冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
日の出の時間に合わせてはダメ!綺麗な朝焼けを撮るためのコツとカメラの設定
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
夕焼けと同じように綺麗なオレンジ色やピンク色に空が染まる朝焼けは、風景写真の中でも人気の被写体の1つです。
綺麗な朝焼けの作例
しかし時間と共に色や明るさがどんどん変化してしまう朝焼けは、シャッターチャンスを逃すと綺麗に撮ることができなくなります。
そんな朝焼けを綺麗に撮るためのコツとカメラの設定を、私が実際に撮影した写真を使って分かりやすくご紹介していきます。
- 朝焼けは日の出前が1番綺麗
- 入門機でも朝焼けを綺麗に撮るための設定
- もっと朝焼けを綺麗に撮るためには
朝焼けは日の出前が1番綺麗
綺麗な朝焼けが撮れるのは、日の出の30分前から直前までです。
空気中のゴミやチリに太陽光が反射して綺麗なオレンジ色をつくる夕焼けと違い、空気の澄んでいる朝焼けは太陽が登った後は綺麗な色に染まることがほとんどありません。
時間帯による空模様の違い
上の2枚は「日の出の20分前」と「日の出の5分後」それぞれで撮影をした写真の比較です。
「日の出の20分前」の写真では空に綺麗な濃い色のグラデーションがありますが、「日の出の5分後」の後の写真では強い太陽光のせいで全体的に色の薄いグラデーションになっているのが分かります。
- 日の出前 → 朝焼けの色が濃い
- 日の出後 → 朝焼けの色が薄い
日の出の1時間前に現場に着くように
色の濃い綺麗な朝焼けを撮影するためには、日の出の時刻の1時間前には撮影現場に到着しましょう。
日の出の時刻よりも早く撮影現場に入ることで、時間に余裕を持って構図やカメラの設定を決める準備ができるようになります。
撮影までのイメージ
日の出の1時間前には撮影現場に到着をして、撮影場所の確保や構図・カメラの設定を済ませて、日の出の30分前頃から撮影を開始するのが理想的です。
撮る方向で違う朝焼けの色
朝焼けは空全体が同じ色に染まるわけではなく、地平線付近はカメラを向ける方向によって撮れる色が変わります。
地平線や水平線付近の空は太陽に近いほどオレンジ色で、逆に太陽から離れるほどピンク色に変化する傾向があります。
朝焼けの写真だからといって太陽のある方向ばかりを撮影するのではなく、さまざまな方向にカメラを向けながら撮影すると色とりどりな朝焼けの写真を撮ることが可能になりますよ。
朝焼けの色の違い
上の2枚はどちらも同じ日の同じ時間帯に撮影をした朝焼け写真ですが、カメラを向ける方向が違うだけで全く違う色の朝焼けを撮ることができています。
空気が澄んでいる日は、夕焼けも同じように太陽との位置関係で空の色が変化します。
近くに高い建物や山が無い場所がベスト
朝焼けで1番綺麗なのは濃い「オレンジ色」や「ピンク色」に染まっている地平線や水平線付近です。
撮影地には近くに高い建物や山がなく地平線や水平線付近が見える場所、または遠くまで見渡すことが可能な場所を選ぶようにしましょう。
オススメの場所 | オススメしない場所 |
海 / 平原 / 高台 / 展望台 /山頂など | 山の麓 / 森林の中 / 住宅街など |
標高が高い場所でもダメな場合がある
ここで注意したいのは、山に登れば必ず綺麗な朝焼けを撮れるというわけではない事です。
あくまでも高い場所ではなくで高台や山頂などの遠くまで見渡すことが可能な場所を選ぶことが大切で、山の中の湖などでは目の前に山頂や他の山が見えることがあるので、朝焼けの撮影場所には適していません。
撮影地での違い
上の2枚を見比べてわかるようにどんなに標高が高い場所に登って撮影をしても、目の前に高い山があれば綺麗な朝焼けに染まる地平線付近を撮影することはできません。
逆にちょっとした高台でも遠くまで見渡すことができれば、その先に山があったとしても地平線付近の綺麗な朝焼けを一緒に撮ることができるのです。
朝焼けを撮る時の設定とオススメのレンズ
朝焼けを撮影するための前準備(時間帯・場所決めなど)が理解できれば、あとは朝焼けを撮るためのカメラの設定と最適なレンズ選びをおこなって撮影にのぞみましょう。
朝焼けの写真には望遠レンズがオススメ
朝焼けの撮影には綺麗な色に染まっている地平線や、水平線付近だけを切り取ることができる望遠レンズがオススメです。
普段から広角レンズの特徴を活かした綺麗な写真を撮り慣れているという方は別ですが、広角レンズを使った撮影は構図作りがとても難しく、無駄に広い空や空間が構図の中に入り込むリスクがあります。
画角による朝焼け写真の違い
上の2枚はどちらも同じ日の同じ時間帯に撮影した写真ですが、望遠レンズで撮影をした写真の方が綺麗なオレンジ色に染まった朝焼けが強調されています。
