
デジタルカメラマガジン 2022年4月号[雑誌]
風景写真を撮っているとダイナミックな景色を超広角レンズで撮りたいと思うことがありますよね。
しかし焦点距離が20mmよりも広い超広角レンズは、高価なモノも多くなかなか購入までは至らないという方も多いのではないでしょうか?
それでもやはり壮大な景色を超広角レンズで撮りたいという方は、Lightroomのパノラマ合成を使って超広角レンズ風の写真を作成してみませんか。
手元に広角レンズや標準レンズしか無いという方でも、簡単に超広角レンズで撮影したようなパノラマ写真を作ることが出来るので、高価な超広角レンズを購入する前にLightroomのパノラマ合成を試してみましょう。
Lightroomの機能であるパノラマ合成は、事前に撮影した複数の写真を合成して、1枚のパノラマ写真として仕上げる機能
Lightroomのパノラマ合成は、Photoshopを使用して手動で画像を1枚ずつ重ねるような、地道な作業は一切ありません。
ポイントを押さえれば、三脚を使用しなくても手持ちで撮影した写真をまとめてLightroomで開くだけで、簡単に綺麗なパノラマ合成を行うことが出来ます。
Lightroomで超広角レンズで撮影したような写真をパノラマ合成するためには、大きく2つのステップに分けて作業を行います。
今回は広角レンズで撮影した合計9枚の写真から、Lightroomのパノラマ合成を使用して超広角レンズで撮影したような1枚のパノラマ写真を作成する過程を紹介していきます。
Lightroomのパノラマ合成に使用する写真を用意します。
今回は合計9枚の写真を使用しますが、ポイントを押さえていれば手持ちで撮影した写真でも、十分に綺麗なパノラマ合成写真を作成することが可能です。
Lightroom を使って、超広角レンズで撮影したようなパノラマ合成写真を作るには、最低でも3枚以上の合成用写真を用意することをオススメします。
特に焦点距離が50mm前後の標準レンズしか持ち合わせていない場合には、より多くの写真で広範囲をカバーする必要があります。
広角レンズなら3枚以上、標準レンズでは9枚以上の合成用写真があるとベスト
Lightroomを使って綺麗なパノラマ合成合成するには、用意する写真は全て同じ傾きをしている必要があります。
カメラに水準器が内蔵されている場合には、水準器で水平を取りながら合成用の写真を撮影しましょう。
写真がそれぞれ左右別々に傾いていると綺麗にパノラマ合成できない
Lightroomのパノラマ合成では、使用する写真の約30%ほどは写真同士の結合部分となります。
最終的な合成写真に対して、それぞれの写真を繋ぎ目がギリギリになるように撮影してしまうと、パノラマ合成した時の繋ぎ目が綺麗にならず不自然になってしまう場合があります。
合成用の写真はそれぞれが約30%ずつ重なるように撮影する
第1ステップでパノラマ合成用の写真が用意できたら、Lgihtroomを使ってパノラマ合成を行っていきます。AdobeのLightroomをまだ持っていないという方は、この機会に無料体験版でLightroomを使用してみましょう。
パノラマ合成に使用する画像は、まとめて1つのフォルダに保存しておくと便利
パノラマ合成に使用する写真を事前にレタッチします。仮にレタッチが必要ない場合でも『色補正の除去』・『プロファイルの使用』には必ずチェックを入れましょう。
また全ての写真へレタッチ情報を反映される基準となるとので、基本的なレタッチのみで済ませることをオススメします。
Rawデータからパノラマ合成を行う場合は、パノラマ合成後もrawデータと同じようにレタッチ可能
全ての写真の歪みや明るさ・色などを揃えるために、『同期』を使って初めにレタッチした写真の情報を残り全ての写真に反映させます。
全ての写真を選択した状態で、最終的に選択されている写真のレタッチ情報が反映される
右クリックのメニューから『写真を統合』→『パノラマ』を選択して、全ての写真をパノラマ合成する
合成する全ての写真を選択状態にしておく
1. 投影方法を選択から『円筒法』を選択
円筒法がもっとも自然にパノラマ合成が可能(遠近法は使用できない)
2.『エッジを塗りつぶす』や『境界線ワープ』を使用して合成の仕上がりを調整
『エッジを塗りつぶす』にチェックを入れると、パノラマ合成時に発生する四隅の余白を自動処理で塗りつぶしてくれる。
周りのコンテンツに応じて塗りつぶすので、一部不自然な箇所ができる場合がある
『エッジを塗りつぶす』で不自然な仕上がりになる場合は、『境界線ワープ』を調整することで不事前な部分を修正することができる。
『境界線ワープ』でも自然な仕上がりにならない場合は、『エッジを塗りつぶす』からチェックを外して、パノラマ合成時の自然な仕上がりの状態に戻す。
3.結合を選択してパノラマ写真を作成
『エッジを塗りつぶす』と『境界線ワープ』を使用しても綺麗に余白を塗りつぶすことができない場合には、作成したパノラマ写真をLightroomの通常機能で余白が入り込まない箇所で切り取ります。
通常の写真のアスペクト比で切り取る場合は『 2 : 3 』で切り取る
パノラマ合成に使用した真ん中の写真とパノラマ合成写真を比べると、パノラマ合成した写真の方が超広角レンズで撮影したような、パノラマ写真に仕上がっている。
Lightroomを使うと、お手持ちの広角レンズや標準レンズでも十分に綺麗なパノラマ合成写真が簡単に作成できます。超広角レンズで大自然のパノラマ写真を撮影してみたいという方は、超広角レンズの購入前に、ぜひ一度Lightroomのパノラマ合成を試してみてはいかがでしょうか。
この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!
質問・コメント