
デジタルカメラマガジン 2022年4月号[雑誌]
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
最近のデジタルカメラは、撮影の設定をカメラ任せにしても、誰でも簡単に綺麗な写真が撮れるようになっています。
しかしカメラをもっと上手く扱って、より綺麗な写真を撮るためには、カメラで写真を撮るときに欠かせない基本的な要素とその役割を理解する必要があります。
まだデジカメで写真を撮り始めたばかりの方、これからはカメラ任せではなく自分なりの写真を撮りたいという方は、カメラでもっとも大切な3つの要素とその役割を理解しましょう。
写真は光を切り取るモノ、そしてその光をカメラで切り取るために必要不可欠な3つの要素があります。
絞り値(F値)・シャッター速度・ISO感度、この3つの要素のバランスによって、カメラで撮る写真の明るさが変化していきます。
暗い印象の写真を撮るときや、明るい印象の写真を撮るときも、すべてこの3つの要素である「絞り値(F値)」「シャッター速度」「ISO感度」3つのバランスによって撮ることが可能になるのです。
ちなみに、この3つの要素である「絞り値(F値)」「シャッター速度」「ISO感度」で決まる写真の明るさは、カメラ用語では露出と呼ばれています。
オートモード以外のAvモードやMモードを使っての撮影では、この露出を決めるために3つの要素を上手く使いこなしていくことになります。
カメラで写真を撮るときの露出(明るさ)を決める絞り値(F値)・シャッター速度・ISO感度の3つの要素には、それぞれに写真の印象や表現を決めるため、または複雑な撮影環境でも写真を撮るために必要な役割があります。
絞り値(F値)・シャッター速度・ISO感度を使ってできる写真の印象や表現の変化、また複雑な撮影環境での使い方を覚えて、綺麗な写真を撮っていきましょう。
絞り値(F値)には、写真の露出を決める他に写真のボケ感を操る役割があります。
絞り(F値)はカメラ上の画面ではF4やF16など、F〇〇で表示されている数値のことで、このF値の数字を変化させることで、写真の背景をボカしたり逆に写真全体にピントを合わせることが可能になります。
≫ 絞り(F値)の詳しい解説はこちらから
F値での写真のボケ感の変化
F値はF〇〇の中に入る数字が小さいほど背景がボケて、逆に数字が大きいほど背景がボケず全体にピントが合うようになります。
入門機などとセットになっているレンズキットではF4〜F22、高級なレンズではF1.4〜F32など違いはありますが、どのレンズでもそのレンズで使用できるF値の範囲内で写真のボケ感を調整することが可能になります。
ただしF値は、写真のボケ感を作るための要素の1つに過ぎないので、どんなレンズや撮影シーンでもF値を小さくするだけで背景が綺麗にボケるとは限りません。
撮影の参考になる記事
シャッター速度には写真の露出を決める以外に、動く被写体のブレを調整する役割があります。
シャッター速度はカメラの画面上で1/50や0″5などで表示される数値で、この数値を変化させることで高速で飛んでいる鳥をまるで止まっているかのように写したり、逆に車のライトの光をレーザービームのような線状に写すことも可能になります。
≫ シャッター速度の詳しい解説はこちら
シャッター速度での被写体のブレの変化
カメラのシャッター速度は、通常1番速い1/8000秒から1番遅い30秒までの範囲で使い分けることができます。
カメラのシャッター速度は、速ければ速いほど動いている被写体をブレずに撮影でき、逆に遅ければ遅いほど被写体はブレて写るようになるので、撮影シーンによって使い分けることで被写体の持つ魅力や臨場感を写真で表現することが可能になります。
カメラで写真を撮るときのシャッター速度は、写真の手ブレの有無に影響があります。
極端なことを言えば、シャッター速度は速ければ速いほど手ブレをすることなく写真を撮ることが可能ですが、写真の露出(明るさ)との関係でシャッター速度を最速の1/8000秒にできない場合がほとんどです。
そこで手ブレをしないシャッター速度の目安として、次の公式を覚えておくと使用しているレンズに関係なく、その場面で最適な手ブレをしないシャッター速度を知ることができます。
シャッター速度の目安
手ブレをしないシャッター速度 = 1/〇〇(レンズの焦点距離)秒
仮に24mmの広角レンズを使っている場合には、レンズの焦点距離24mmを当てはめた1/24秒以上が、そのレンズを使った撮影で写真の手ブレを防ぐことが可能なシャッター速度になります。
撮影の参考になる記事
カメラのISO感度には、レンズから入ってくる光の量を電子的に増幅させる役割があり、暗い夜空の下で撮影する夜景や星の撮影をするときにとても大事な要素です。
≫ ISO感度の詳しい解説はこちら
ISO感度はISO100やISO6400などISO〇〇で表示され、ISOの後に入る数字が大きいほど暗い中でも明るい写真が撮れるようになります。
通常では撮影するのに数分から数十分という、とても遅いシャッター速度で撮影しないと写真には写らない星のような小さな光も、ISO感度をISO3200やISO6400まで大きくすることで、10秒〜30秒ほどのシャッター速度で撮影することが可能になります。
ISO感度は一般的なカメラでもISO100〜ISO12800、上位機種のカメラではそれ以上のISO感度を使用して撮影が可能ですが、ISO感度が大きくなるほどノイズが出て写真の画質が落ちていきます。
このためISO感度を大きくして撮影する場合には、撮影シーンや撮影環境に応じて、写真の画質が悪くならない範囲で調整しながら使用しましょう。
撮影の参考になる記事
カメラで写真を撮るときの露出(明るさ)を決める3つの要素、絞り値(F値)・シャッター速度・ISO感度と、それぞれの写真の印象や表現を変えるときの役割を解説しました。
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