
デジタルカメラマガジン 2022年4月号[雑誌]
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
みなさんはデジタル一眼カメラでの撮影に、レンズフィルターを使用してしますか?
カメラのレンズフィルターは種類が多く、カメラを始めたばかりの人に限らず、これまでレンズフィルターを使用したことがないかにとっては、どのシチュエーションで何のフィルターを使えば良いかわからないという方、レンズフィルターを使うメリットがわからない方も多いかと思います。
この記事では、デジタル一眼カメラでの撮影に役立つレンズフィルター6種類と、各レンズフィルターの効果や使い所を紹介していくので、今後レンズフィルターを購入するときの参考にしてみると良いでしょう。
デジタル一眼カメラのレンズに装着することができるレンズフィルターは、数えきれないほど多くのフィルターが存在していますが、それらレンズフィルターがもたらす効果によって、大きく6つの種類に分かれています。
デジタル一眼カメラで使用できるレンズフィルターには、それぞれに違かった効果がありますが、全てのレンズフィルターに共通して言えることは、「撮影の手助けになる」ということです。
レンズ自体を保護してくれるレンズフィルターも、写真の雰囲気を変えることができるレンズフィルターも、それぞれのシーンで撮影の手助けをしてくれるので、結果的に写真を撮る技術が向上することにつながっていきますよ。
保護フィルターは、その名の通りレンズのガラス面(前玉)を保護するためのフィルターで、レンズのガラス面に手の脂や空気中のチリ、水滴などがつかないようにする他、ガラス面に傷が付くのを防ぐ役割があります。
デジタル一眼カメラにおいて、レンズは資産とも呼べるほど重要なパーツの1つなので、そのレンズの機能を左右するガラス面を汚れや傷から保護することができるのが、保護フィルターの最大の効果となります。
カメラ歴が長い人は付けないことが多い
レンズを保護できる保護フィルターですが、「レンズの性能を低下させる」「他のレンズフィルターの装着の邪魔になる」という2つの理由で、カメラ歴が長い人の中には、使用していない方も多いのが現実です。
保護フィルターがオススメな人
サイズ(mm)は使用するレンズと同じものを選びましょう
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PLフィルターは光の反射をコントロールして、被写体本来の色を出したり、水面やガラス面などの映り込みを取り除くことができるレンズフィルターです。
太陽光や強い光源の近くで撮影する場合、被写体の表面では光の反射が発生して、全体的に白っぽく色が薄くなりがちですが、PLフイルターで光の反射をコントロールすることで、被写体が本来持つ色を写真に撮ることが可能になります。
風景写真には欠かせないレンズフィルター
常に太陽光の下で撮影をする必要がある風景写真では、太陽の光の強さを調整することはできないので、景色の綺麗な色を写真に撮るには、PLフィルターを使って光の反射をコントロールする必要が不可欠です。
また水面への写り込みを消したり、逆にハッキリとさせることもできるので、風景写真を撮る人は、ぜひ購入を検討してみましょう。
PLフィルターがオススメな人
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NDフィルターは、レンズを通ってカメラのセンサーに当たる光の量を減少させて、通常よりもシャッター速度を遅くして撮影することができるレンズフィルターです。
通常よりもシャッター速度を遅くして撮影することができるNDフィルターは、滝や渓流などの水の流れを、白糸のように滑らかに撮ることや、シャッター速度1分以上という、人間の目では見ることができない世界を写真に撮ることも可能になります。
また白とびして綺麗に撮ることが難しい花火の写真も、NDフィルターを使うことで適度な明るさで綺麗に撮影することができるようになるので、風景写真の撮影以外でも効果が期待できるレンズフィルターです。
NDフィルターは減光量によっていくつかの種類がある
一言にNDフィルターといっても、減少できる光の量はNDフィルターの種類によって異なるので、自分が撮影したい景色やシーンによって、購入するNDフィルターを選ぶ必要があります。
NDフィルターは、目の前の景色を人の目では見ることができない形で表現することができるので、カメラでの撮影に慣れてきた方が、これまでとは違う表現の写真を撮りたい場合にとてもオススメです。
NDフィルターがオススメな人
