冬にしか撮れない、雪景色のカメラでの綺麗な撮り方を学びましょう!
美しい山岳風景を一眼カメラで!登山撮影の魅力とオススメの機材
こんにちは、カナダ在住の風景写真家Tomo(@Tomo|カナダの風景写真)です。
2020年のコロナ以降のアウトドアブームで、ハイキングや登山に出掛けるようになった人も多いかと思います。
そんな登山の道中や山頂では、普段は決して見ることができない、とても美しい風景が広がっているので、デジタル一眼カメラで写真に撮りたいと考えている人も多いのではないでしょうか?
登山写真の作例
登山をしながら写真を撮るにはどんなカメラがオススメなの?
登山しながら写真を撮るのに揃えておくべき機材はある?
登山しながら写真を撮るが怖いけど、どうしたら安全に撮影ができるの?
私自身も登山しながら写真を撮り始めた頃は、機材選びや安全面の確保など、分からないことが多かったです。
しかし登山と撮影を繰り返しながら経験を積むことで、今では数多くの山に登りながら、今までに見たこともないような景色を写真に撮ることができています。
- 登山でオススメの一眼カメラ
- 登山での撮影に便利なアイテム
- 登山での風景写真の撮影テクニック
- 登山撮影での注意点
この記事では、私が実際に登山をしながら撮影をしてきた経験をもとに、カメラ機材の選び方から、撮影のコツや注意点まで、登山中に見ることができる美しい景色を、上手に撮影するためのアイデアなどを分かりやすくご紹介していきます。
登山での一眼カメラの選び方
- 登山にはミラーレス一眼がオススメ
- 登山での撮影に便利なカメラの機能
- 登山にはズームレンズがオススメ
登山での写真撮影は、通常の風景写真の撮影とは環境が異なるので、これから新しく一眼カメラを購入するという人は、登山での使用に最適な機種を選ぶようにしましょう。
すでに一眼カメラを持っているという人は、まずはお手持ちのカメラで撮影をしてみて、必要に応じて新しいデジタル一眼カメラの購入を検討すると良いでしょう。
登山にはミラーレス一眼がオススメ
登山での写真撮影は、山を上り下りしながらになるので、一眼レフよりも軽量なミラーレス一眼カメラがオススメです。
ミラーレス一眼の場合は、カメラ本体だけでなく、撮影に必要なレンズも一眼レフカメラのものよりも軽量なので、総合的に荷物の軽量化をすることができるのです。
登山での撮影に便利なカメラの特徴
- 物理ダイヤルが多い
- 防塵・防滴が備わっている
- 堅牢性が高い
登山での風景写真の撮影では、標高が高い場所に行くほど、冬でなくても気温が低いことが多いので、手袋をしていてもカメラの操作ができるように、物理ボタンやダイヤルが多いカメラが最適です。
また山の天候は変わりやすく、登山中に岩場なども多いので、防塵・防滴が備わっていて、堅牢性も高いカメラの方が、機材トラブルのリスクが少ないです。
登山にはズームレンズがオススメ
登山での写真撮影は、登山コースから外れての撮影ができなかったり、物理的に近づく事ができない景色が多いので、画角や構図を変更しやすいズームレンズがオススメです。
さらには、1本で広角から望遠までを撮影できる、高倍率ズームレンズがあると、荷物が軽くなり、撮影中にレンズの付け替えの必要もないので便利です。
でも単焦点レンズの方が高画質に撮れるんでしょ?
確かに単焦点レンズの方が高画質ですが、焦点距離が固定されているので、最適な画角や構図で撮れないリスクがあります。写真では画質よりも何を撮ったかが重要です!
