冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
レタッチでは補正不可能!撮影現場で確認しておくべき4つのこと
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
デジタル一眼カメラで撮影を終えて、撮れ高に満足していたはずが、家に帰って写真を見直したら失敗写真だったなんて経験はありませんか?
こういった経験に悩んでいる方は、写真を撮影している現場でしっかりと写真のチェックをすると、良く撮れたと思っていた写真が、実は失敗写真で後悔することがなくなりますよ。
- 撮影現場で必ず確認すべき4つのこと
- レタッチで補正が可能なこと
この記事では、写真を撮ったその場で確認すべき、補正不可能なことと、後からでも補正が可能なことをそれぞれご紹介していきます。
撮影現場で必ず確認すべき4つのこと
カメラで撮る写真には、写真を撮った後からレタッチで補正が可能なことと、レタッチでも補正が不可能なことがあります。
レタッチでも補正不可能な次の4つのことは、必ず撮影している現場で確認する癖を付けるようにしましょう。
- ピント位置
- 被写界深度
- 手ブレ・被写体ブレ
- 白とび・黒つぶれ
ファインダーを覗いて撮影している間、これら4つのことを意識して撮影しているはずでも、カメラの小さなファインダーやモニター画面では、細かな部分まで確認することはできません。
撮影が完了したら、その場でモニター画面を拡大するなどして、上の4つにミスがないかを確認することが必要です。
ピント位置
写真においてピント位置はとても重要で、写真を見る人に見てもらいたい被写体にピントが合っていない写真は失敗写真となります。
上の写真は、主題としている1番手前の花びらではなく、奥の花びらにピントが合って今sっているため、写真がボケているような印象があります。
主題にピントが合っているかが重要
マクロレンズでの撮影や主題となる被写体を大きくとる場合には、ピント位置のズレが生じやすく、写真全体がボケた印象になったり、主題がハッキリとしないどこを見れば良いかわからない写真になってしまします。
撮影後にはモニターを拡大表示しながら、ピント位置の確認を必ずおこなうようにしましょう。
どうしても狙った被写体にピントが合わない場合は、撮影する被写体が静態か動態かによってAFモードの設定を確認してみましょう。
≫ AFモードの正しい設定方法はこちら
被写界深度
写真の被写界深度は、写真の印象作りにとても重要で、全体にピントが合っているか、わざと前景や後景をボカしているかで、写真の印象は変わってきます。
上の写真は、全体にピントを合わせるパンフォーカスで撮影をするはずでしたが、被写界深度が浅く手前にはピントが合っていませんでした。
被写界深度はボケの有無に関係する
被写界深度は、写真のボケの有無に関係するので、意図して全体にピントを合わせるのか、意図してボケを作って撮影をするのかによって、F値を調整しながら撮影をして、撮影後には必ずボケの有無を確認するようにしましょう。
≫ 被写界深度とボケの関係はこちら
特に前後にボケのある写真を、レタッチで全体にピントの合っている写真に補正することは不可能なで、パンフォーカスでの撮影には注意が必要です。
手ブレ・被写体ブレ
意図しない手ブレや被写体ブレがある写真は、完全な失敗写真となります。
上の写真は、三脚を使用した長時間露光での撮影でしたが、レンズの手ブレ補正機能をOFFにしていなかった為、逆に写真にブレが生じた失敗写真になってしましました。
この他にも、三脚を正しく設置できていない場合にも、撮影中に少しずつ三脚を動いて写真がブレてしまうことがあるので、三脚は正しく使用するようにしていきましょう。
≫ 見直すべき三脚の正しい使い方はこちら
手ブレと被写体ブレでできる対策が異なる
手ブレや被写体ブレの有無は、カメラのシャッターを押して撮影が完了するまでわからないので、撮影後には必ずカメラのモニターを拡大しながら確認をしましょう。
また手ブレと被写体ブレでは、できる対策に違いがあるので、起きているのが手ブレ被写体ブレのどちらかを判断して、正しく対策していきましょう。
≫ 手ブレ・被写体ブレの違いと対策方法はこちら
白とび・黒つぶれ
写真の白とびや黒つぶれをしている場所は、Rawファイルを使ったレタッチでも補正をすることが不可能にな理ます。
最近のデジタル一眼カメラは、性能が良くなっているので、完全な失敗写真となるような白とびや黒つぶれが起きるようなことはありませんが、逆光での撮影や夜景の撮影をする際には、カメラのハイライト警告表示
を使ったり、ヒストグラム
を使って確認をするようにしましょう。
ハイキー・ローキーと白とび・黒つぶれは違う
写真の表現の1つとして、意図的に写真を明るく撮ったり、逆に暗く撮る方法にハイキーとローキーがありますが、どちらも白とびや黒つぶれを起こすまで写真の明るさを調整するものではないので、撮影の際には注意が必要です。
≫ハイキーとローキー写真の撮り方はこちら
レタッチで補正が可能なこと
写真を撮ってその場を離れてしまってからでも、次の4つのことはレタッチで補正が可能なので、写真を見返して失敗箇所を見つけてもレタッチで思い通りに仕上げることができるかも知れません。
- 写真の明るさ
- 写真の色
- 写真の傾き
- 写真内の不要な被写体
上の4つは、AdobeのLightroomを使って誰でも補正をすることが可能です。
写真の明るさ
上の写真は、撮影の段階では暗く撮れてしまった写真を、Lightroomを使ったレタッチで露光量を上げて希望通りの明るさに調整した写真の比較です。
写真の明るさは基本的にレタッチの3つの機能を使って、思い通りの明るさに調整することが可能です。
- 露光量 → 写真全体の明るさを調整
- ハイライト → 写真の暗いところだけを調整
- シャドウ → 写真の明るいところだけを調整
写真の色
上の写真は、ホワイトバランスを自動で撮影した写真と、レタッチでホワイトバランスを日陰に変更した写真の比較です。
写真をRawで保存している場合とjpegで保存している場合で、使用できる機能に違いはありますが、次の2〜3つの機能を使って、色のレタッチをすることが可能です。
- ホワイトバランス(WB)※Rawファイルのみ使用可能
- 色温度
- 色かぶり補正
ホワイトバランス(WB)は、色温度と色かぶり補正を組み合わせた調整でできる、ある特定の色をテンプレート化したものなので、色温度と色かぶり補正だけでもホワイバランスの変更と同じ色を作ることは可能です。
≫ ホワイトバランスの詳細はこちら
写真の傾き
上の写真は、水平線が取れていない写真を、角度調整機能を使って水平の取れた状態に補正した写真の比較です。
この他にも、縦横比を変更することで、スクエア(正方形)の写真や横長のパノラマ写真風に切り取ることも可能となっています。
写真内の不要なオブジェクト
構図の中に飛び込んできた鳥や人、カメラセンサーのゴミの写り込みなどは、スポット修正機能を使うことで、写真の中から削除することが可能です。
ただしスポット修正機能は、写真の一部から素材をコピーして貼り付ける作業になるので、削除したいオブジェクトの大きさや、背景によっては綺麗に仕上がらない可能性もあるので、なるべく撮影中に無駄な写り込みがないように注意をしましょう。
≫ Lightroomでの映り込みに消し方はこちら
まとめ
カメラで撮る写真は、日にちを変えると同じ写真を撮ることがほぼ不可能です。
せっかく訪れた綺麗な場所や景色で、失敗や後悔のない写真を撮るためにも、撮影した写真の「ピント位置」「被写界深度」「手ブレ・被写体ブレ」「白とび・黒つぶれ」の4つを、必ず確認する癖をつけるようにしておきましょう。
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