冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
紅葉写真の綺麗な撮り方!より鮮やかな赤や黄色を撮るためのポイントとアイディア
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
秋といえば真っ赤に染まる紅葉の季節で、普段は写真を撮らないという方もカメラを持ち出して紅葉の写真を撮るのではないでしょうか。
そんな紅葉の綺麗な季節には、真っ赤に染まる紅葉をそのまま綺麗に写真に撮りたいところですが、撮影する時間や場所によっては中々綺麗に撮れないこともあります。
こんな悩みをお持ちの方のために、色鮮やかな紅葉を綺麗・オシャレに写真に撮る方法をご紹介していきます。
- 紅葉撮影での4つのポイント
- オシャレに紅葉を撮るコツ
- 紅葉の撮影にオススメのアイテム
紅葉撮影での4つのポイント
紅葉の撮り方には、実際の撮影で注意したい4つのポイントがあります。
綺麗に紅葉が撮れない、もっと上手に紅葉を撮れるようになりたいという方は、これらのポイントを意識しながら撮影をしていきましょう。
- 太陽の位置
- WB(ホワイトバランス)
- 露出
- 構図
太陽の位置
紅葉の撮り方の中でも太陽の位置はとても重要で、同じ紅葉を撮るにしても「順光」「サイド光」「逆光」では写真の印象が変わってきます。
撮りたい紅葉によっては太陽の位置を選べない場合もありますが、出来る限り自分が撮りたいイメージになるような太陽の位置を選びましょう。
太陽の位置で撮れる写真は変わる!
順光での特徴
順光で撮影すると、色が鮮やかで目で見たままに近い自然な色合いに撮ることができるのが特徴です。
紅葉の正面から太陽の光が差すことで、紅葉した葉っぱ一枚一枚に十分な光が当たるため、赤色や黄色に色づいた紅葉の色を、見た目のままの状態で撮ること可能になるのです。
立体感のない写真になりやすい
綺麗に色が出る順光での撮影ですが、その反面で陰影ができにくく立体感のない平坦な印象の写真に仕上がりやすいので、構図や露出などでカバーする必要があります。
平凡な仕上がりになりやすいですが、失敗も少ないので一番無難な太陽の位置ともいえるでしょう。
- 被写体の本来の色が綺麗に撮れる
- 陰影のない立体感のない写真になりやすい
サイド光
サイド光で撮影をすると、適度に影ができて写真に立体感が生まれるのが特徴です。
被写体である紅葉の横(サイド)から光が差すことで、光の当たる明るい部分と、光の当たらない暗い部分ができて、写真に立体感が生まれるのです。
写真の露出に注意
写真に立体感が生まれるサイド光での撮影ですが、太陽光が強かったり、光が当たる面積の割合によっては、露出のバランスを取る難しくなるので白とびや黒つぶれに注意が必要です。
- 明暗差ができて写真に立体感が生まれる
- 明暗差が大きいと白とびや黒つぶれのリスクがある
逆光
逆光で撮影をすると、透明感のある紅葉写真を撮ることができるのが特徴です。
カメラ初心者にとっては難しい逆光での撮影ですが、紅葉がしっかりと写るように露出補正をハイキーにして撮影することで、太陽の光で紅葉が透けたような透明感のある写真に撮ることが可能です。
余白が多くならないように注意
透明感のある写真が撮れる逆光ですが、空など紅葉よりも明るいものを構図に入れ過ぎると、真っ白に白とびした余白が多くなるので注意が必要です。
紅葉にグッとよるか背景にも紅葉が来るような場所を選びながら構図作りをすると良いでしょう。
- ハイキーで撮ると紅葉(葉っぱ)に透明感が出る
- 空は白とびするので、構図作りが難しい
オススメはサイド光か逆光
紅葉の撮り方の中でも、サイド光か逆光を使って撮影をすることで、より印象的な紅葉の写真を撮ることができるようになりますよ。
サイド光と逆光それぞれが持つ特徴を意識しながら、紅葉の写真を撮影していきましょう。
サイド光での作例
サイド光での撮り方は、広角レンズや標準レンズを使って広範囲の紅葉した木々を撮るのがオススメです。
景色全体にできる陰影を活かした立体感のある紅葉風景を写真に撮ってみましょう。
逆光での作例
逆光での撮り方は、標準レンズや望遠レンズを使って紅葉している景色の一部分を切り取るのがオススメです。
日中には紅葉した木の真下から望遠レンズを使って撮影、朝夕には柔らかな陽の光が紅葉を照らす景色を、標準レンズで狙うと良いでしょう。
WB(ホワイトバランス)
ホワイトバランスを変更する事で、同じ紅葉の写真でも色の変化によって心象を大きく変えることが可能です。