登山にオススメのミラーレス一眼カメラ
オススメ度 | レンズの焦点距離 [35mm換算時] | 特徴 | 本体の重さ | |
---|---|---|---|---|
Sony α6400 [高倍率ズームキット] | [27mm-202.5mm] | 18-135mm物理ボタンが多い 防塵・防滴設計 | 403g | |
Canon EOS R10 [高倍率ズームキット] | [28.8-240mm] | 18-150mm物理ボタンが多い 防塵・防滴設計 | 429g | |
Nikon Z50 [ダブルズームキット] | [24-75mm] 50-250mm [75-375mm] | 16-50m物理ボタンが多い 防塵・防滴設計 | 450g |
登山用に、デジタル一眼カメラを揃えたい人には、軽量・コンパクトでありながらも、防塵と防滴設計がある、APS-Cサイズのミラーレス一眼カメラをオススメします。
各カメラメーカーでのオススメをピックアップしているので、好みに合わせて購入を検討するのも良いでしょう。
Sony α6400 [高倍率ズームキット]
- 防塵・防滴
- ボディ重量403gの超軽量
- 画面の約84%をカバーするAFエリア
- パノラマやオートHDR機能が付属
登山でも持ち歩きがしやすい超軽量なボデイのα6400と、広角から望遠までを1本で撮影できる高倍率ズームのセットです。
α6400には登山での撮影に便利な、広大な景色をパノラマで撮影できる機能や、明暗差が大きい逆光などでも、人間の目で見る明るさに近い印象で撮影ができる、オートHDR機能が付いています。
Canon EOS R10 [高倍率ズームキット]
- 防塵・防滴
- 重量429gのEOS Rシステムでの最軽量ボディ
- 気温0-40°まで使用可能なボディ
- パノラマやHDR撮影機能が付属
登山でも持ち歩きがしやすい、キャノンの現行モデルで最軽量ボディのEOS R10と、広角から望遠までを1本で撮影できる高倍率ズームのセットです。
EOS R10には登山での撮影に便利な、パノラマやHDR撮影の機能が付いている他に、シャッターボタンを押す0.5秒前からプリ撮影が可能な機能もあるので、野生動物の撮影にも強いカメラとなっています。
Nikon Z 50 [ダブルズームキット]
- 防塵・防滴
- 堅牢性の高いマグネシウムボディ
- 画面の約90%をカバーするAFエリア
- HDR撮影機能が付属
堅牢性と防塵防滴性に優れている軽量ボディのZ50と、広角から中望遠までと、中望遠から超望遠までを撮れるズームレンズが2本ついているセットです。
APS-Cサイズのセンサーカメラですが、過酷な環境でも撮影ができるカメラボディで、最大−4EVの暗所でもAFが効くので、薄暗い森の中での撮影でも活躍するカメラです。
登山でのカメラ撮影に便利な付属品
- カメラバック
- 予備バッテリー
- PLフィルター
- NDフィルター+三脚
登山での写真撮影では、軽量コンパクトなデジタル一眼カメラとレンズの他にも、カメラバックや予備バッテリーがあると、撮影を安心しておこなえます。
またレンズフィルター類があると、登山中に見る景色を、より綺麗に写真に撮ることが可能になります。
登山用カメラバッグの選び方
- 初級者用登山コース ⇨ 肩掛けやウエストポーチ型
- 中級者用登山コース ⇨ バックパック型
- 上級者用登山コース ⇨ バックパックへの外付け型
登山での写真撮影では、最低限カメラストラップがあると便利ですが、さらに安全にカメラを持ち運びたい方は、カメラバックの購入を検討しましょう。
私がこれまでに、登山をしながら撮影をしてきた経験からすると、登山をするコースのレベルに合わせてカメラバックを選ぶと、予算を抑えつつ撮影がしやすいカメラバックを揃えられます。
肩掛け型のカメラバック
- 体の正面にカメラを保持可能
- 取り出しやすい
- 軽量・コンパクト
- ミラーレス一眼セットと交換レンズ1本が収納可能
登山道が整備されていて、道幅も広めな初心者用の登山コースには、カメラを体の正面で保持できて、いつでも取り出して撮影がしやすい肩掛けか、ウエストポーチ型のカメラバックがオススメです。
ミラーレス一眼と、ペットボトル1本くらいが収納できるサイズだと、撮影以外でも安心して登山を楽しめるでしょう。
予備バッテリー
登山をしながらの撮影では、撮影時間が長期化したり、気温低下が原因で、フル充電をしていてもバッテリー切れになるリスクがあります。
日帰りの登山でも、最低1つ予備のバッテリーがあると、最高の瞬間にバッテリー切れで写真が撮れないという事もなくなります。
予備バッテリーは高くても純正がオススメ
予備バッテリーには、各メーカーの純正バッテリーと、そうでない互換バッテリーがありますが、純正品以外を使うと、最悪カメラ本体が故障するリスクがあるので、高くても純正品を購入するようにしましょう。
安い互換バッテリーのリスク
- バッテリーの持ちが悪い
- 急にバッテリーが使えなくる事例多発
- 最悪カメラ本体が故障した事例あり
