冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
カスタム撮影モードを使って各シチュエーションに合わせた設定を登録する方法
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
風景写真の撮影をしていると「急に野生動物が目の前に!」、こんなシチュエーションに出くわすことがありませんか?
野生動物はもちろんですが急に珍しい被写体や現象に出くわすと、カメラの設定を変更しているうちにシャッターチャンスを逃してしまったなんて経験は誰もが一度はあるものです。
そんな突然のシャッターチャンスには、素早く適切な撮影設定を呼び出すことが可能な「カスタム撮影モード」を設定して対応していきましょう。
- カスタム撮影モードとは
- カスタム撮影モードに登録するべき設定
- カスタム撮影モードの設定方法と使い方
- 撮影シーン別のオススメ設定
この記事を参考にすることで、カスタム撮影モードの使い方や設定方法、主な撮影シーン別のオススメのカスタム設定を知ることができるので、ぜひ参考にしてカメラの設定をしてみて下さい。
カスタム撮影モードとは
カスタム撮影モードは、カメラ本体で変更可能なほとんどの設定を1つの撮影モードとして登録できる機能です。
一度設定をしておくことでAvモードやMモードなどと同じように、撮影モードダイヤルを「カスタム撮影モード」に合わせるだけで、そこに登録したカメラの設定を呼び出すことが可能になります。
カスタム撮影モードはCanonでの名称
カスタム撮影モードはキャノンのカメラでの名称で、他のメーカーではそれぞれ次の名称で呼ばれているので、Canonユーザー以外の方は使用しているメーカーの名称で機能を確認してみましょう。
- Canon : カスタム撮影モード
- Nikon : ユーザーセッティングモード
- Sony : カスタム撮影設定
- Olympus : カスタムモード
- Fujifilm:C カスタム
カスタム撮影モードに設定できること
Canonのカスタム撮影モードではカメラ本体内で変更可能な全ての設定を、詳細に登録することが可能です。
ちなみに各メーカーで設定可能な範囲は異なるので、上のリストの各名称をクリックで公式ページへ移動できるので、Canonユーザー以外は一度確認してみて下さい。
一般的なカメラ設定であるホワイトバランスやF値、シャッター速度、ISO感度はもちろんですが、次のような項目も細かく登録が可能です。
カスタム撮影モード | |
主な設定項目 | 設定可能な内容 |
AF方式 | 1点AF / 追尾AF / ゾーンAFなど |
AF動作 | ONE SHOT / SERVO |
ピクチャースタイル | 風景 / ポートレート / カスタムなど |
長時間露光のノイズ低減 | ON / OFF |
高感度撮影時のノイズ低減 | 弱め / 標準 / 強め |
撮影モード | Av優先 / M / Bなど |
ボタンカスタマイズ | 親指AF / AEロックなど |
また撮影時の基準となる撮影モードも選べるので、星の撮影用にMモードやレリーズを使ったバルブ撮影用にBモードに対して、自分好みの設定を登録しておくことも可能です。
- 長時間露光の撮影用にBモードに細かな設定を登録
- 星景写真の撮影用にMモードに細かな設定を登録
- 野生動物の撮影用に高速・連写できるように登録
カスタム撮影モードを登録するメリット
- 複雑な設定を毎回する必要がなくなる
- 暗い場所でも簡単に複雑な設定変更が可能
- シャッターチャンスを逃さない
カスタム撮影モードを登録しておくと、撮影モードダイヤルを回すだけで複雑な設定変更を一度に処理することが可能になります。
このため暗い中の撮影になる星景写真や、いつ消えるかわからない野生動物の撮影などでも、すぐに撮影に入ることができるので、シャッターチャンスを逃すことがなくなります。
撮影現場での違い
上の参考イラストのように、カスタム撮影モードに特殊な撮影シーンに必要な設定を登録しておくことで、たとえ全く違う設定で撮影をしている時でもダイヤル1つで一瞬で必要な設定に変更することができるのです。
これなら風景写真の撮影中に急に野生動物を現れても、シャッターチャンスを逃すことがなくなりますよね。
カスタム撮影モードの設定方法と使い方
