冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
滝の写真にはNDフィルターがオススメ!ND8かND16を使った撮り方
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
マイナスイオンあふれる癒しの空間とも言える「滝」、そんな綺麗な滝を写真に撮るのは、意外と難しいと感じている方も多いかと思います。
これまでは滝を綺麗に撮ることができなかった方や、滝をもっと雰囲気のある写真に撮りたい方は、NDフィルターを使った滝の写真を撮り方を覚えていきましょう。
この記事を読むとこうなる
この記事を参考にして滝の写真の撮り方を覚えることで、比較写真の「Before」のように雰囲気のない写真から、「After」のような雰囲気のある滝の写真を撮ることができるようになりますよ。
「雰囲気のある」「幻想的な」滝の写真を撮りたい方には特に読んでほしいです。
- 滝を撮るときのポイント
- 滝を撮るときのカメラの設定
- オススメの構図の作り方
滝を撮るときのポイント
1秒前後のシャッター速度で撮影
滝の写真の撮るときには、シャッター速度を1秒前後にして撮影をするだけで、「雰囲気のある」または「幻想的な」滝の写真を撮ることができるようになります。
シャッター速度での滝の写真の違い
上の2枚の写真のように、シャッター速度が1秒前後に変わるだけで、同じ場所から撮る滝の写真が、「雰囲気のある」写真に生まれ変わっているのがわかるかと思います。
ただし、単純にカメラの設定だけで1秒前後のシャッター速度を設定することは難しく、またシャッター速度が遅くなることで手ブレのリスクも出てきます。
「シャッター速度の設定」と「手ブレのリスク回避」、この2つの課題をクリアするために機材の準備や撮影のタイミング選びをしていきましょう。
- シャッター速度の設定(1秒前後にする方法)
- 手ブレのリスク回避
シャッター速度の設定(1秒前後にする方法)
カメラの設定を含め、シャッター速度を1秒前後にするためには、次の3つ要素を状況によって組み合わせる必要があります。
- 朝夕の時間帯か曇りの日を選ぶ
- 絞りをF11-18に絞る
- NDフィルターで減光する
上の3つの要素は、天気によってすべて必要な場合もあれば、3つのうちどれか2つでも満たせば良い場合に分かれるので、それぞれの要素の重要性を把握していきましょう。
朝夕の時間帯か曇りの日を選ぶ
滝を綺麗に撮るためにシャッター速度を1秒前後にするためには、太陽の光が弱い朝夕の時間帯か曇りの日を選ぶ必要があります。
ちなみにどんなに明るい時間帯や天気でも、シャッター速度を1秒前後に設定すること自体は可能ですが、撮れる写真はとても明るくなるか、真っ白な白とび写真になってしまいます。
晴天の日中に撮影した場合
シャッター速度を1秒前後に設定しても、適切な露出(明るさ)で撮影をするためには、太陽の光が弱い朝夕の時間帯か曇りの日が最適なのです。
絞りをF11-18に絞る
滝を綺麗に撮るためにシャッター速度を1秒前後にするためには、適正な露出でも遅いシャッター速度を設定できる、F11-18あたりまで絞りを絞る必要があります。
絞りをF11-18に絞ることで、奥行きのある滝の景色でも手前から奥まで、景色全体にピントを合わせることも可能になるの、パンフォーカスで撮るという意味でも絞りはF11-18に設定するのが良いでしょう。
NDフィルターで減光する
撮影する時間帯や天候、絞りの設定でもシャッター速度が1秒前後にならない場合には、NDフィルターを使って減光して、シャッター速度を調整する必要があります。
滝の撮影で使用するNDフィルターは、減光量の数ない「ND8」か「ND16」を購入すると、シャッター速度を1秒前後に調整しやすくなります。
NDフィルターの使用例
NDフィルターなし | ND8を使用 | ND16を使用 |
---|---|---|
1/100秒 | 1/13秒 | 1/6秒 |
1/50秒 | 1/6秒 | 0.3秒 |
1/25秒 | 0.3秒 | 0.6秒 |
1/13秒 | 0.6秒 | 1.2秒 |
1/10秒 | 0.8秒 | 1.6秒 |