紅葉の撮影には次の3つのホワイトバランスを、上手に使い分けていきましょう。
- 太陽光
- くもり
- 日陰
ホワイトバランスは異なる光源のもとでも、白いものを白く撮るための機能ですが、
上手に活用することで写真全体の色味を変更することが可能になります。
太陽光
「太陽光」は風景写真では定番のホワイトバランスで、太陽の下で撮影することが基本となる風景写真では、被写体本来の色を写し出すことができるホワイトバランスです。
特に赤色や黄色、まだ紅葉していない緑の葉っぱなど色とりどりな紅葉景色を撮る際には、それぞれの色を正確に表現でき、コントラスト豊かな写真を撮ることが可能です。
場合によってはオート(AWB)
街明かりがあるなど、撮影する環境によってはホワイトバランスの「太陽光」を使用しても綺麗に色が出ないことがあります。
そんな時には、「オート(AWB)」を使用すると良いでしょう。
最近のデジタル一眼はホワイトバランスを自動で綺麗に調整してくれるので、太陽光よりも見た目に近い色が出ることがありますよ。
色のコントラストが出て、自然な色で透明感のある写真になる
くもり|日陰
「くもり」と「日陰」は、オレンジと赤・黄色の色味が強くなるので、紅葉の色を濃く撮りたい時にオススメのホワイトバランスです。
写真の表現として、自然な色味よりも紅葉の色を濃くしたい時には、「くもり」か日陰を上手く使い分けて撮影すると良いでしょう。
赤・黄色の色味の濃さは 「くもり」<「日陰」
使い所は朝焼けか夕焼け時
赤・黄色の色を濃くすることができる「くもり」と「日陰」ですが、紅葉だけでなく写真全体が赤または黄色っぽくなってしまうデメリットがあります。
青空のある日中よりも、景色全体が朝焼けや夕焼けでオレンジ色に染まる時間帯に、「くもり」と「日陰」のホワイトバランスを使用すると、違和感なく濃い赤や黄色の紅葉写真を撮ることが可能です。
- 紅葉のオレンジや赤・黄色の色味を濃くすることができる
- くもりよりも日陰の方が色が濃くなる
露出
紅葉の撮り方は、露出によっても写真の印象が大きく左右されます。
紅葉は木になっていたり地面に落ちていたりするので、カメラを向ける方向によって紅葉を撮るときの明るさが大きく変わるため、撮影環境に合わせて露出補正が必要となるのです。
- 上を向いて撮る時 → プラスに補正
- 下を向いて撮る時 → マイナスに補正
空にカメラを向ければ明るく、地面にカメラを向ければ暗くなる傾向があります。
紅葉を撮るときには、自分が上下のどちらに向かってカメラを構えているかを判断して、正しく露出補正をおこなって撮影しましょう。
上に向いたらプラス補正
木についている紅葉を撮る時には、明るい空が背景になるためカメラ任せの露出では、全体的に暗めで撮影することになるので、被写体である紅葉は暗くなりやすいのです。
主題である紅葉を綺麗に撮るためにも、露出をプラスに補正して撮影していきましょう。
プラス補正での比較
上の2枚を見比べると、カメラ任せの露出で撮影した写真は全体がどんよりと暗い印象だったのが、露出をプラスに補正する事で明るくふんわりとした印象になっているのが分かります。
下に向いたらマイナス補正
地面に落ちた紅葉を撮る場合、特に日陰などで背景が暗い環境では、カメラ任せの露出では全体的に明るく撮影しようとします。
写真全体が明るくなりすぎないように、地面に落ちた紅葉を撮影する際には、露出をマイナスに補正して撮影しましょう。
マイナス補正での比較
上の2枚の写真を比較すると、カメラ任せで明るい写真を撮るのも悪くはありませんが、露出をマイナスに補正する撮り方の方が、全体的にコントラストのはっきりとした写真に仕上がっているのが分かります。
構図
木になっている葉からすでに散ってしまった葉まで、紅葉はどんな状態でもそれぞれの美しさを見せてくれるので、同じ場所や木での撮影でも色々な構図で撮影をして見ましょう。
- 紅葉を真下から撮る
- 地面に落ちた紅葉を撮る
- 背景を選んで紅葉を撮る
- 水に反射する紅葉を撮る
この記事では、カメラ初心者の方でも実際に試すことができるように、街中の紅葉でも活用が可能なアイディアをご紹介していくので、ぜひ参考にしてみて下さい。
紅葉を真下から撮る
紅葉を真下から撮影する際には、逆光+ハイキーを使った透明感のある紅葉の写真を撮ることができます。
紅葉は基本的に木の上になっているので、真下からの撮影に限らず見上げるようにカメラを上にむけてて撮る場合には、露出補正をプラスにするハイキーで撮るのが良いでしょう。
