冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
同じ景色でも写真の色は人それぞれ!記録色と記憶色の違いを理解して自分の写真のスタイルを見つけよう
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
綺麗な景色を写真に撮ってきたはずだけど、家で写真を確認するとなんだか色が違うと感じることはありませんか。
風景写真を撮影していると、このように現実の色と写真に写る色の違いや、撮影した写真と自分の記憶の中での色の違いを感じることがあります。
これには写真の記録色と記憶色の2つが関係しています。
- 記録色と記憶色の違い
- 風景写真は記録色と記憶色のどちらでも良い
- 色を着色する希望色
これまで感じていた色の違いや写真に対する考え方が、記録色と記憶色を理解することで原因と対策、また自分自身の撮影スタイルを見つけることができるようになります。
記録色と記憶色の違い
写真を撮影していると必ず考えなくてはいけないのが、記録色と記憶色の2つです。
記録色と記憶色の違い
記録色:その場にある実際の色
記憶色:人がイメージする色
人は空は青色で桜はピンク色だというイメージが、先入観として記憶されています。
このモノや景色に対する人間のイメージしている色は、写真の世界では記憶色と呼ばれ、逆にそういったイメージ(先入観)のないカメラで撮った写真の色が、その場にある実際の色の記録色と呼ばれています。
jpeg写真:各メーカーの色に対するイメージが反映された記憶色の写真上記のように、モノや風景の色に対して先入観のないカメラで撮ったままの写真は、その日の天気や季節によっては空の色や木々の色が薄くなることがあります。
しかし記憶色の写真では、人間がイメージする通りの空の青さと木々の緑色が再現されているのがよくわかります。
記録色 | 実際に見ている色 | 時に人間には不自然に感じる色 |
記憶色 | 人間のイメージする色 | 人間とって自然に感じる色 |
Raw形式の写真は記録色、jpeg形式の写真は記憶色
基本的にjpegで撮影する写真には、各カメラメーカーの考える人やモノ・景色に対する色のイメージがピクチャースタイルによって反映されているので、記憶色の写真であることが多いです。
逆にそういった各メーカーの色に対するイメージがピクチャースタイルで反映されないRaw形式で保存する写真は記録色の写真と言えるでしょう。
- jpeg写真:各メーカーの色に対するイメージが反映された記憶色の写真
- raw写真:各メーカーの色に対するイメージが反映されてない記録色の写真
ちなみにCanonではピクチャースタイルですが、各メーカーでその呼び方はさまざまで色に対するイメージ・考え方も違いがあります。
一般的にCanonは人がイメージする色に近い記憶色の写真、Nikonは実際の色に近づける設定の記録色で写真が撮れると言われています。
しかし各メーカーの色味の違いはjpeg写真に大きく反映されるので、Raw写真で後から色味を調整するという方にはあまり関係のない違いになります。
風景写真は記録色と記憶色のどちらでも良い
カメラで写真を撮影している人の中には、何もレタッチしていないjpegで撮ったままこそが写真だという人も少なくありませんが、私自身はそう思っていません。
≫ 写真のレタッチとは
jpeg撮って出しの写真は、レタッチで色味が変えられていない純粋な風景の写真だと思われがちですが、先にも説明したようにjpegの写真には各カメラメーカーの色に対するイメージや考えが反映されていすので、記憶色の写真になるのです。
ここまでくればお分かりのように、世の中に溢れている写真のほとんどは記憶色で撮られた写真だということがわかります。
- jpeg撮って出しは純粋な記録色の写真ではない
- 記憶色は人間が1番自然に感じる色
- 純粋な記録色はRaw形式で保存された写真
大切なことは自分がどんな表現を写真に反映させたいか
大切なことは自分がどんな表現を写真に反映させたいか、そしてどのようにしてその写真を扱うかだと私は考えています。
例えば綺麗に染まる夕焼けに感動した場合、その記憶を強くの残すためにピクチャースタイルなどで色を鮮やかに表現するもいいでしょう。
逆にその日見たありのままの夕焼けの色を、他の人にも見せてあげたいのであればRaw形式で保存した写真をそのままjpegに現像するのも良いでしょう。
Raw形式の写真=記録色でないこともある
日中に順光やサイド光で撮影する場合にはあまり関係ないですが、逆光での撮影特に朝焼けや夕焼けの写真は、Raw形式そのままではその場に実際にある色(記録色)にならないことが多いです。
空と地面の明暗差が大きくなる逆光で撮る写真は、Raw写真そのままでは空か地面の色のどちらかが、実際にその場で見れる色とは違う色になってしまうのです。
逆光で撮影する場合には、ピクチャースタイルやハーフNDフィルターを上手く使用して、実際に見ている色の記録色や、人間がイメージする色の記憶色に近づけるようにするのがいいでしょう。
撮影の参考になる記事
色を着色する希望色
現実の色である記録色と、人間がイメージするより自然な色の記憶色はどちらも、現実をありのままに伝える色であると言えますが、その他に「こんな色であったらいいな」という色に着色する希望色というものがあります。
現実には存在しない色や、人間のもつイメージとも違う色で表現するのが希望色で、インスタなどSNS上で使われているフィルターは、この希望色の代表的な例の1つです。
また中にはレタッチの段階で、記憶色にあわせて色味を調整していたはずが、いつの間にか「こんな色だったはず」という希望色に変わってしまうこともよくあります。
インスタ映えを狙うような、意図する希望色での写真の仕上げは良いですが、レタッチの段階で意図せずに希望色に仕上がってしまうことは、なるべく避けたいものですよね。
まとめ
- 実際に目にしている色は記録色
- 人間がイメージする、1番自然に感じる色は記憶色
- 風景写真は記録色と記憶色のどちらでも良い
- 自分好みの色に着色する希望色
写真における色の違い、記録色と記憶色はどちらも風景写真では正解です。
あなた自身がありのままを写真に残したいのか、それとも自分が感動した色をより自然に感じることができる色で写真に残したいかで、記録色と記憶色をつかいけていくと良いでしょう。
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