冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
風景写真を上手く撮れるようになるには?実践したい具体的な練習方法
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
デジタル一眼カメラを買ったけれども、具体的にどんなことをすれば風景写真は上手くなるのか?デジタル一眼カメラで撮影を始めたばかりの方の中には、そんな疑問を持っている人も多いかと思います。
少しでも上手く風景写真を撮影したい、風景写真を上手く撮る方法を知りたいという方のために、この記事では風景写真を上手く撮るための具体的な練習方法をご紹介していきます。
- カメラの撮影技術と写真の編集技術は別物
- カメラで風景写真を撮る時に大切な3の要素
- カメラ撮る風景写真が上手くなる具体的な練習方法
海や山、紅葉など特定の被写体での撮影方法ではなく、デジタル一眼カメラを使って風景写真を撮る時の基本的な構図の作り方や光の重要性などについて解説をしていきます。
これまで自分自身が行なってきた撮影方法との違いを意識しながら、この記事の練習方法を実践していけるようになりましょう。
カメラでの撮影技術と写真の編集技術は別物
まず大前提として、カメラの撮影技術と写真の編集技術は別物ということを理解しましょう。
SNS(ソーシャルメディア)の発達に伴って、アプリを使って簡単に写真を加工できるようになりました。
これによりさまざまな表現の写真を楽しめるようになりましたが、どんなにアプリや現像ソフトでのレタッチ技術を向上させても、撮影する写真自体が上手くなることは決してありません。
上手く撮れた写真が無ければ、編集した写真が最高の一枚なることはない
大前提としてアプリや現像ソフトを使用して編集をするには、編集をする写真そのものが必要です。
用意した写真自体が上手く撮れていなければ、どんなにアプリや現像ソフトでレタッチを頑張っても最高の1枚に完成することはありません。
撮影段階での違い
上の2枚はどちらも同じ日の同じ時間帯に撮影をした写真に、同じレタッチをおこなった場合の比較で、この2枚の写真で大きな違いとなるのは「光」と「構図」です。
良い写真の方は雲の切間から太陽が出るのを待って撮影しているため、砂浜にハッキリとした椰子の木の影が落ちていて、さらには差し込む太陽光のおかげで綺麗な海の色を撮ることができています。
残念な例の方では太陽が雲に隠れた状態で撮影をしているので、椰子の木の影は薄く海の色も濁った感じで透明感がないので、構図的にもただビーチを撮っただけの残念な写真になっています。
普段から光や構図などを意識することが大切
上の2枚の比較からも分かるように、普段から光の差し方や天候、景色を切り取る構図の作り方などを意識しながら撮影することがとても大切です。
また使用しているレンズの焦点距離によってもそれぞれ特徴の違いがあるので、この記事を参考にして印象的な風景写真が撮れるように練習していきましょう。
風景写真を撮る時に大切な3の要素
デジタル一眼カメラで風景写真を撮る時には、次の3つの要素を要素を意識して撮影することで、オリジナリィある写真や印象的な写真を撮ることが可能になります。
この記事では上から順に練習がしやすい要素を紹介をしていくので、1つずつ意識して撮影ができるようにしていきましょう。
構図
構図は撮影する写真全体の構成にあたる要素です。
主題となる被写体を写真全体のどこに配置するか、どのくらいの大きさで撮影するかなどが構図で大切なポイントとなります。
構図を意識できると同じ景色や被写体を撮影しても、まったく違う写真に仕上げることも可能になります。
構図はどのような撮影環境でも意識・練習をすることが可能なので、風景写真を上手く撮れるようになるためにも、構図を意識した練習から始めるのが良いでしょう。
光の向きや種類
光は写真の色や明るさのコントラスト、写真全体の雰囲気に大きな影響を与える風景写真で最も重要な要素です。
景色や被写体は光の当たる向きによって、明るさだけでなく立体感や透明感の有無にも違いが出てきます。
また光の有無や当たる向きによって被写体の色が濃くなったり淡くなったりと、光は写真のコントラストと雰囲気までも変えてしまうのです。