上の表は、NDフィルターなしの状態で設定できるシャッター速度に対して、「ND8」と「ND16」それぞれを使用した時のシャッター速度の変化を表していて、どちらも1秒前後にシャッター速度を調整できることがわかります。
オススメのNDフィルター
どちらも、レンズフィルターで有名なKenkoから販売されているND8とND16で、薄型なため広角レンズで使用しても四隅がケラレる心配がありません。
ND8
ND16
手ブレのリスク回避
滝を綺麗に撮るためにシャッター速度を1秒前後にすると、手持ちの撮影では手ブレが発生するリスクがあるので、三脚を使用して手ブレの発生を回避するようにしましょう。
シャッター速度の目安
手ブレをしないシャッター速度 = 1/〇〇(レンズの焦点距離)秒
どんなにアクセスしやすい滝でも、駐車場から多少歩いて移動する必要があるので、なるべく軽量でコンパクトな三脚があると持ち運びが便利になります。
地面にカメラを置いて撮影する方法もありますが、構図を自由に作ることができなくなるので、三脚がある方が良い写真を撮りやすくなります。
滝の撮影方法
滝を撮影する時には、シャッター速度と構図作りが重要になるので、実際に滝を撮影する時の、カメラの設定の手順や構図の作り方をご紹介していきます。
晴れの日中は避けよう
この記事でも解説している通り、晴れの日中はシャッター速度を1秒前後にするのが難しいので、朝夕の時間帯か曇りの日を選んで撮影をおこないましょう。
滝を撮るカメラの設定
滝を流れる水の動きを糸のように撮るためには、実際に撮影を繰り返しながら、シャッター速度を1秒前後で微調整していく必要があります。
シャッター速度の微調整がしやすいように、以下の手順でカメラの設定をおこなうと良いでしょう。
- 撮影モード → 絞り優先モード(AvまたはA)
- ホワイトバランス → 太陽光かオート
- ISO感度 → ISO100 ※後で微調整あり
- 絞り → F11 ※後で微調整あり
- NDフィルターの装着
- ISO感度と絞りでシャッタ速度を微調整
※本格的な撮影にはMモード(マニュアル・モード)が最適ですが、この記事では初心者向けに簡単に失敗の少ない絞り優先モードで解説します。
シャッター速度の微調整
滝の写真を撮るときは、滝そのものの流れの勢いやその日の水量によって、適切なシャッター速度が1秒を基準に違いがあるので、状況に応じてシャッター速度の微調整が必要になります。
まずはカメラの設定手順5番の、「NDフィルターの装着」まで設定した段階で1枚写真を撮影して、撮れた水流の写り具合によってシャッター速度を調整していきましょう。
一般的に「水量が多い・流れが速い」場合にはシャッター速度を1秒よりも速くして、「水量が少ない・流れが遅い」場合にはシャッター速度を1秒よりも遅くなるようにしていくのがオススメです。
シャッター速度は遅くする方が難しいので減光量が多いND16がオススメ
落差が大きい滝は、「水量が多い・流れが速い」傾向にあるので、シャッター速度を1/20秒から0.3秒の間で微調整すると、水流が真っ白にならずに線のように撮影することが可能になります。
シャッター速度の調整法
- 絞りを開ける(F10, F9, F8など)
- ISO感度を上げる(ISO160, ISO200, ISO400など)
- NDフィルター外す
滝を撮るときの構図
- 基本は縦構図
- 横に広がりのある場合は横構図
滝を撮影する場合には、滝の形状に合わせて縦構図か横構図かを使い分けると、より印象的な写真に撮ることが可能になります。
基本は縦構図
滝は上から下へ流れ落ちているので、基本的には縦構図で撮る方が自然な印象で撮ることが可能です。
特に水流が1本だけの滝や、滝とその手前の渓流も合わせて撮る場合には、滝の高低差をダイナミックに撮ったり、滝から渓流までの奥行き感を撮ることが可能になります。
- ダイナミックさがでる
- 奥行き感が生まれる
横に広がりのある場合は横構図
水流がいくつもに枝分かれして横に広がりがある滝は、横構図で滝の広がりを撮るのがオススメです。
横幅の滝の全体像を撮ることができる上に、周りの景色も構図にしっかりと入れることが可能になります。
- 空間の広さを演出できる
- 横幅のある滝の全体像が撮れる
- 横幅のある滝と周りの景色を一緒に撮れる
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