この記事ではCanonのカスタム撮影モードの登録方法について解説していきます。
Canonユーザー以外の方は各メーカーのホームページから登録方法の確認をしていきましょう。
各メーカーの公式ページリンク
- Canon : カスタム撮影モード
- Nikon : ユーザーセッティングモード
- Sony : カスタム撮影設定
- Olympus : カスタムモード
- Fujifilm:C カスタム
基準となる撮影モード
を選んだ状態で、F値やISO感度、AF方式からノイズ低減設定など撮影に必要な細かな設定をおこないます。
撮影シーン別のオススメ設定
普段は風景写真をメインで撮影している私ですが、たまに写真を撮る次の2つ撮影シーンようにカスタム撮影モードの登録をしてあります。
野生動物の撮影用には、警戒心が強くて行動の予測がつかない動物相手でも瞬時に最適なカメラの設定ができるように、カスタム撮影モードの登録がオススメです。
また星景写真用にも、街灯がなく暗い中でも手探りでも操作が可能な「撮影モードダイヤル」にカスタム撮影モードを登録しておくと、現場に着いてから直ぐに撮影を始めることが可能になりますよ。
野生動物の写真用のカスタム撮影モード設定
Canon EOS R6の場合 | ||
撮影モード | Av優先モード | F値を変えながらピントの合う範囲を調整可能 |
F値 | F5.6 | 動く動物でも全体にピントが合う |
ISO感度 | ISO1600 | シャッター速度を速くできる |
AF方式 | 瞳+追尾優先AF | 動物の顔や瞳にピントを合わせが可能 |
AF動作 | SERVO | 動く被写体にピントを合わせ続ける |
ドライブモード | 高速連続撮影+ | シャッターチャンスを逃さない |
シャッター方式 | 電子シャッター | シャッター音無しで動物を警戒させない |
静止画クロップ | 1.6倍 | 焦点距離を1.6倍にできる |
サーボAF特性 | Case 1 | 汎用性の高い設定でどんな動物にも対応可能 |
実際に撮影した写真
こちらの写真はオーストラリアの広大な景色を撮影中に、突然現れたカンガルー達を撮影したものです。
突然現れたカンガルー達がちょうど良い感覚・サイズ感で並んだ瞬間でしたが、カスタム撮影モードに野生動物の撮影用として設定を登録していたおかげシャッターチャンスを逃すことなく撮影ができました。
星景の写真用のカスタム撮影モード設定
Canon EOS R6の場合 | ||
撮影モード | Mモード | ISO感度とシャッター速度の微調整が可能 |
F値 | 開放F値 | 暗い星あかりを明るく撮影できる |
ISO感度 | ISO6400 | 暗い星あかりを明るく撮影できる |
AF方式 | 1点AF | MFでのピント合わせで星の拡大表示が可能 |
AF動作 | ONE SHOT | ー |
ドライブモード | 1枚撮影 | ー |
長時間露光のノイズ低減 | ON | 長時間露光でのノイズを低減 |
高感度撮影時のノイズ低減 | 標準 | 高感度撮影でのノイズを低減 |
保存形式 | Raw | ソフトを使ったノイズ除去とレタッチ用として |
実際に撮影した写真
この写真は人工的な光がほとんど届かない晩秋の山の中で、キャンプをしながら撮影した星景写真です。
晩秋ということもあり夜の山の気温は5℃前後と寒い中でしたが、カスタム撮影モードに星景写真に必要な設定を登録していたので、暗い中でも素早く安全に撮影を開始することができました。
まとめ
- カスタム撮影モードはキャノンでの名称
- カスタム撮影モードにはカメラ内ほとんどの設定が登録可能
- カスタム撮影モードを登録するとシャッターチャンスを逃さなくなる
最初の設定には手間がかかりますが、一度カスタム撮影モードを設定すれば撮影のたびに面倒な細かな設定をすることなく、複数の設定変更を一括で簡単におこなうことが可能になります。
普段の写真撮影で急な設定変更が必要な場合や、星景写真などMモードで細かな設定が必要なシチュエーション用にカスタム撮影モードを登録しておきましょう。
シャッターチャンスを逃すことがなくなり、撮影もスムーズにおこなうことができるようになりますよ。
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