広角レンズで撮影した写真の方は青黒い夜明け前の空までのグラデーションが撮れていますが、無駄に空と地面付近の余白が大きく少し残念な写真に仕上がっています。
朝焼けの撮影に適したカメラの設定
朝焼けの写真を綺麗に撮影するのにはプロ機や入門機に関係なく、次のような設定を基準にしておくと良いでしょう。
もちろんその日の天候や明るさの変化に合わせて、設定の微調整が必要な箇所もあるので、まずは表の通りの範囲で撮影をしながら微調整をしていきましょう。
撮影モード | 絞り優先 [ A / Av ] |
絞り [F値] | F8-16 |
ISO感度 | ISO 800-1600 |
シャッター速度 | 絞りとISO感度で、手ブレしない速度を作る |
WB [ホワイトバランス] | 太陽光 |
AF 方式 | 一点AF |
測光モード | 評価測光 |
ピクチャースタイル※ | カスタム |
撮影モードには写真の解像度とピントの合う範囲を調整しやすいAvモード(絞り優先)を使用し、もっとも解像度が高くて全体にピントが合う、F8~16の間で設定をするのが風景写真の基本です。
設定のポイントはピクチャースタイル
朝焼けの写真の中でもオレンジ色の空を撮る場合は、逆光での撮影になるので明るい空と暗い山や森、地面の明暗差を少なくする必要があります。
この明暗差を少なくするために、ピクチャースタイルの「コントラスト」と「色の濃さ」を調整しましょう。
逆光の場合のピクチャースタイル設定
- シャープネス → 5
- コントラスト → −4
- 色の濃さ → +3
- 色合い → ±0
「コントラスト」を下げると写真の明暗差を少なくできますが、その反面で色(彩度)が薄くなるので、「色の濃さ」を上げて薄くなってしまった色(彩度)のを元の濃さまで戻してあげるのです。
ピクチャースタイルはキャノンでの名称
ちなみに「ピクチャースタイル」はキャノンでの名称なので、他のメーカーのカメラを使用している方は、同じようにカメラ内での簡易的な編集ができる機能を使用して下さい。
- キャノン → ピクチャースタイル
- ニコン → ピクチャーコントロール
- ソニー → クリエイティブスタイル
- オリンパス → 仕上がりモード
順光での撮影はピクチャースタイルの「風景」で問題ない
順光での撮影では写真内の明暗差が少ないので、ピクチャースタイルにデフォルトで設定されている「風景」で綺麗に撮ることができます。
サイド光の場合には撮れる写真を確認しながら、必要に応じて明暗差が少なくなるようにピクチャースタイルで「コントラスト」と「色の濃さ」を調整してあげましょう。
もっと朝焼けを綺麗に撮るためには
さらに朝焼けを綺麗に撮りたいという方は、次の2つを用意して撮影にのぞみましょう。
三脚を使って低いISO感度で撮影
朝焼けを高画質で撮るためには手ブレの心配がなくなる三脚を使って、低いISO感度で撮影する必要があります。
朝焼けが撮れる時間帯はまだ太陽の光が十分でなく、手持ちでの撮影では手ブレが起きないようにISO感度を上げる必要があります。
しかしISO感度は高く上げるほどノイズが出て写真の画質が劣化してしまうので、高画質で写真を撮りたい場合には三脚を使うようにしましょう。
三脚の使用で薄暗い中の撮影でも手ブレの心配なく低ISO感度で撮影が可能
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明暗差を少なくするためにハーフNDフィルターを使う
ハーフNDフィルターを使うとピクチャースタイルのコントラストを調整するよりも、さらに綺麗に写真の明暗差を少なくすることができます。
またハーフNDフィルターで明暗差を少なくすることができれば、コントラストを下げる必要がなくなり、霞の中の景色の濃淡を綺麗に出すことが可能になります。
逆光での撮影には必須のアイテム
私が愛用しているStandard setには、NDフィルターのND64とND1000に加えてCPLフィルターも付属しているので、逆光での撮影以外にも滝や波打ち際の撮影から、日中の長時間露光撮影もおこなうことができるようになります。
まとめ
- 朝焼けが綺麗なのは日の出の30分前〜直前まで
- 日の出の1時間前には撮影現場につくように
- 撮影場所は遠くまで見渡せる場所を選ぶ
- 朝焼けの撮影には望遠レンズがオススメ
- ピクチャースタイルで明暗差を少なくする
夕焼けと同じように空が綺麗に染まる朝焼けですが、綺麗な瞬間は夕焼けの時とは少し違います。
どの時間帯のどの方向で綺麗な朝焼けの写真が撮れるのかを、しっかりと理解して時間に余裕を持って撮影していきましょう。
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