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Tomo
風景写真家
カナダで山に登りながら数々の風景写真を撮影し着た経験を活かして、風景写真を綺麗に撮るためのテクニックなどを発信しています。

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カメラのダイナミックレンジを知れば写真の白とびや黒つぶれが理解できる!!

こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。

みなさんはカメラのダイナミックレンジという言葉を聞いたことがありますか?

ダイナミックレンジって何?
聞いたことはあるけど詳しくはわからない…

カメラのダイナミックレンジについては知らなくても写真を撮ることは可能ですが、カメラのダイナミックレンジを知ることで、明るすぎたり暗すぎたりする失敗写真を減らすことが出来るようになります。

この記事の内容
  • カメラのダイナミックレンジとは
  • ダイナミックレンジと白とび / 黒つぶれの関係
  • カメラ自体と写真のダイナミックレンジは違う
  • 広いダイナミックレンジの写真に仕上げる方法
目次

カメラのダイナミックレンジとは

カメラのダイナミックレンジは、一度に写し出すことが可能な明るさの範囲

私たちが普段目にする日常の風景にはとても広い範囲の明るさが存在しています。最も暗い真夜中の星明かりから最も明るい太陽光まで、時間帯によってその明るさはさまざまですが、カメラで撮ると私たち人間の目で見ているようには写らないことがあります。

これはカメラのダイナミックレンジと人間の目のダイナミックレンジに大きな差があるからなのです。

カメラのダイナミックレンジはEV値(段)で表す

カメラのダイナミックレンジは露出値を示すEVまたは段数で表現されます。

EV(段)は数字が1つ増えるごとに明るさが2倍に、逆に数字が1つ減るごとに明るさが1/2になることを示します。

EV(段)変更での明るさの変化

  • 例1 : EV1(段)→ EV3(段) は明るさが4倍になる
  • 例2 : EV4(段)→ EV1(段)は明るさが1/16になる

カメラのダイナミックレンジは日常の光の範囲の半分以下

カメラが一度に撮影可能なダイナミックレンジ(光の範囲)は、私たちの日常にある光の範囲の半分以下しかありません。

日常の光の範囲が約24EV(段)なのに対してカメラのダイナミックレンジは約11EVしかありません。

このため明暗差の大きな場所での撮影では、カメラのダイナミックレンジが環境の明るさの範囲に対応しきれず、写真の一部が明るくなったり暗くなったりしてしまうのです。

ダイナミックレンジの比較

目で見ている夕日

上の2枚はを見比べると、カメラに写る後継よりも人間の目で見ている光景の方が、はるかに広範囲の明るさに対応していることが分かります。

ちなみに人間の目はダイナミックレンジに換算すると約20EV(段)あると言われ、カメラのダイナミックレンジの約2倍になっています。

これが人間の目で見る光景とカメラで撮る写真に違いがでる大きな理由です。

カメラのダイナミックレンジは人間の目の約1/3の範囲しか光を認識できない

カメラのダイナミックレンジはカメラによってはさまざま

カメラのダイナミックレンジは、カメラの機種によってさまざまです。

ダイナミックレンジの広いカメラもあれば、ダイナミックレンジの狭いカメラも存在していますが、一般的にデジタルカメラのセンサーサイズに比例してダイナミックレンジも広いカメラになる傾向があります。

カメラのダイナミックレンジと白とび / 黒つぶれの関係

カメラのダイナミックレンジは一度に撮影可能な光の範囲を示しているので、カメラのダイナミックレンジに収まらない明るさは白とびや黒つぶれとして写真に現れます。

太陽の輝く明るい空にダイナミックレンジを合わせて撮影すると、影になっている暗い部分はカメラのダイナミックレンジから外れるので、黒つぶれとして写真に写し出されます。

逆に影の暗い部分にカメラのダイナミックレンジを合わせて撮影すると、カメラのダイナミックレンジから外れる空の明るい部分は白とびすることになります。

カメラ自体と画像のダイナミックレンジは違う

カメラ自体のダイナミックレンジと、撮影した画像のダイナミックレンジには違いがあります

カメラ自体のダイナミックレンジが約11EV(段)なのに対して、カメラで撮った画像のダイナミックレンジは約7EV(段)しかありません。これはカメラのファイル保存形式であるRawとJPEGの違いが関係しています。

カメラのダイナミックレンジ=Rawデータのダイナミックレンジ

デジタルカメラのファイル保存形式にはRawとJPEGの2種類が存在しています。

Rawデータはまだ画像になる前の撮影時の情報、JPEGはRawデータから必要な情報だけを抜き取った画像という違いがあります。

つまりまだ画像になる前のRawデータには、カメラのダイナミックレンジ約11EV(段)の情報が含まれていますが、ここからJPEG画像を作成する際にダイナミックレンジの両端(明部と暗部)約4EV(段)が切れ離されてしまうのです。

