冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
逆光はなぜ難しい?逆光での上手な風景写真の撮り方とアイディア5選
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
風景写真は天候やその場の地形によって、どうしても逆光で撮影をしなければいけない時がありますが、みなさんは逆光でも上手く写真を撮ることができていますか?
目で見えているように写真に撮ることが難しい、逆光での風景写真の撮影ですが、逆光で失敗写真になる原因と、逆光での上手な撮り方や撮影のアイディア知ることで、魅力的な写真を撮れるようになりますよ。
- 逆光での撮影が難しい理由
- 逆光で撮れる写真の特徴
- 逆光での上手な撮り方とアイディア5選
逆光での撮影が難しい理由
逆光はカメラの正面に太陽がある状態のことで、逆光で写真を撮ると順光やサイド光での撮影に比べて、失敗写真になる確率がとても高くなるのですが、これは次の3つが大きく関係しています。
≫ 太陽の光の向きの種類と特徴はこちら
- 明暗差が大きい
- 色が薄い
- フレアやゴーストが発生する
これら3つは逆光で撮る写真を失敗写真にする原因となりますが、それぞれの特徴を理解することで、逆に魅力のある写真に撮ることが可能になるので、この記事で特徴を理解していきましょう。
明暗差が大きい
逆光では、目の前に広がる景色の後側から太陽の光が差してくるので、太陽がある空はとても明るく、逆に太陽の光が当たらない景色は暗くなってしまうので、空と景色に大きな明暗差ができています。
この明暗差が大きな状態で何も考えずに撮影をすると、景色が真っ暗な写真や空が真っ白な写真ばかりが撮れてしまうので、逆光での撮影は写真の露出(明るさ)を決めるのが難しいのです。
露出で失敗した写真
上の2枚は、夕暮れ時に同じ場所から撮影した写真ですが、左の写真は景色に露出を合わせたために、空が明るくなり過ぎてしまい、右の写真は空に露出を合わせたために景色が暗くなり過ぎています。
実際に私たちの目で見ると、綺麗な夕暮れ空と景色のどちらもちょうど良い明るさで見えているのですが、デジタルカメラは人間の目よりもダイナミックレンジが狭いので、このように一部が明るすぎるか暗すぎる失敗写真になりやすいのです。
明暗差の中間に露出を合わせてもやっぱり微妙…
空と景色の明暗差が大きい逆光での撮影ですが、空と景色の中間の明るさで撮影すれば良いようにも思えますが、この場合は空と景色のどちらも適正な露出で撮影ができないので、結果的に微妙な写真になることが多いです。
色が薄い
逆光で撮影する景色はには、十分な光が当たっていないので、景色に露出を合わせて撮影をしても、本来よりも薄い色でしか写真に撮ることができません。
また光が十分にある空も、強い太陽の光の影響で青空は白っぽく見えるので、写真に撮っても綺麗な青空で撮ることは難しく、逆光での撮影は濃い色で撮影をするのが難しいのです。
逆光と順光での色の違い
上の2枚は、どちらも景色に露出を合わせて撮影した写真ですが、順光で撮影した写真に比べると、逆光で撮影した写真は木々の緑が薄く写っているのがわかります。
また景色に露出を合わせているので、せっかくの青空でしたが、逆光の写真は空が白とびして真っ白になってしまいました。
フレアやゴーストが発生する
太陽に向かって撮影する逆光では、レンズ内で光が反射して発生するフレアやゴーストが、撮影する写真い映り込むことがあります。
特にキットレンズや値段の安いレンズや、風景写真では基本となるF値を絞っての撮影では、フレアやゴーストが発生しやすいので、逆光での撮影では思わぬ写り込みによる失敗写真のリスクがあるのです。
逆光でのゴースト
上の写真のように、逆光での撮影では撮影する写真にゴーストが発生するリスクがあるので、写真をその場で確認して対策をおこなわないと、思わぬ場所にゴーストやフレアが発生して修復ができない場合もあるので注意をしましょう。
逆光で撮れる写真の特徴
綺麗な写真を撮ることが難しい逆光での撮影ですが、逆光で撮れる写真には次の3つの特徴があるので、写真を撮るときに上手く活かしていきましょう。
- 幻想的やドラマティックなイメージになる
- 柔らかな印象になる
- 透明感が出る
逆光での撮影では、カメラに対して正面から向かってくる太陽の光の影響で、撮影する写真が幻想的やドラマティックなイメージに仕上がったり、透明感がある柔らかな印象の写真に仕上がるというメリットがあります。
逆光で撮る写真
上の2枚はどちらも逆光で撮影した写真ですが、左の写真は花びらを透過する太陽の光が写真に透明感を生みだしていて、さらに写真全体が明るくなることで柔らかい印象も生まれています。
また右の写真では、カメラの正面から向かってくる太陽の光が砂埃に反射して、幻想的なイメージの写真に仕上がっています。
逆光での上手な撮り方とアイディア5選
逆光での「幻想的やドラマティックなイメージになる」「柔らかな印象になる」「透明感が出る」といった特徴を活かした、5通りの写真の撮り方や撮影でのアイディアをご紹介します。
