源のオン・オフでもピント位置がズレないようにする事が可能です。
>カメラの機種によって『電源オフ時のレンズ収納』の表示場所に多少の違いはありますが、どの機種でもオレンジタブの設定項目内から探し出す事ができます。
『電源オフ時のレンズ収納』は本来、STMというAFシステムを採用したキャノンの単焦点レンズの鏡筒を、電源のオン・オフでレンズ内に収納するかしないかを設定する機能です。
これはAFとMFに関係なくレンズの長さを変更してピントを合わせるためで、『電源オフ時のレンズ収納』がONの場合には、電源オフと同時にレンズが収納されて、結果的にピント位置もズレてしまうのです。
『電源オフ時のレンズ収納』をOFFでSTMレンズでの撮影を完全に終了する場合は、電源をオフにする前に手動で鏡筒を元に戻す必要あり
全ての機種で検証をおこなったわけではありませんが、これまで使用してきたEOS 70DとEOS 5D markIIでは電源オフでのピント位置のズレは起こりませんでした。
このためMF(マニュアル・フォーカス)でのピント合わせに限れば、EOS RシリーズのカメラとEOS Kiss M2以外での撮影では、電源のオンオフでピント位置がズレる心配はないと思われます。
フォーカスモードがAFの場合は、電源のオン・オフでピント位置がズレる機種もあり
キャノンの以外のカメラメーカーにも、電源オフでのピント位置にズレをなくす設定が可能な場合があるので、メーカー毎に名称をご紹介していきます。
ニコンのカメラではピント位置の記憶という機能を使って、電源オフ時のピント位置のズレをおこらないように設定が可能です。
対応機種
2021年4/26以降のファームウェアアップデート
オリンパスのカメラではレンズリセットという機能を使って、電源オフ時のピント位置のズレをおこらないように設定が可能です。
対応機種 : 不明(公式記事無し)
構図を作り込んだ撮影や長時間露光撮影、星景写真の撮影で電源のオン・オフをおこなうことがある方は、ぜひこの際にカメラの電源オフでもピント位置がズレないように設定をおこなっておきましょう。
また普段AFや手持ちで撮影で、毎回ピント合わせをおこなっている方には必要のないように思える設定ですが、設定して困ることはほとんどありません。
将来ピントを固定した状態で電源のオン・オフをおこなう機会のために、今のうちに設定しておくのも良いでしょう。
今回はデジタル一眼カメラの撮影での、ちょっと困る状況の解決方法をご紹介しました。
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