ただし紅葉よりも明るい空が白とびしやすいので、白とびして真っ白な余白が多くならないように構図を整えて撮影しましょう。
地面に落ちた紅葉を撮る
散っている紅葉も、芝生や道路・水面などさまざまな背景パターンがあるので、背景を選んで撮影すると良いでしょう。
またすでに散っている紅葉であれば、背景を選んで紅葉を移動させたり、他の散った紅葉を集めて構図作りが楽しめるのも1つのポイントです。
背景を選んで紅葉を撮る
街中にある紅葉であれば、副題に背景を選ぶことでいつもとは違った印象の写真を撮ることが出来ます。
特徴的な模様やパターンの背景を選ぶと、自然である紅葉と人工物である建物の融合でモダンアート的な写真に撮ることも可能になりますよ。
水に反射する紅葉を撮る
街中や自然の中どちらでも、水面近くにある紅葉は水面に映り込む紅葉と一緒に撮るのがオススメです。
水面の映り込みは、水面との距離や水面との角度など立ち位置(ポジション)によって水面に映る景色が変わるので、ベストな位置が見つかるようにポジションを変えながら撮影してみましょう。
紅葉をさらに綺麗に撮るためのアイテムとポイント
紅葉を撮影する際には、次のアイテムやカメラの設定、撮影の時間を意識することで、より綺麗な紅葉写真や、印象的な紅葉写真を撮ることが可能になります。
- PLフィルターを使って撮影
- ピクチャースタイルを風景で撮影
- 朝焼けや夕焼けを狙って撮影
PLフィルターを使って撮影
天気の良い日の撮影では、PLフィルターを使用することで紅葉の色をより鮮やかに撮ることが可能です。
PLフィルターの使用例
太陽光が強い日中の撮影では、紅葉に反射する太陽光のせいで紅葉の色が薄くなったり、白く色が飛んでしまうことがあります。
上の比較写真のように、PLフィルターで光の反射をコントロールすることで、紅葉本来の鮮やかな色を写真に撮ることが可能になるのです。
使用はサイド光がオススメ
PLフィルターは太陽の位置によって発揮できる効果に大きく違いが出るので、最大限に効果を発揮するためにはサイド光を選んで撮影するのがオススメです。
ピクチャースタイルを風景で撮影
撮影後にレタッチ・編集をおこなわないという方や、レタッチ・編集が苦手という方は、ピクチャースタイルを「風景」に設定して撮影するのがオススメです。
ちなみにピクチャースタイルとはCanonのカメラでの名称で、各カメラメーカーによって別々の名称で呼ばれています。
- キャノン:ピクチャースタイル
- ニコン : ピクチャーコントロール
- ソニー : クリエイティブスタイル
- オリンパス : 仕上がりモード
カメラ内での簡易的な編集機能であるピクチャースタイルの中でも、「風景」を使用することで全体的に色が濃く、コントラストも強くなるので、紅葉の色をより綺麗に撮ることができるようになります。
ピクチャースタイル風景の使用例
上の写真を比較すると、ピクチャースタイルの初期設定である「スタンダード」に比べて、「風景」を使用して撮影した方が紅葉を色鮮やかに撮れているのが分かります。
またピクチャースタイルは、自分の好みにも設定をすることが可能なので、紅葉の撮影用にカスタム設定をしておくのも良いでしょう。
ピクチャースタイルはjpegのみに適用
カメラ内で簡易的な編集をおこなってくれるピクチャースタイルは、どのメーカーのカメラでもjpeg画像にのみ適用されます。
このためRaw形式で保存して、後からRaw現像やレタッチをおこなう場合には、ピクチャースタイルが適用される前の画像になるので注意が必要です。
夕方を狙う
夕方に撮影をすると、オレンジ色の夕日が紅葉を照らしてくれるので、よりいっそう赤やオレンジ色を鮮やかにしてくれます。
また空の色もオレンジ色や赤に染まるので、青空の中で撮る日中とはまた違う雰囲気の写真い仕上げることができるようになります。
まとめ
- 紅葉の撮影では、太陽の位置・ホワイトバランス・露出・構図の4つがポイント
- 紅葉の撮影にはサイド光か逆光がオススメ
- ホワイトバランスは太陽光で自然な色合いに、くもり・日陰で色を赤っぽくできる
- カメラを向ける方法によって露出補正で明るさを調整
短い期間しか見ることが出来ないからこそ美しい紅葉。
今回紹介したポイントを複合的に活かして、あなたなりの表現で美しい紅葉を写真に撮っていきましょう。
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