仮に撮影する光景の明暗差が大きい場合には、RawデータからJPEG画像を作成する際に切り離された両端の部分はそれぞれ白とびと黒つぶれになる可能性ります。

こな場合白とびや黒つぶれになった部分には何も情報が残っていないので、編集でいくら復旧を試みても輪郭や色を取り戻すことは出来なくなります。

ダイナミックレンジの広いRawデータは明暗部の復旧が可能

画像ファイルであるJPEGと比べてRawデータには、約4EV(段)広いダイナミックレンジの情報が含まれています。

このためJPEG画像を作成する際に切り離されてしまう両端のダイナミックレンジも、Rawデータには存在していることになります。

このJPEG画像を作成する際には切り取られてしまう両端のダイナミックレンジの中には、明暗分の被写体の輪郭や色といった情報が含まれているので、Raw現像の際に明暗分の輪郭や色を保ったまま明るい部分(ハイライト)を暗くしたり、逆に暗い部分(シャドー)を明るくすることが可能になるのです。

STEP
オリジナルの画像

こちらのシャドー(日陰部分)が真っ黒になっている画像を使って、RAWとJPEGのそれぞれでシャドーを復旧していきます。

STEP
復旧後の比較

2枚の画像をそれぞれ拡大すると、Rawファイルから暗部を復旧した画像の方が、木々の輪郭がはっきりと出ていて、木々の色は葉っぱの緑色と幹や枝の茶色をより綺麗で正確に復旧できているのがよく分かります。

JPEGから暗部を復旧した画像は一見綺麗にも見えますが、拡大してみると木々の輪郭は潰れて木々の色も全体的に緑一色ののっぺりとした仕上がりになっています。

ダイナミックレンジの広いRawデータはJPEGよりも綺麗に明暗部を復旧可能

広いダイナミックレンジの写真に仕上げるには

人間の目と違いカメラのダイナミックレンジはとても狭いですが、次のような対策をとることで明暗差の大きな光景でも、白とびや黒つぶれののない綺麗な写真に仕上げることが可能になります。

どれも違う方法や手法が違いますが、上にある方法ほど自然な仕上がりの写真になります。

ハーフNDフィルター

ハーフNDフィルターはカメラレンズの前に装着することで、レンズを通る光の明暗差を少なくする効果のあるフィルター

ハーフNDフィルターはフィルターの半分だけに減光効果のあるNDフィルターが付いています。このNDフィルターの部分を明るい空に合わせることで、明るい空と暗い地面部分の明暗差を、撮影する前の段階で少なくすることが可能になります。

つまり目に見えている光景のダイナミックレンジをハーフNDフィルターで強制的に狭くするのです。

ハーフNDフィルターの使用例
タブの切り替えで比較可能

ハーフNDフィルターを使用
ハーフNDフィルターを使用

上の比較のように、ハーフNDフィルターを明るい空に使用することで、暗い地面と明るい空の明暗差を少なくした状態で撮影をすることが可能になります。

この明暗差が少ない状態で写真を撮ることができることで、私たち人間の目で見ている光景に近い写真を撮ることができるようになるのです。

長時間露光もするならStandard setがオススメ

私が愛用しているStandard setには、NDフィルターのND64とND1000に加えてCPLフィルターも付属しているので、逆光での撮影以外にも滝や波打ち際の撮影から、日中の長時間露光撮影もおこなうことができるようになります。

≫ Standard setの特徴や詳細はこちら

露出ブレンド

露出ブレンドは別々の明るさに合わせたダイナミックレンジで撮影した複数の写真を、Photoshopなどで部分的に合成する方法です。

基本的には明るい空・暗い地面・そのちょうど中間それぞれの明るさにダイナミックレンジを合わせて撮影した写真を用意して、Photoshopなどのツールを使って各写真の適正露出の部分だけを合成していきます。

全て手作業で時間のかかる方法ですが、写真内の各部分を自分好みの明るさで細かく表現できる方法です。

HDR合成

HDR合成はハイダイナミックレンジという特殊な合成方法で、露出ブレンドと同様に別々の明るさに合わせたダイナミックレンジで撮影した複数の写真を使ってソフトで自動的に明暗差合成をする方法です。

露出ブレンドとは異なり、HDR合成はPhotoshopや専用のソフトが自動でおこなってくれるので、初心者の方にも比較的簡単な方法と言えます。

ただし一般的なソフトを使ったHDR合成では、全く同じ画角で撮影した写真が複数必要になるので三脚などにカメラを固定して撮影する必要があるので、すでに1枚だけで撮影してしまった写真や構図がズレた写真は HDR合成をすることができません。

これまでに撮影した写真など1枚しかない写真からでも、HDR合成をおこないたいという方はLuminar Neoの拡張機能である「HDRマージ」を検討してみると良いでしょう。

写真1枚からHDR合成可能

HDRマージの参考画像

HDRマージの他にも誰でも簡単にプロ並みにレタッチができる機能が充実

まとめ

  • カメラのダイナミックレンジは一度に撮ることができる明るさの範囲
  • カメラのダイナミックレンジは日常の光の範囲のわずか半分以下
  • カメラのダイナミックレンジを外れる明るさは白とびや黒つぶれになる
  • 通常は日常の光の範囲をカメラで綺麗に撮ることはできない
  • ハイライトとシャドーの復旧はRawファイルからがベスト

ダイナミックレンジを詳しく理解することで、撮影する写真がなぜ白とびや黒つぶれをするのか、またどのようにしたらより綺麗な写真に撮ることができるのかが分かるようになります。

カメラのダイナミックレンジを理解して、白とびや黒つぶれのない綺麗な写真を撮れるようになっていきましょう。

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