また時間帯によっても太陽の光は色味や強さが違うので、上手く構図を作れるようになったら光の向きや種類を意識した練習をしっかりとおこなっていきましょう。
レンズの特性
レンズの特性は、撮る写真の世界観に大きな影響を与える要素です。
デジタル一眼カメラの交換レンズには、その焦点距離域によってそれぞれ違った特性があります。
このレンズそれぞれの特性を上手く使った撮り方を習得することで、普段私たちの目では見ることができないような、特徴的な世界観の写真を撮ることが可能になります。
まずは自分が持っているレンズの特性を活かした写真をとる練習から始めて、将来的には特徴的な風景写真を撮るために交換レンズの購入を検討するのも良いでしょう。
風景写真を上手く撮るための練習方法
風景写真には「構図」「光の向きや種類」「レンズの特性」の3つの要素を意識することが大切です。
ここからはそれぞれの要素を意識した、風景写真を上手く撮るための具体的な練習方法をご紹介していきます。
構図作りの練習方法
構図を意識して練習する時には、撮影する被写体や景観にあった構図を見つけるようにしましょう。
構図を作る際には、大まかにカメラを構える向き「縦構図」か「横構図」の違いに加えて、「三分割構図」や「対角線構図」といった具体的な構図の2ステップに分けて考えましょう。
縦構図か横構図の選択
目の前の景色を切り取るために、まずはカメラを横に構えるか縦に構えるかで大まかな構図を決めます。
縦構図か横構図のどちらで撮影するかは、次のような点を考慮すると良いでしょう。
構図の選び方 |
||
横構図で撮る場合 | 広がりのある風景 | 横長の被写体 |
縦構図で撮る場合 | 奥行きのある風景 | 縦長の被写体 |
この他にも横構図か縦構図を決定する要素は存在しますが、まず基本的なこれらの点を考慮して決めると全体的にとても自然で収まりが良い風景写真を撮ることができます。
縦横の違いによる印象の比較
どちらも同じ景色を撮影した2枚の写真ですが、横構図と縦構図では山の稜線と雲の筋の見え方に大きな違いがあるのがわかります。
この景色は横に広がる山の稜線と薄く掛かる雲の筋が綺麗なので、横構図で撮影をした写真の方が全体的にとても自然で収まりが良い写真になっています。
逆に縦構図で撮影をした写真は全体的に窮屈な印象で、空も無駄に広く映った残念な写真になってしましました。
同じ光景を撮影しても、横構図か縦構図かの違いでだけでもここまで大きな差が出るのです。
主題とする被写体が縦横どの方向に長いのか、または景色の広がり方や奥行き感などを意識しながら、縦構図か横構図のどちらで撮影するかを判断していきましょう。
具体的な構図
被写体や景色にはそれぞれが綺麗に見える構図が存在するため、同じ被写体や景観を撮影しても構図作りの違いで写真の仕上がりに大きな違いが生まれます。
具体的な構図にはいくつもの種類が存在していますが、風景写真ではまず初めに「三分割構図」を意識して撮影してみましょう。
三分割構図のイメージ
三分割構図とは、カメラで撮影する景色に対して縦横3×3になるように線を引いて、それぞれの線が交わる場所に被写体を配置する構図です。
この三分割構図を意識して撮影ができるようになると、主題をバランスよく構図の中に配置することができるので、全体的に収まりの良い自然な見た目の写真に撮ることができるのです。
主題の配置は副題と空間を意識
三分割構図を使って風景写真を撮るときには、主題となる被写体の他にもう1つ副題を見つけ出し、さらには空間を意識することが重要です。
三分割構図で撮影した作例
上の写真は三分割構図を使って撮影をした風景写真で、上を向いたアルファベットのCのような形のオブジェとしています。
主題となるオブジェを三分割構図の右下に配置して、副題となる夕焼け空と太陽を構図の上2/3に収めることで、景色全体をバランスよく撮ることができています。
また広い空間がある構図の左側に雲の少ない夕焼け空を配置することで、窮屈感がなく抜け感の良い写真に仕上っているのです。
光の向きや種類を意識した練習方法
光を意識して練習する時には、その被写体や光景が1番綺麗に見える光の当たり方と時間帯を見つけるようにしましょう。