PLフィルター
風景写真の撮影では、必須とも言えるPLフィルターは、登山をしながらの撮影でも風景の色彩を綺麗に撮るのに役立ちます。
特に新緑の季節や紅葉の季節には、PLフィルターで光の反射を除去することで、森林の緑色や紅葉の色を鮮やかに写真に撮る事ができます。
NDフィルター+三脚
少し上級者向けになりますが、NDフィルターと三脚があると、遅いシャッター速度で、わざと水や雲の流れをブラして写真に撮る事ができます。
登山中には滝や渓流があったり、天候によっては山頂付近から雲海を見ることもできるので、そういった景色を撮影したい方は、NDフィルターと三脚の購入も検討してみると良いでしょう。
登山での風景写真撮影のテクニック
- 山岳の美しさを引き立たせる構図のポイント
- 天候や光の変化に対応する撮影方法
- フィルター類を使った撮影方法
登山をした先で見る事ができる、素敵な山の景色を、より綺麗で印象的な写真に撮るための、テクニックやアイディアをご紹介していきます。
カナダでの風景ばかりですが、これまでに私が撮影した写真を作例として使うので、ぜひ登山撮影での参考にしてみて下さい。
山岳の美しさを引き立たせる構図のポイント
- 前景と後景で奥行き感を持たせる
- 山の稜線をリーディングラインとして使う
- 足元や遠景などの特徴的な被写体や景色を切り取る
登山の目的は山頂に行くことですが、登山をしながらの撮影では、山頂に着くまでの間にも、たくさんの撮影スポットがあるので、これらのポイントを意識して写真を撮ってみましょう。
前景と後景で奥行き感を持たせる
登山をしながらの撮影では、高いところから見る広大な景色を、広角レンズでそのまま撮影するのではなく、構図の中に前景と後景を入れて写真に奥行き感を持たせましょう。
自分の立っている位置がわかるように、足元の景色を前景にしたり、近くの草花を前景にするのがオススメです。
山の稜線をリーディングラインとして使う
登山をしながらの撮影では、山の稜線をリーディングラインとして使うと、主題となる山頂や遠くの山に、写真を見る人の視線を誘導することができます。
稜線をリーディングラインに使うときは、山頂から見下ろすよりも、山頂の少し手前から山頂と同じ目線の高さか、山頂を見上げる撮り方がオススメです。
足元や遠景などの特徴的な被写体や景色を切り取る
登山の魅力は広大な景色だけでなく、山の中でしか見れない高山植物や、特徴的な山の地形なども存在するので、足元や遠くの景色にも意識をして見ると良いでしょう。
特に標準レンズや望遠レンズなど、広角よりも撮影できる範囲が狭いレンズを使うと、同じ位置からでも、さまざまな景色を切り取れるのでオススメです。
天候や光の変化に対応する撮影方法
- 霧や雲の中の景色を逆光で撮る
- かすんでいる遠くの景色を撮る
- 景色の一部にだけに光が当たる光景を撮る
- 朝焼けや夕焼けの景色を撮る
登山をしているとわかりますが、山の天気は変わりやすく、晴天の日でも霧や雲の中に入ることもあれば、山の地形によって、景色の一部分にだけ太陽の光が当たることもあります。
そんな変化に富んだ山の景色を、臨機応変に写真に撮れるように、これらの撮影アイディアを頭に入れておきましょう。
霧や雲の中の景色を逆光で撮る
登山中に霧が発生したり、雲の中を通過するときには、逆光で木々などをシルエット風に撮影すると、幻想的な雰囲気の写真に撮ることができます。
特に露出補正をプラスに調整して、少し明るめに撮影すると、幻想的な雰囲気を強調できるのでオススメです。
かすんでいる遠くの景色を撮る
かすみが発生している日には、山頂付近や開けた場所から遠くの景色を確認すると、濃いかすみの影響で景色がシルエットのように見えるので、望遠レンズで切り取ってみましょう。
特に山の連なりが多い景色では、山の稜線が幾重にも重なって、まるで水墨画のような印象の写真に撮ることもできます。
景色の一部にだけに光が当たる光景を撮る
複雑な地形の山や、周りに高い山がある場合、分厚い雲がある場合など条件はさまざまですが、登山中には景色の一部にだけに太陽の光が当たる、印象的な光景が現れます。
登山をするコースの地形や、その日の天候を意識しながら、撮影のチャンスを狙ってみましょう。
朝焼けや夕焼けの景色を撮る
登山上級者向けですが、朝焼けや夕焼けの景色は山の上でも綺麗なので、山小屋やテントで宿泊する予定がある人は、マジックアワーでの撮影にもチャレンジしてみましょう。
ただし逆光での撮影では、白とびのリスクがあるので、荷物に余裕があればハーフNDフィルターを使って、明るい空を減光して撮影をすると良いでしょう。
フィルター類を使った撮影方法
- PLフィルターで色鮮やかに撮る
- PLフィルターで湖のリフレクションを撮る
- NDフィルターで水流を撮る
- NDフィルターで雲海を撮る
通常の風景写真の撮影で使用する、PLフィルターやNDフィルターは、登山での撮影でも効果を発揮してくれます。
レンズフィルターと三脚が必要で、荷物が少し多くなるので、初めは何度も登って慣れている山での撮影に、レンズフィルター類を使用するのが良いでしょう。