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NDフィルターには、減光する部分が半分しかない「ハーフNDフィルター」という種類が存在します。
このハーフNDフィルターは、朝焼けや夕焼けなどの逆光で明暗差が大きなシーンで、綺麗に染まった明るい空と暗くなりがちな地面の両方を綺麗に撮ることができる効果があるので、風景写真を撮っている上級者の方の中には、使用している方も多くいます。
ハーフNDフィルターの使用例
上の写真のように、通常は綺麗な空の明るさに合わせると暗くなってしまう地面も、ハーフNDフィルターの効果で、空と地面の明るさを均等にすることも可能になるのです。
ハーフNDフィルターがオススメな人
必要な部品が全て揃ったフィルターセットがオススメ
ソフトフィルターは、光を滲ませることで被写体の輪郭を適度にボカして、写真にふんわりと柔らかな印象を与える効果があるレンズフィルターです。
ソフトフィルターは、強い光を受ける場所ほど光が大きくにじむので、暗い中にあるイルミネーションや星空といった点光源の光を大きくにじませて撮ることも可能になるので、1つ持っているだけでさまざまな用途に使用ができるメリットもあります。
種類によってにじみの効果が変わる
ソフトフィルターは、光をにじませることができる量ごとにいくつかの種類に分かれていて、にじみが大きな種類ほど被写体の輪郭がボケるので、星と景色を一緒に撮りたい方は、にじみの効果が弱い種類を選ぶのがオススメです。
ソフトフィルターがオススメな人
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ブラックミストフィルターはソフトフィルターの一種で、黒い拡散材を使用することで、ソフトフィルターと同じ写真をふんわり柔らかな印象に加えて、映画のような雰囲気を写真に与える効果があるレンズフィルターです。
ブラックミストフィルターの使用例
これまでは、LightroomやPhotoshopを使ったレタッチでしか作り上げることができなかった、シネマティックな雰囲気を簡単に作り出せるのが、ブラックミストフィルターの大きな魅力です。
ブラックミストフィルターがオススメな人
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クロスフィルターは、夜景やイルミネーションの光をクロス型(十字型)に変形する効果があるレンズフィルターで、寂しくなりがちなイルミネーションの写真を華やかにするために使用されることが多いです。
逆光で撮る木漏れ日にも使用可能
クロスフィルターは、ライトのような点光源に効果があるので、夜景やイルミネーションの写真以外にも、逆光で撮る木漏れ日をクロス型に変形させて撮影することも可能です。
クロスフィルターがオススメな人
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光害カットフィルターは、星や夜空を撮影するときに不要な、街明かりなどの光(光害)をカットして、純粋な星や夜空の色を撮影することができるレンズフィルターです。
特に星雲や星団、彗星を撮影する方には、それぞれの純粋な色で撮影するために必須とも呼べるレンズフィルターなので、本気で星雲や星団、彗星を撮影したいという方は、購入を検討すると良いでしょう。
光害カットフィルターの使用例
星空の写真は、レタッチでの色合わせがとても大変で、時には光害によって正しい色が出ない場合もありますが、光害カットフィルターを使うことで、確実に光害の色の影響を受けない綺麗な星空の写真を撮ることができるのが大きな魅了です。
光害カットフィルターがオススメな人
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カメラのレンズに取り付けて使用できる、6種類のレンズフィルターの効果と、使用をオススメする方の特徴をご紹介しました。
レタッチソフトの技術向上によって、そのの効果をレタッチで再現可能なレンズフィルターの種類もありますが、レンズフィルターを使用することで、撮影現場で確実にそれぞれの効果のある写真を撮ることができる安心感があるのは確かです。
風景写真を中心に撮影している方は、レタッチではその効果を再現できない、「PLフィルター」と「NDフィルター」の2種類は揃えておくことをオススメします。
自分が撮影しているジャンルや、これからチャレンジしたい表現法によって、必要なレンズフィルターの効果を活かした写真を撮影していきましょう。
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