景色に露出を合わせたハイキーでの撮影
逆光の中でも太陽の位置が地平線の近くにある、朝焼けや夕焼けの時間帯には、景色に露出を合わせたハイキーで撮影をすることで、オレンジ色や黄金色に染まる淡い太陽の光が映るので、幻想的な写真に撮ることができます。
ゴーストが気になる場合は小さいF値で撮影
朝焼けや夕焼けの時間帯は、太陽自体が構図の中やすぐ近くにくるので、ゴーストの発生が気になる場合には、ゴーストが発生しにくい小さいF値で撮影をすると良いでしょう。
風景写真では、F8-16といった大きなF値で撮影をすることが基本ですが、景色のディテールを撮るわけではないので、多少ピントが甘くても問題にならないはずです。
逆光撮影に強いレンズもある
逆光での撮影でゴーストが発生するリスクは、使用するレンズ自体の性能によっても異なるので、逆光でもパンフォーカスでゴーストのない写真を撮りたい方は、逆光に強いコーティングをされたレンズの購入を検討すると良いでしょう。
ただし、逆光に強いと言われるレンズはどれも高額なの上に、レンズの逆光耐性は実際に使用してみないとわからないことが多いので、まずはレンタルで試すのがオススメです。
空に露出を合わせたローキーでのシルエット撮影
逆光の中でも太陽の位置が地平線の近くにある、朝焼けや夕焼けの時間帯には、空に露出を合わせたローキーで撮影をすると、朝焼けや夕焼けに染まった綺麗な空の色と、シルエットになった被写体が映るドラマティックなイメージの写真に撮ることができます。
形が特徴的な被写体を選ぶのがポイント
ローキーで撮るシルエット写真は、特徴的な形をしている被写体を選ぶことで、被写体の輪郭自体が強調された良いシルエット写真になります。
形に特徴がない被写体をシルエットで撮影しても、何を撮ったのかわからない残念な写真になってしまうので、被写体選びには注意をしましょう。
透過光を活かした透明感のある花や葉っぱの写真
薄い花びらや葉っぱを逆光で撮影すると、花びらや葉っぱを太陽の光が透過してくるので、透明感のある写真に撮ることができます。
露出は被写体に合わせて明るく撮影
逆光での透過光を使った撮影も、写真が暗くなるのを避けるために、被写体である花びらや葉っぱに露出を合わせて撮影をしましょう。
特に花をふんわりとした印象で撮るには、この透過光を使った逆光での撮り方が1番効果的なので、花をよく撮影している方は、ぜひ逆光で撮影をしてみましょう。
ハーフNDで明暗差をなくすドラマティックな写真
明暗差の大きい逆光でも、ハーフNDフィルターを使用することで、明るい空と暗い地面の明暗差を小さくできるので、目で見ている光景に近いけれども、写真で見るとドラマティックなイメージに撮ることができます。
空と景色のどちらも白とびや黒つぶれすることなく、目で見る光景に近い写真を撮るためには、ハーフNDフィルターがとても活躍してくれます。
初めてはフィルターセットがオススメ
ハーフNDフィルターは、レンズ本体への取り付けにアダプターやホルダーといった追加部品必要なので、ハーフNDフィルターの使用に必要な部品がすべて揃った、フィルターセットを購入することで、購入直後からすぐに使用することができます。
基本的に写真はレタッチで仕上げる
ハーフNDフィルターで撮影した写真でも、多少の明暗差は目立ってしまうことがあるので、基本的にはレタッチソフトを使用して、空と景色の明るさを調整して写真を仕上げていきましょう。
ただし、ハーフNDフィルターで既に明暗差を少なくしているので、レタッチでの調整も最小限ですみ、ノイズや色の崩れなどがない綺麗な写真に仕上げることができるのが、ハーフNDを使う1番のメリットです。
人工知能でクリエイティブな写真に仕上げよう
レタッチに自信がない方には、人工知能を使って簡単にプロ級のレタッチができるLuminar Neoの使用がオススメです。
またLumiar Neoには7日間の無料体験版があるので、購入前に人工知能を使ったレタッチを無料で体験することもできます。
購入後30日間の返金保証あり
玉ボケを撮る
森や山の中、ちょっとした木陰では、木漏れ日を逆光で撮影すると、玉ボケのある写真を撮ることができます。
絞りは開放F値か小さいF値で撮影
木漏れ日を玉ボケで撮るには、使用するレンズの開放F値か、なるべく小さいF値で撮影すると、より大きく綺麗な玉ボケに撮ることができます。
広角レンズやF8を超えるような大きなF値では、玉ボケができないこともあるので、使用するレンズとF値選びはには注意しましょう。
まとめ
一般的に難しく失敗写真になりやすい逆光での撮影で、失敗写真になる原因と、逆光での上手な風景写真の撮り方やアイディアをご紹介しました。
ぜひこの記事を参考にして、「露出の決定が難しい」「色が薄い」「ゴーストやフレアが発生する」逆光だからこそ撮れる、印象的な写真を撮影していってください。
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