PLフィルターで色鮮やかに撮る
色彩豊かな山の景色は、PLフィルターを使うことで、光の反射を抑えた色鮮やかな写真に撮ることができます。
特にサイド光で撮るときには、PLフィルターの効果も大きくなるので、山の緑や紅葉を綺麗に撮りたい人は、PLフィルターを使用して登山写真を撮りましょう。
PLフィルターで湖のリフレクションを撮る
登山コースの途中には、湖が存在することもあるので、PLフィルターを使うと、湖面に反射している景色をクッキリと写真に撮ることができます。
湖面の反射は、逆光や曇りの日でもPLフィルターで反射のコントロールができるので、ぜひ綺麗なリフレクション写真を撮ってみましょう。
NDフィルターで水流を撮る
登山コース上には、渓流や滝が存在することもあるので、NDフィルターを使ってわざと遅いシャッター速度で撮影をすると、水流の動きを写真に撮ることができます。
ただし手ブレのリスクが高くなるので、三脚を使って水流以外がブレないように、カメラを固定して撮影するようにしましょう。
NDフィルターで雲海を撮る
登山上級者向けの撮影アイディアですが、朝方や夕方には雲海が広がることもあるので、NDフィルターを使った撮影にも挑戦してみましょう。
雲海の写真は、通常のシャッター速度で撮影しても、十分に迫力のある写真に撮れますが、NDフィルターで雲の動きをブラして撮ると、躍動感が溢れる写真に仕上がります。
登山撮影の注意点
- 登山用のマップやアプリを用意
- コース外への侵入をしない
- 天候の変化に備える
- 水分と行動食を持ち運ぶ
市街地や公園、車からすぐの場所で撮影する場合と違って、登山での風景写真撮影には、自分の身の安全を守るために、気をつけるべき事がいくつかあります。
安全に登山での撮影を楽しめるように、これらには十分注意をして、撮影をしていきましょう。
登山用のマップやアプリを用意
登山をするときには、初心者用のコースでも、万が一の時のために紙やアプリで、登山ルートのマップを用意しておきましょう。
人が多いところではあまり心配がありませんが、周りに人が少なかったり、分岐が多いコースでは、知らぬ間に登山コースから外れていることもあるので、登山マップがあるともしもの時に安心です。
コース外への侵入をしない
登山中は、基本的にはコース外に侵入することが禁止されているので、崖や急な斜面での滑落の危険を防ぐためにも、コース外に侵入して写真を撮るのはやめましょう。
また貴重な草花を保護する観点からも、綺麗な自然を守るために、登山コース以外への侵入をしないようにしましょう。
天候の変化に備える
- アウター類 ⇨ 陰ったり標高の関係で気温が下がった時用
- 雨具 ⇨ 急に雨が降ってきた時用
山の天気は変わりやすく、標高によって気温の変化も激しいので、晴れている日の登山でも、気温が下がった時のために、最低限薄手のジャケットを持って行くようにしましょう。
また標高が高い山では、突然の雨もあり得るので、防水性のウェアを着ておくか、カッパなど雨具を準備しておきましょう。
水分と行動食を持ち運ぶ
登山では、市街地や公園を歩くよりもエネルギーの消費が多いので、必ず水分補給とエネルギー補給ができるようにしておきましょう。
特に水分は重要なので、登山コースのレベルや距離に見合った分の、水やスポーツドリンクを携行するようにすると良いでしょう。
まとめ
- 登山撮影には軽量コンパクトなミラーレスカメラがオススメ
- 登山撮影では構図を作りやすいズームレンズがオススメ
- 登山で撮る写真は山の稜線などを使って構図を作る
- 登山中には天候や時間帯でさまざまな写真を撮ることができる
- 登山撮影では安全と体力に注意が必要
登山をすると、街中や公園では見ることができない、素敵な景色に出会うことができるので、ぜひデジタル一眼カメラを使って風景写真の撮影にチャレンジしてみましょう。
ただし、登山での撮影には持っていける荷物に限度があるので、体力と登山のレベルに見合ったコース選びと、持っていくカメラ機材選びをして、安全に登山での写真撮影を楽しみましょう。
FAQ よくある質問
- 登山での撮影はスマホでも十分ではないですか?
-
スマホでも撮れる写真もあれば、デジタル一眼でないと撮れない写真があります。
広角レンズで撮るような写真は、スマホのカメラでも撮ることができますが、望遠レンズを使った撮影はデジタル一眼がオススメです。
ただ山肌や草花の質感を写真で表現するためには、スマホよりもデジタル一眼の方が綺麗に表現することができます。
- 荷物に限度がある場合、何を基準に持って行くカメラ機材の優先順位を決めますか?
-
私の場合は撮影したい景色を撮るのに必要な機材を優先に持っていきます。
まずは行く予定の登山コースでどんな景色が見れるかを、登山アプリやSNSで確認しておき、撮りたい景色に合わせてレンズやフィルター類、三脚の必要性を考えると良いですよ。
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