光の当たる向きは被写体の立体感や透明感の有無に影響を与え、さらに撮影する時間帯によって太陽の光の色味や強さが変わるので、そのまま被写体や景観の色またはコントラストに大きな影響を与えてくれます。
光の当たる向き
風景写真では太陽の光が当たる向きによって景色や被写体の見え方に違いがあります。
ただ漠然と目の前の景色や被写体を撮るだけではなく、撮影場所や角度を変えて光の当たる向きを変えてみたり、太陽の光が当たる向きに合わせて撮影時間を選んでみましょう。
光の向きによる特徴の違い | |
順光 | 色が濃く映る / 立体感がなくなる |
サイド光 | 立体感が生まれる / コントラストが強い |
逆光 | 透明感が生まれる / ドラマティック |
風景写真には半逆光がオススメ
風景写真の中でも広角レンズを使って広大な景色を撮影する際には、景色や被写体の斜め後ろから太陽の光が当たる半逆光がオススメです。
半逆光には、サイド光が持つ「立体感」と逆光が持つ「ドラマティック」「透明感」が混ざるので、とても印象的な写真を撮ることが可能になるのです。
太陽の光の強さ
太陽の光の強弱はそのままコントラスの強弱に繋がるので、景色や被写体の「硬さ」や「温度感」などに影響を与えます。
特に晴れの日と曇りの日では太陽の光の強さに大きな違いが出るので、それぞれでどのような印象の写真に仕上がるかを頭に入れた上で撮影する被写体や景色を選んでみましょう。
光の強さによる印象の違い | |
強い光 | ハッキリ、爽やか、暑いなど |
弱い光 | ふんわり、神秘的、暖かい、涼しいなど |
このように太陽が出ていない曇りや雨の日でも、弱い光を活かした風景写真を撮ることができるので、天候に関係なくその日その場で撮ることができる景色や被写体を探してみましょう。
時間帯
太陽の光は撮影をする時間帯によって色味が変化するので、日の出や日の入りの時間帯にはピンク色やオレンジ色、黄色の光が風景写真の色に大きな影響を与えてくれます。
綺麗な朝焼けや夕焼け空を撮ることはもちろんですが、朝日や夕日の色に染まった印象的な景色や被写体を撮影することも可能になります。
いつもみている景色でも、朝夕の時間帯に撮影をするだけで印象的な写真に仕上がるので、日中だけでなく朝焼けや夕焼けの時間帯を狙って撮影をしてみましょう。
レンズの特性を活かした練習方法
デジタル一眼カメラのレンズ、特に広角レンズと望遠レンズにはそれぞれ写真の世界観に大きな影響を与える特性があります。
単純に広い光景だから広角レンズ、遠い場所を撮るから望遠レンズという使い分けをするのではなく、それぞれのレンズの特性を上手く使った、独特の世界観のある上手な写真を撮っていきましょう。
広角レンズの特性
広角レンズにはレンズに近い被写体ほど大きく、逆にレンズから遠い被写体ほど小さい写るという特性があり、この特性を上手に使うと写真の中に遠近感や奥行きが生まれます。
実際に撮影をする際には前景として配置する被写体にレンズを近づけて撮影をすることで、単純に目線の高さで撮影するよりもはるかに奥行きのある写真を撮ることが可能になります。
望遠レンズの特性
望遠レンズには、手前にある被写体と奥にある被写体の遠近感を少なくする特性があり、この特性を上手に使うことで木々の密集感を演出したり、自然の大きさを写真で伝えることが可能になります。
遠近がなくなるということは小さい被写体は小さいまま、大きい被写体は大きいままで撮ることができるので、構図の中に人や動物を入れて撮影をするとダイナミック感のある写真になります。
また紅葉や桜など多くの木々を撮影する際には、望遠レンズの圧縮効果によって木々の密集感が増すので、広角レンズを使うよりも印象的な写真に仕上がります。
まとめ
風景写真を上手く撮るためには「構図」・「光の向きと種類」・「レンズの特性」の3つを意識して練習する必要があります。
初めから全てを意識することは難しいので、この記事を参考に「構図」→「光の向きと種類」→「レンズの特性」の順番に練習をおこなっていくのが良いでしょう。
またこれら3つの要素を意識して撮影できるようになったら、さらにもう一段階シャッターチャンスを意識して、日常風景や有名な場所を他の人とは違うオンリーワンの写真に撮れるようになってみましょう。
質問・コメント